中村健蔵さんが令和7年(2025年)12月30日(火)にご逝去されました(享年80)。ここに謹んでお知らせ申し上げます。
中村さんは、戸塚洋二さんとともにスーパーカミオカンデ実験の立ち上げを牽引され、また、加速器ニュートリノを用いた K2K実験、T2K 実験の開始においても中心的な役割を果たされるなど、ニュートリノ物理学の発展に極めて大きな貢献をされました。
ハイパーカミオカンデの完成をご覧いただけなかったことは、残念でなりません。
さらに、中村さんはKavli IPMU 創設期において事務部門長を務められ、研究所の立ち上げを支えられました。
また「Review of Particle Physics(Particle Data Group)」の主要執筆者の一人としても、長年にわたり国際的な研究活動に尽力されました。
ここに、生前のご功績に深く敬意を表するとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
神岡宇宙素粒子研究施設長 塩澤 眞人
以下に、スーパーカミオカンデ研究者グループの執行委員であるハンク・ソーベル教授(カリフォルニア大学アーバイン校)から寄せられた哀悼のコメントを記載いたします。
健蔵の訃報に接し、胸が張り裂ける思いです。
彼は、国際的な素粒子物理学およびニュートリノ物理学のコミュニティにおいて深く尊敬されていた研究者であり、日本のICRRグループと、かつてのIMB共同研究グループとを結びつけ、やがてスーパーカミオカンデ実験へと発展する国際共同研究の礎を築くうえで、極めて重要な役割を果たしました。
この国際共同研究を形にすることができた背景には、彼の卓越した外交的手腕がありました。彼は相互の信頼関係と共通の目的意識を育み、それによって国際協力体制の構築を可能にしました。
スーパーカミオカンデ実験の成功、そして現在に至るまで続くその大きな影響力は、まさにこうした初期の努力が実を結んだ証と言えるでしょう。
1992年に行われた私たちの最初の会合の写真を添付しました。健蔵は、写真右側のテーブルに着席しています。
