観測的宇宙論グループの柳澤広登さん(修士課程2年)がこのほど、スイスで開かれた大学院生向けのウィンタースクール「The 54th “Saas-Fee Advanced Course” of the Swiss Society for Astrophysics and Astronomy (SSAA) 」で、ポスター賞を受賞しました。
1月下旬にスイスアルプスの山岳リゾート地Saas-Feeで開かれた今年のSaas-Fee Advanced Courseは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した初期宇宙の銀河やブラックホールがテーマで、4人の専門家の講義や、世界中から集まった40人ほどの学生の発表が行われました。
柳澤さんは観測的宇宙論グループに所属し、遠方銀河における星間物質の物理や化学進化に関する研究を行なって、2024年だけで3本の査読付き論文(主著者)を出稿しました。Saas-Fee Advanced Courseに宇宙線研究所から唯一参加した柳澤さんは、これら3本の論文の成果を一枚のポスターにまとめた発表を行い、Elka Rusta(フィレンツェ大学), Alice Young(ストックホルム大学)とともにポスター賞を受賞。世界的な天文物理学の研究者Richard Ellis教授(University College of London)のサイン入り著書「When Galaxies were Born」を授与されました(写真)。
ポスター賞を受賞した柳澤さんは「遠方銀河の星間物質でこれまでに知られていなかった物理状態や化学組成を見つけ、とても驚きました。その結果を解釈し、論文としてまとめるのは非常に厳しい道のりでした。大内先生をはじめ多くの先生方や学生と議論をさせていただいたおかげで、論文として投稿することができました。今回、その成果を評価していただけたことをとても嬉しく思います。」と話しています。

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The 54th “Saas-Fee Advanced Course” of the Swiss Society for Astrophysics and Astronomy (SSAA)