T2K実験において2011年に発表した電子型ニュートリノ出現現象を確認

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メルボルンで開催された2012年高エネルギー物理学国際会議に於いて、T2K実験グループはミューオン型ニュートリノビーム中での電子型ニュートリノ出現現象に関する新しい結果を発表しました。T2K実験グループは2011年6月に、6個の電子型ニュートリノ の観測を発表しています。世界中の実験による競争の中、初めて電子型ニュートリノ発現現象の証拠を示しました。

今回の発表では、2012年6月までにニュートリノ検出器スーパーカミオカンデで収集したデータを用いました。 データの詳細な解析により、電子型ニュートリノの観測数が11個まで増えました。電子型ニュートリノ出現が起きていない確率はわずか0.08%となり、ミューオン型ニュートリノから電子型ニュートリノへ 変化する現象(電子型ニュートリノ出現)の存在が、より確実なものとなりました。また、原子炉ニュートリノを使ったニュートリノ消失実験の結果もT2K実験の結果と矛盾しませんでした。

電子型ニュートリノ発現現象の発見は、今後のニュートリノ実験の方向を決定づけたと考えられています。これは電子型ニュートリノ発現現象を詳細に調べることにより、なぜ宇宙は物質が支配的であり反物質が少ないか、という謎を 解くための最大の手がかりを与えると期待されているためです。そのためには今後加速器ニュートリノビームの増強や次世代大型ニュートリノ検出器の建設が必要になると考えられています。

実験結果の詳細はT2K実験グループの発表資料中にあります。
>>[実験結果の詳細]

[リンク]
>>[T2K実験について(神岡)]
>>[次世代大型水チェレンコフ検出器について]
>>[T2K実験について(KEK)]
>>[T2K実験の公式ホームページ]
>>[高エネルギー加速器研究機構]
>>[東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設]
>>[J-PARCセンター]