テレスコープアレイ実験グループの髙橋さん WINGS-QSTEPコロキウムでベストポスター賞を受賞

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 東京大学の量子科学技術国際卓越大学院(WINGS-QSTEP)が主催する2023年度コロキウムが2月29日、本郷キャンパス工学部2号館で開かれ、テレスコープアレイ実験グループの髙橋薫さん(博士課程1年)がベストポスター賞を受賞しました。

WINGS-QSTEP 2023年度のコロキウムでBest Poster Awardを受賞した博士課程1年の髙橋さん

 WINGS-QSTEPは東京大学国際卓越大学院プログラムに位置付けられるフェローシップ制度の一つで、量子科学から量子技術まで広く俯瞰できる研究教育プログラム及びキャリアパス支援プログラムを提供しており、髙橋さんは博士課程に進学した2023年4月から参加しています。

 参加する大学院生たちが一堂に会する年一度のコロキウムで、髙橋さんは「TA SD analysis for inclined air showers (テレスコープアレイ実験地表検出器(TA SD)による大天頂角空気シャワー解析手法の開発)」と題する英語版ポスターを作成して発表。最高エネルギー宇宙線がどこで作られたのかは未解明ですが、最高エネルギー宇宙線の起源天体では高エネルギーニュートリノも生成されます。これを観測できれば、最高エネルギー宇宙線の起源を特定することに大きく近づくこと、さらにその解析手法を探る自らの研究について説明しました。その結果、髙橋さんのポスターは、131人がエントリーしたポスターセッションの中で、わずか9人(博士課程1年 : 2人、同2年 : 3人、同3年 : 4人)しか選ばれないBest Poster Award (ベストポスター賞)を受賞しました。

 受賞した髙橋さんは「私はテレスコープアレイ実験では初めて、TA SDによるニュートリノシャワーの解析手法の確立を目指しています。この手法が確立できれば、2021年5月27日にTA実験で観測された『アマテラス粒子』を含む最高エネルギー宇宙線の起源天体解明に向けた大きな一歩となります。ぜひ解析手法を確立して、高エネルギー天体ニュートリノを観測したという報告ができるように頑張ります」と抱負を語りました。