瀧田 正人

高エネルギー宇宙線研究部門

プロフィール

瀧田 正人

TAKITA, Masato

瀧田 正人

教授

研究テーマ「高エネルギー粒子線天体物理学/宇宙線天文学」

 当研究室では、「高エネルギー粒子線天体物理学/天文学」を専門分野としていますが、そのなかでも、1 TeV (10**12 eV)を超える超高エネルギー宇宙線・ガンマ線に注目した研究を行なっています。観測方法はチベット高原に設置した世界最高精度を誇る空気シャワー観測装置です。
 宇宙からは、人間の作る加速器では到達できないような高エネルギーの粒子が到来しています。1912年の宇宙線発見以来100年が経ちましたが、未だにその加速器は特定されていません。しかし、超新星爆発の際の衝撃波は 1016eV 程度まで粒子を加速可能であることが理論から分かっており、超新星爆発がその起源天体として最も有望視されています。観測されている宇宙線が、超新星残骸で加速されたものかを検証する一つの方法に、100TeV領域のガンマ線放射天体を観測する方法があげられます。
 それは、1015-1016eVまで加速された宇宙線が超新星残骸中で中性π中間子を生成する反応を起こし、その崩壊ガンマ線が銀河磁場に曲げられることなく地球に到達するからです。100TeV領域ガンマ線天文学自身も未開拓であり、大変魅力的なフロンティアです。また、宇宙線が超新星残骸で加速されたかどうかを検証するもう一つの方法として、核種別のエネルギー限界 (加速限界) を測定することが挙げられます。超新星残骸で加速されていると加速限界エネルギーは原子核の電荷Zに比例するからです。我々はこのアプローチからも宇宙線の起源の解明にトライしています。

チベットASγ グループ
ALPACA 実験
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