宇宙線研究所 塩澤真人教授が戸塚賞を受賞

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東京大学宇宙線研究所 塩澤真人教授の2015年戸塚洋二賞の受賞が決定しました。今回の受賞は高エネルギー加速器研究機構・教授 小林隆氏と京都大学・教授 中家剛氏との共同受賞で、加速器ミューニュートリノビームによる電子ニュートリノ出現現象の発見によるものです。

ニュートリノ振動を決めるパラメータのうち、すでにスーパーカミオカンデで観測された大気ニュートリノ振動、そして太陽ニュートリノ振動から、大きな混合角θ23、θ12が発見されていました。T2K実験は、最後に残った混合角θ13が有限の値を持つことを、電子ニュートリノ出現の観測を通して世界で初めて確定しました。授賞式は3月21日(土)に東京大学「小柴ホール」にて執り行われます。

今回の受賞を受けて、塩澤教授は、「これはT2Kの研究成果に対する評価で、そういう意味で非常に嬉しい。今後も日本でのニュートリノ物理学研究で成果を上げるようにとの奨励だと思いますので、これからも精進していきたいと思います。混合角θ13が有限であるということがわかり、CP対称性の破れへアプローチできるとわかったばかりで、今まさにニュートリノと反ニュートリノとの違いをみる測定実験のための解析を進めているところです」と今後の抱負を語りました。

塩澤教授は、1995年に東京大学宇宙線研究所神岡素粒子研究施設・助手に着任し、2000年に東京大学理学博士号を取得。以来、同研究所にて2004年に助教授、2007年に准教授に昇進し、2014年からは教授としてスーパーカミオカンデ実験、T2K実験を進めるとともに、将来計画であるハイパーカミオカンデ研究を率いています。

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