宇宙ニュートリノ観測情報融合センター

概要

 宇宙ニュートリノ観測情報融合センターは、ニュートリノ、および、関連する研究を行うことを目的として、平成11年に設立されました。本センターのメンバーはスーパーカミオカンデ実験に参加するとともに、スーパーカミオカンデ、および、長基線ニュートリノ振動実験T2Kのニュートリノデータからニュートリノに関する知見を最大限にあげ、さらに、理論と実験の交流をはかるなどして、ニュートリノ研究の新たな道を探っています。また、スーパーカミオカンデのニュートリノデータを最大限に生かすため、大気ニュートリノのフラックスの研究なども行っています。更に、次世代大型実験であるハイパーカミオカンデ計画にも参加し、将来のニュートリノ研究を推進しています。

 本センターは、本研究所の共同利用研究の役割も果たしています。一つは、計算機委員会と共に全国の宇宙線研究者が本研究所の共同利用で使用される大型計算機システムの運用をしています。本計算機システムは、総数約2700コアを持つCPU、4ペタバイトの大容量ディスクシステム、18ギガバイト/秒のデータ転送性能を持ち、大量のデータを高速で解析することが可能です。平成25年度に更新が行われて以来、安定に運用されています。また、平成16年度より宇宙線研究所の地下で行われている一次線共同利用研究の受け入れ窓口をつとめています。その他に、計算機利用のみの共同利用研究や将来計画等に関連した研究会の受け入れ窓口となっています。

 センターではニュートリノ関係の国内研究者の情報交換などをはかることを目的に「ニュートリノ研究会」主催しており、平成30年度は2019年3月23日に行いました。今回は「超新星背景ニュートリノ」のタイトルで、過去の超新星爆発で生じたニュートリノをテーマに研究会を行いました。参加者は21名で、主に超新星背景ニュートリノに関する理論研究者及び実験の研究者によって合計7件の講演が行われました。

 研究会ではイントロダクション、背景ニュートリノフラックスの理論計算、ブラックホールとの関連、そしてSK-Gd実験に関する研究について、5件の講演が行われ、公募講演として中性子測定実験に関する講演も2件行われました。

 平成21年以来宇宙線研究所はカブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)と共同で年に春と夏で2回一般講演会を開催していますが、春については本センターが宇宙線研究所広報室と共同で企画・実施をしています。平成30年度は2018年4月14日に開催され、2名の講師によって「スーパーカミオカンデ・超新星ニュートリノ観測の最前線」「LHC実験で探る不自然な自然」のタイトルで講演が行われ、多くの方が講演に耳を傾けました。

平成30年2月24日に宇宙線研究所で開催された第31回ニュートリノ研究会の様子

宇宙ニュートリノ観測情報融合センター