大内正己准教授が平成26年度文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞

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4月15日(火)、文部科学省による平成26年度科学技術分野の文部科学大臣章表彰式が文部科学省講堂にて行われ、東京大学宇宙線研究所の大内正己准教授は若手科学者賞を受賞しました。

文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞した大内正己准教授

今回の受賞は、可視光広域深探査による宇宙進化の研究で成果をあげたことによるものです。従来の深宇宙探査のほとんどは狭い天域でしか行われていませんでした。そのため、初期宇宙の銀河や大規模構造は観測的に理解されていませんでした。大内准教授は、独自の光学フィルターを考案・作成することを含めて、これまで行えなかったような広域の深宇宙探査を実現しました。ビッグバン後数億年の時代までの広大な宇宙を見渡す観測を行い、宇宙初期の銀河団を含む大規模構造を発見しました。さらに、暗黒物質ハロー内で複数の銀河が形成されている証拠を見つけました。最近では、宇宙再電離を複数観測量から複眼的に調べることに成功しています。このように、宇宙進化研究における新領域を開拓したことが評価されました。

表彰式では、国歌斉唱、科学技術賞各部門・若手科学者賞・創意工夫育成功労学校賞表彰状がそれぞれ代表者に授与された後、下村文部科学大臣による挨拶、受賞者代表による謝辞がありました。閉式後に、各受賞者に表彰状がひとりひとり手渡されました。

大内准教授は、今回の受賞を受け、「共同研究者の方々、さらには東京大学宇宙線研究所の皆様や私の家族など、これまで私を支えて下さったみなさんのおかげで、文部科学大臣表彰若手科学者賞をいただくことができました。今回の受賞は、これからもっとエキサイティングな研究をしていくように、という激励だと思っています。これからも、宇宙線研究所の学生さんや若い研究者のみなさんと力を合わせて、一緒に世界トップレベルの研究を目指して精進していきたいと思います。宇宙は不思議に満ちています。このような不思議、そして発見の喜びを社会一般のみなさま、特に明日の日本を担う青少年のみなさんと共有していけたらと思います。」と述べました。

Links: 
文部科学省HP「平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等の決定について」
広報便り:大内正己准教授の平成26年度文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞が決定
観測的宇宙論グループ