博士課程1年の大谷さん、加藤さん 日本物理学会2020秋季大会の学生優秀発表賞を受賞

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 チェレンコフ宇宙ガンマ線グループの大谷恵生さん(D1)と、チベットグループの加藤勢さん(D1)の二人が、2020年10月に行われた日本物理学会2020年秋季大会で、学生優秀発表賞を受賞し、3月14日、オンラインで表彰されました。

 大谷さんは「CTA報告 167: CTA大口径望遠鏡初号機とMAGIC望遠鏡の相互較正」と題し、秋季大会で発表しました。大谷さんは、スペイン・カナリア諸島のラパルマ島に完成したCTAの大口径望遠鏡1号機(LST-1)と隣接のMAGIC望遠鏡で、かに星雲をそれぞれ独立に観測し、両者の時間情報のズレを調整して同一イベントの観測データを同定し、LST-1が本来の性能を発揮できているかを見極める研究を進めており、「時間のズレを調整し、イベントを同定するプログラムを作るのに、かれこれ1年近くかかりましたが、うまく結果が出せてよかったです」と語りました。

チェレンコフ宇宙ガンマ線グルーブの大谷恵生さん

 一方、加藤さんは「ALPACA実験18: ALPAQUITA実験の性能評価シミュレーション5」と題し、秋季大会で発表。南米ボリビアのチャカルタヤ山頂近くの標高4800メートルに、ALPACA実験に先立って設置された小規模空気シャワー観測装置ALPAQUITAについて、コンピュータシミュレーションによる性能評価を行うもので、加藤さんは「ALPAQUITA実験、ALPACA実験のガンマ線天文学への貢献に対する、皆様の大きな期待を感じました。同時に、信頼のおける観測結果を得る上で欠かせない、シミュレーションを用いた研究を行うことの責任の大きさを、改めて実感しました。今回の受賞に慢心せず、今後とも真摯に研究に努めていこうと思っております」と語りました。

チベット実験・アルパカ実験グループの加藤勢さん