CTA大口径望遠鏡1号基 (LST-1) 欧州テクノロジー賞2021を受賞

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 スペイン・カナリア諸島のラパルマ島に完成し、試験運転を続けているCTAの大口径望遠鏡LST-1が、スペインの団体Professional and Business Excellence Instituteが選ぶ欧州テクノロジー賞の一つに選ばれ、フランス・パリ市内のホテルで2021年12月2日(現地時間)に開かれた授賞式で、手嶋政廣教授がトロフィーを授与されました。

THE EUROPEAN AWARDSのWebサイトから

 THE EUROPEAN AWARDS (欧州賞)は、スペインの大手メディアEl Suplementoが組織する団体Professional and Business Excellence Instituteが、スペイン国内を拠点に活動する企業・団体が手がけた幅広いジャンルの特筆すべき成果や業績を表彰し、メディアで広く報道することを目的とした賞で、2019年には医療・法律・テクノロジーの各部門ごとに20企業・団体ほどを表彰。2020年はCOVID-19のために中止されましたが、2021年には新たにビジネス部門を加えて再開され、CTAのLST-1がTHE EUROPEAN TECHNOLOGY AWARDS (欧州テクノロジー賞)に選ばれました。

 LST-1は2018年10月、東京大学宇宙線研究所など日本のCTAグループが中心となり、ラパルマ島の山頂にあるロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台に設置された大型チェレンコフ望遠鏡です。直径23メートルの鏡の表面は約400平方メートルあり、高エネルギーガンマ線が作る空気シャワーが大気中で出すチェレンコフ光を反射し、中央のカメラに設置された1855基の光電子増倍管が捉える仕組みです。同じタイプのMAGIC望遠鏡がすぐ近くで稼働中で、2019年1月に初めてガンマ線バーストの信号を地上の望遠鏡として初めて捉え、話題となりましたが、LST-1はMAGICよりさらに低くて幅広いエネルギーのガンマ線を観測できるように設計されています。中型、小型のチェレンコフ望遠鏡と合わせ、北半球と南半球の両サイトで100以上を設置することで、宇宙からのガンマ線を数多く観測し、暗黒物質の謎など宇宙の始まりを解き明かそうとしています。

 CTAは2019年2月にも、El Suplementoが、スペイン国内で話題になった最先端の科学技術に関わる企業、団体、個人などに贈る「21世紀テクノロジー賞2019」にも選ばれ、手嶋教授が表彰を受けています。

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