多摩六都科学館の「私の一冊」
宇宙ガンマ線グループの大石理子助教

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 西東京市の多摩六都科学館で11月5日から始まったミニ企画展「科学の本棚II~科学と女性~」で、宇宙線研究所のチェレンコフ宇宙ガンマ線グループに所属する大石理子助教が紹介する「神秘の島(上)(下)」(ジュール・ヴェルヌ著、清水正和翻訳、福音館書店)が展示されています。

多摩六都科学館(西東京市)の2階図書コーナーに展示されている「科学の本棚」(写真:多摩六都科学館の提供)

 同館では2019年10月に、子どもが初めて科学と出会う絵本から科学者の進路を決めた一冊まで、約100冊の科学の本・絵本を揃えたミニ企画展「科学の本棚」を開催しました。今回の展示はその第二弾で、国連加盟193カ国が掲げた持続可能な開発目標(SDGs)の「質の高い教育の普及」「ジェンダー平等」にちなみ、女性科学者について書かれた書籍・絵本、女性科学者や女性作家が書いた科学の本など、子どもから大人まで、それぞれの層が科学研究や科学者、ジェンダーの問題に興味を持つきっかけとなる本を紹介する企画です。

 大石助教が選んだジュール・ヴェルヌ著「神秘の島(上)(下)」は、12人の女性研究者が選んだ「私の一冊」の一つとして同館2階の図書コーナーに展示されており、大石助教は「科学書にあまり興味のない子供だった自分にも、『理系の仕事』に心惹かれる読書経験があっただろうか、と考えたときに思い出されたのはこのJ・ヴェルヌの冒険譚である。無人島に漂着した技師サイラス・スミスを中心とする五人は、限られた物資を元に科学知識を駆使して生活基盤を築き上げてゆく。天体観測から島の位置を推定し、島の動植物から食料を確保し、天然資源から生活に必要な道具や設備を作り上げ、未踏地域を探検調査して得た情報を元に仲間と議論して次の行動計画を決定してゆく。科学が本来、より多くの人が安全で便利な生活を手に入れられるようにという切実な目的のために不可欠なものだったことを、大人になって心迷う日にも思い出させてくれる本である」とコメントを寄せています。

大石助教おすすめのジュール・ヴェルヌ著「神秘の島(上)(下)」(写真:多摩六都科学館の提供)

 展示は12月5日まで。

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