【プレスリリース】CTA北半球望遠鏡アレイ建設へむけて交渉を正式に開始

プレスリリース

 2015年3月26日、ドイツ、ハイデルベルクにて、Cherenkov Telescope Array (CTA)プロジェクトの評議会が開催されました。この評議会は各国の政府機関代表者が一同に会し、CTAプロジェクト北半球の建設予定地として、どの地域から交渉を開始するかの決定が行われました。これまで候補地として、アメリカ(アリゾナ州)の2地域、スペイン領カナリア諸島の2地域、そしてメキシコの1地域の計5つの地域が挙げられていました。

 本委員会にて候補地を2地域へ絞るため、アルゼンチン、イギリス、イタリア、オーストリア、スイス、スペイン、チェコ共和国、ドイツ、日本、ブラジル、フランス、ポーランド、南アフリカの計13カ国の代表者による投票が行われました 。その結果、スペイン、カナリア諸島のラパルマ島、そしてメキシコのサンペドロ・マルティエの2つの地域に対して交渉を開始することが決定されました。また、アメリカ、アリゾナ州の地域は予備の候補地として考慮されることになりました。今後の交渉の結果に基づいて、2015年11月に委員会は最終建設予定地の決定を下すことになっています。また、南半球の建設予定地に関しては、候補地であるナミビアとチリ(ヨーロッパ南天文台)との交渉が進んでおり、2015年8月終わりに最終建設予定地が決定される運びとなっています。

 今回の決定を受けて、評議会委員長であるVierkorn-Rudolph博士は、「北半球望遠鏡アレイ建設に向けて、即座に交渉すべき地域の優先順位が決まったことはとても喜ばしいことです」と話していました。また、「今年後半に行われる最終建設予定地の決定を非常に心待ちにしています。世界中の科学者達が望遠鏡の建設を、今か今かと待ちかねています。」とは、CTAコンソーシアム代表者であるWerner Hofmann教授の言葉です。

 現在プロジェクトは建設前段階にあり、望遠鏡デザインの最終確認が行われています。南北半球の建設予定地の決定はCTA実現に向けた重要な一歩です。最終建設予定地の決定後、2016年より最初の望遠鏡の建設が開始されます。

問い合せ先 

・CTAについて
 CTA大口径望遠鏡プロジェクトリーダー
 東京大学宇宙線研究所 教授 手嶋 政廣

・宇宙線研究所について
 東京大学宇宙線研究所 広報担当 林田 美里
 TEL:04-7136-5148
 E-mail:misato◎icrr.u-tokyo.ac.jp(◎を@にご変換ください)

関連リンク 

CTA News “FOR IMMEDIATE RELEASE: Start of Negotiations for CTA North”