【トピックス】岐阜県飛騨市が東京大学稷門賞を受賞

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 宇宙線研究所の実験施設が多く立地する岐阜県飛騨市が10月8日、東京大学稷門賞を受賞しました。稷門賞は、寄付やボランティア活動などを通じて東京大学の活動の発展に大きく貢献した個人、法人又は団体に感謝の意を表すもので、2002年度から計72組が受賞しています。

 今年度の受賞者となった飛騨市は、2017年1月、宇宙線研究所と学術研究の発展、人材の育成及び地域社会の活性化に寄与することが目的の「連携協力に関する協定」を締結。ふるさと納税のメニューとして「宇宙線研究所との連携推進事業」を追加したところ、2018年までに1億1000万円の寄付があったことを受け、3割にあたる3210万円を東大基金「宇宙線研究所若手支援基金」に寄付しています。また、スーパーカミオカンデ、KAGRAなど世界最先端の研究を紹介する展示施設「ひだ宇宙科学館カミオカラボ」を建設したほか、実験施設の一般公開、講演会などを共催するなど、地域連携の新たな形を生み出した功績が高く評価されました。

 8日夕方、本郷キャンパスの伊藤国際学術研究センターで行われた授賞式には、飛騨市の都竹淳也市長ら関係者10人ほどが出席。五神真総長から表彰状を授与された都竹市長は「産業都市としてかつては栄えた飛騨市神岡町ですが、鉱業需要が冷え込み、人口も減少し、街の規模も縮小していくなか、人々は後ろ向き、弱気になっていました。カミオカンデなど世界最先端の研究が神岡鉱山の坑内で行われ、二人のノーベル賞受賞者を輩出するという成果があるということが、旧神岡町民、そして飛騨市民の心の支えとなっていることは間違いありません。市民とともに受賞の喜びを分かち合いながら、今後も共存共栄を図っていきたいと考えています」と語りました。