武蔵野美術大学の宮原ひろ子准教授 第一回米沢富美子記念賞を受賞

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 日本物理学会が女性科学者・米沢富美子氏の業績を記念し、物理学分野における女性会員の活動を讃え、奨励するために創設した「米沢富美子記念賞」の第一回受賞者に、武蔵野美術大学の宮原ひろ子准教授ら5人が選ばれました。

 宮原准教授は、名古屋大学大学院理学研究科・博士課程(後期課程)を修了後、学振研究員などを経て、2008年から4年半、宇宙線研究所の特任助教を務め、2013年に武蔵野美術大学造形学部教養文化・学芸員課程研究室の教員に着任。専門の太陽物理学、宇宙線物理学、宇宙気候学の研究を続ける一方、宇宙線研究所の共同利用研究課題採択委員を務めています。

 日本物理学会が、宮原准教授の受賞理由に掲げた業績は、「太陽活動極小期における宇宙線強度変動の研究および過去の宇宙線変動復元のための新手法開拓」です。具体的には、樹木年輪や氷床コアに含まれる宇宙線生成核種を高精度かつ高時間分解能で分析することにより、宇宙線の変動特性やそれを決定付ける太陽活動の研究を行ってきたこと。また、宇宙線が地球環境に及ぼす影響について重要な手掛かりを得たこと。さらに、一般向けの著書「地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか: 太陽活動から読み解く地球の過去・現在・未来」を執筆し、講談社科学出版賞を受賞するなど、アウトリーチ活動にも積極的に取り組んできたことも挙げています。

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 宮原准教授は今回の受賞について、「この度は、このような身に余る賞を頂き、大変光栄に存じております。受賞対象となった研究成果の1つは、宇宙線研究所にいたときのものです。研究をサポートしてくださった梶田所長はじめ、所の先生方に、心より御礼申し上げます」とコメントを寄せています。