東京大学ニューヨークオフィス(UTokyoNY)イベント

【イベントレポート掲載】シンポジウム 「マルチメッセンジャーで宇宙をさぐる」

                 

概要

東京大学宇宙線研究所は、さまざまな宇宙粒子線( 電磁波、宇宙線、ニュートリノ、暗黒物質、重力波) を観測し、宇宙と素粒子物理の解明に挑んでいます。これらの宇宙粒子線のことを、情報の運び手にたとえて「マルチメッセンジャー」と呼びますが、シンポジウムでは宇宙線研究所の研究者と海外から参加する研究者たちが、それぞれの立場からマルチメッセンジャーについて議論し、宇宙の謎に迫ります。(注)使用する言語はすべて英語です。

本シンポジウムは、Zoom会議とYouTube中継で行われます。参加をご希望の場合、Zoom会議、YouTube視聴から参加の方法を選んでいただくことになりますので、あらかじめ決めてからお申し込みください。お申し込みいただいた方には、視聴方法などをメールでお知らせします。

【イベントレポート掲載】シンポジウム 「マルチメッセンジャーで宇宙をさぐる」
日時 2022年2月12日(土)9:30〜17:00 (ニューヨーク時間)
-------日本時間の23:30-翌13日7:00
場所 Zoom会議とYouTube中継(アーカイブ視聴あり)
参加費 無料
定員 制限はありません
対象 幅広い年齢層の方の参加をお願いします
ただし、使用する言語はすべて英語です
お申込方法 申し込み先のリンク
お申込期限 2022年2月10日(木)まで
お問い合わせ(tel) TEL : 080-4866-2631(平日10時〜17時)
主催 東京大学宇宙線研究所(ICRR)
リンク チラシはこちらから入手が可能です

本イベントは、東京大学ニューヨークオフィス(UTokyoNY)が2021年7月にリニューアルオープンしたことを記念し、宇宙線研究所がニューヨークと東京を結んで開催する特別シンポジウムです。開催にあたっては、東京大学社会連携本部及びニューヨークオフィスのご協力をいただいています。
東京大学ニューヨークオフィスイベントの詳細は、こちらのページをご覧ください。

【イベントレポート掲載】シンポジウム 「マルチメッセンジャーで宇宙をさぐる」

誰が話すの?

増山 正晴 理事長
(東京大学ニューヨークオフィス)

増山正晴理事長は1968年、東京大学工学部を卒業し、東京に本社を置く商事会社に入社しました。同社のセールスエンジニアとして勤務し、その間にニューヨーク駐在を2度にわたり経験。合計15年近くニューヨークでの勤務を経験したことになります。 2度目の赴任後に同社を退職し、1994年に米国でコンサルティング会社を設立、現在もニューヨークを拠点に活動しています。2015年にUTokyoNYが設立されて以来、理事長を務めています。シンポジウムではニューヨークオフィスの紹介をしていただきます。

David N. Spergel 代表
(サイモンズ財団)

David N. Spergel 代表は、理論宇宙物理学者で、近隣恒星の惑星探索から、宇宙の形の研究まで幅広い興味を持っています。プリンストン大学教授、WMAP、アタカマ宇宙望遠鏡など多くの天文学に関するプロジェクトの責任者、Kavli IPMU 主任研究員などを務め、フラットアイアン研究所の計算宇宙物理学研究センターを設立。2021年7月から数学、基礎科学研究に助成を行うサイモンズ財団の代表を務めています。シンポジウムでは冒頭、来賓としてご挨拶をいただきます。

梶田 隆章 所長
(東京大学宇宙線研究所)

梶田隆章所長は、東京大学卓越教授、特別栄誉教授でもあります。岐阜県飛騨市の神岡鉱山のカミオカンデ、スーパーカミオカンデ実験に参加。「ニュートリノ質量の存在を示すニュートリノ振動の発見」により、2015年ノーベル物理学賞を受賞しました。大型低温重力波望遠鏡KAGRAの研究代表者。シンポジウムではマルチメッセンジャー天文学と宇宙線研究所について講演します。

手嶋 政廣 教授
(東京大学宇宙線研究所)

手嶋政廣教授は、マックス・プランク物理学研究所(ドイツ・ミュンヘン市)宇宙素粒子実験部門の所長、教授を兼務しています。高エネルギーガンマ線天文学、宇宙線物理学、宇宙素粒子物理が専門で、スペイン・カナリア諸島ラパルマ島に建設中のチェレンコフ宇宙望遠鏡(CTA)の大口径望遠鏡(LST)の研究代表者です。LSTの1号基は「21世紀テクノロジー賞2019」「欧州テクノロジー賞2021」にも選ばれまています。

Reshmi Mukherjee 教授(コロンビア大学バーナード・カレッジ)

Reshmi Mukherjee / Helen Goodhart Altschul 教授は、バーナード・カレッジ学術研究センター副学長を兼務しています。高エネルギー宇宙物理学、宇宙素粒子物理学を研究テーマとし、チェレンコフ宇宙望遠鏡の一つである米国アリゾナ州のVERITAS実験で高エネルギーガンマ線の観測に参加(VERITAS実験の前共同代表者)。CTAの研究メンバーでもあり、中心に巨大ブラックホールを持つ活動銀河核の研究にも携わっています。

佐川 宏行 教授
(東京大学宇宙線研究所)

佐川宏行教授は、宇宙線研究所副所長を兼務しています。米国ユタ州の砂漠で1020電子ボルト(eV)付近の最高エネルギー宇宙線の起源を探索するテレスコープアレイ(TA)実験を行っており(TA実験の前共同研究代表者)、その面積を3000平方㌖に拡大するTAx4を構築中です。これまでの観測で、最高エネルギー宇宙線が、おおぐま座の足元付近の方向から過剰にやってくる兆候を捉えました。

Glennys Farrar 教授
(ニューヨーク大学)

Glennys Farrar 教授の研究テーマは、素粒子物理、宇宙論、暗黒物質です。1971年にプリンストン大学で女性初のPhDを取得。ニューヨーク大学では物理学科の代表を務め、The Center for Cosmology and Particle Physicsを設立しました。現在はアメリカ物理学会・宇宙物理学部門の代表、さらには米国の素粒子物理の将来計画を議論するSnowmassの組織委員会にも所属。南半球での最高エネルギー宇宙線観測(Auge)の研究メンバーでもあります。講演ではTA、Auge、IceCubeを用いた最高エネルギー宇宙線起源の探索とその展望について語ります。

瀧田 正人 教授
(東京大学宇宙線研究所)

瀧田正人教授は、中国チベット高原で宇宙線の空気シャワー観測を行うTibetASγ実験グループに所属 (TibetASγ実験の研究代表者)。地下にミューオン観測装置を設置する改良により、世界で初めてサブ PeV (1014 〜 1015 電子ボルト)のガンマ線を検出。PeV 領域の宇宙線の起源が銀河系内にあることを解明し、第67回仁科記念賞を受賞しました。

Peter K. Fritschel 主任研究員
MIT Kavli Institute for Astrophysics and Space Research

Peter K. Fritschel 主任研究員は、米国の重力波望遠鏡LIGOの主任科学者です。非常に感度の高い数キロに及ぶ巨大なレーザー干渉計の技術を駆使し、重力波を観測する装置を設計・開発することを専門としています。2016年の基礎物理学ブレークスルー賞、2022年のアメリカ物理学会(APS) Richard A. Isaacson 賞を受賞しました。

Peter Shawhan 教授
メリーランド大学

Peter Shawhan 教授は、過去20年間、LIGOおよびVirgo検出器による重力波の直接検出を主に研究し、LIGOにおいて数々のリーダー的役割を担ってきました。また、重力波イベントの候補に関する迅速な情報を天文学者と共有し、天文学者がそれぞれの装置で対応する信号を探せるようにするプログラムの確立と育成に貢献しました。 それにより、2017年8月にLIGOとVirgoが初の連星中性子合体事象を検出した際、電磁波スペクトル全体に渡る、天文学的フォローアップ観測が可能になりました。LIGOコラボレーションに授与された2016年基礎物理学特別ブレークスルー賞の共同受賞者です。現在、IAU重力波天体物理学委員会の委員長を務めています。2021年にはメリーランド大学Distinguished Scholar-Teacherに任命されています。

田越 秀行 教授
(東京大学宇宙線研究所)

田越秀行教授は、重力波を中心とする宇宙物理学・一般相対論を研究テーマとし、大型低温重力波望遠鏡KAGRAのデータ解析チームの代表として、LIGO-Virgo-KAGRAの国際共同研究グループに参加しています。KAGRAで今後取得されるデータを、LIGO-Virgoのデータと共に解析することで重力波信号を検出し、重力波天文学のさらなる発展に寄与することを目指しています。

どんなプロジェクトが登場するの?

【イベントレポート掲載】シンポジウム 「マルチメッセンジャーで宇宙をさぐる」

CTA-LST

チェレンコフ宇宙ガンマ線~ガンマ線を放出する天体の謎~

超高エネルギー宇宙ガンマ線による宇宙の観測・研究が、近年大きく進み、宇宙物理学の新しい分野を形成しています。この研究をさらに飛躍的に発展させるへため、日米欧の国際共同により始まったのが、究極の超高エネルギーガンマ線観測施設、チェレンコフ望遠鏡アレイ(CTA)です。

【イベントレポート掲載】シンポジウム 「マルチメッセンジャーで宇宙をさぐる」

Telescope Array

テレスコープ・アレイ実験

最高エネルギー宇宙線の謎を探索するため、アメリカ・ユタ州の砂漠で行われているのがテレスコープアレイ実験です。日米韓露、ベルギーとチェコの 6 カ国の研究者約 130 人が参加しています。2019年からは地表検出器を展開する面積を4倍に拡張するTAx4の構築がスタートしました。

【イベントレポート掲載】シンポジウム 「マルチメッセンジャーで宇宙をさぐる」

Tibet ASγ

チベットASγ実験

チベット高原に設置した空気シャワー観測装置を用い、高エネルギーガンマ線、超高エネルギー宇宙線、太陽フレアー等を探索する実験です。地下にミューオン観測装置を設置して宇宙線陽子とガンマ線の空気シャワーを判別する機能を加え、サブPeVガンマ線の観測という成果に結びつきました。

【イベントレポート掲載】シンポジウム 「マルチメッセンジャーで宇宙をさぐる」

Gravitational Wave

重力波

大型低温重力波望遠鏡KAGRAは2019年、岐阜県飛騨市の神岡鉱山の地下に完成し、本格運転を開始しました。重力波の直接検出により、国際的な重力波観測ネットワークに参画することで、重力波天文学の創生と発展を目指します。

FAQ

応募方法を教えてください。

申し込みサイトから登録をお願いします。 こちらです
参加をご希望の場合、Zoom会議、YouTube視聴のどちらかを選んでいただくことになります。あらかじめ視聴方法を決めてからお申し込みください。

参加を希望していますが、YouTube視聴するためにはどのようにすればよろしいですか。

YouTube視聴の場合には、PCやスマホがインターネットに接続でき、ブラウザやYouTubeのソフトでサイトが視聴できる環境があれば、ご覧になることができます。また、見逃した場合でも、アーカイブが視聴できますので、ご利用ください。

Zoomでの参加を希望しています。どのようにすれば良いでしょうか。

YouTube視聴の場合と同様に、PCやスマホがインターネットに接続でき、あらかじめインストールしたZoomソフトが動けば参加が可能です。可能であればご参加者欄に自分のお名前を記入いただき、映像ミュート、音声ミュートでご参加ください。Zoomについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

メールが届かないのですが、どうすればよろしいですか。

システムの不具合などによりメールが届いていない可能性がありますので、お問い合わせ先までお電話かメールをお願いします。