齋藤 隆之

高エネルギー宇宙線研究部門

プロフィール

齋藤 隆之

SAITO, Takayuki

齋藤 隆之

准教授

研究テーマ
「高エネルギーガンマ線天文学(TeVガンマ線による観測)」

 私たちの住む世界を理解するため、様々な波長の電磁波や、様々な粒子で宇宙観測が行われています。私の専門は、TeVガンマ線による観測です。
 TeVガンマ線による宇宙観測には、宇宙物理学的意義と、基礎物理・宇宙論的意義があります。
 前者は、「宇宙はなぜ高エネルギー粒子に満ちているのか」、という問いに答えるのが目的です。超巨大ブラックホールや中性子星など、粒子加速現場から出てくるTeVガンマ線を検出し、その粒子加速のメカニズムを解明します。
 後者は、光子がもつTeVというエネルギーを利用します。暗黒物質を探索したり、量子重力効果によるローレンツ不変性のやぶれを検証することもできます。
 2010年ごろから私たちが開発を続けてきたガンマ線天文台CTAOが遂にステレオ観測を開始します。2026年に北サイトの大口径望遠鏡(LST)の4台のアレイで観測が始まり、その後も南北両サイトで次々と望遠鏡が建設されていき、TeVガンマ線観測の新しい時代が始まります。
 私自身は超強磁場をもつ中性子星による様々な形の粒子加速と、WIMP暗黒物質探索に強く興味を持っていますが、それ以外のテーマも大歓迎です。ぜひ一緒に研究しましょう。
 また、成熟期を迎えようとしているTeVガンマ線業界ですが、さらなる高感度化を目指して続けていく必要があります。TeVガンマ線に拘らず、MeVガンマ線など未開の分野に研究範囲を広げていくことも大事だと考えています。それらに向けて、半導体を使った検出器開発も行っています。興味があればぜひ一緒に開発しましょう。

個人のホームページ
チェレンコフテレスコープアレイ実験
チェレンコフ宇宙ガンマ線グループ

CTAO北半球サイトがあるカナリア諸島ラパルマ島の山頂

CTAOの大口径望遠鏡1号基(LST-1)

カメラクラスターモジュール265個が埋め込まれた大口径望遠鏡のカメラ部分