乗鞍観測所

概要

 乗鞍における宇宙線研究の始まりは昭和24年に大阪市立大学が畳平で行った実験です。翌年には大阪市立大学、名古屋大学、神戸大学、理化学研究所の4機関が朝日新聞学術奨励金を受けて岩井谷の現在の場所に通称「朝日の小屋」を建設し、宇宙線の研究にさらに弾みをつけました。昭和28年8月初めての全国の大学の共同利用のための研究機関として東京大学宇宙線観測所が正式に発足しました。昭和51年には今までの観測所は東京大学宇宙線研究所として生まれ変わり、乗鞍観測所はその付属施設となり現在に至っています。
 超高エネルギー領域での素粒子・核反応に関する研究、銀河系・太陽惑星空間における宇宙線変動と磁場や太陽活動に関連した研究、太陽中性子に関連する研究、雷雲による宇宙線加速の研究等の最先端の宇宙線研究が行われてきました。また最近では、人工汚染の少ない高山でのエアロゾルを採取して、その大気圏での輸送機構や大気汚染・雲発生などの影響を調べる実験、温暖化・酸性雨などが高山の植生に及ぼす影響の調査など、地球環境に関する研究が盛んになっています。宇宙天体からの超高エネルギーガンマ線を探索する予備実験や、宇宙線観測用望遠鏡の性能試験など、高い標高や暗い夜間を利用した試験観測も行われています。近年の乗鞍観測所は、その特徴を生かして、色々な分野の研究者によって多目的に利用されています。

基本情報

住所 〒506-2100 岐阜県高山市丹生川町乗鞍岳
TEL 090-7721-5674 090-7408-6224
乗鞍観測所 土地 59,707 m2(借入) 建物 1,655 m2
鈴蘭連絡所 土地 2,303 m2(借入) 建物 182 m2
標高 2,770m(平均気圧720hPa)

アクセス

① JR中央本線松本駅〈松本電鉄・30分〉新島々駅
 〈アルピコ交通バス・1時間〉乗鞍高原観光センター
 〈アルピコ交通バス・50分〉乗鞍岳山頂(畳平)
 〈徒歩・25分〉(※バスの運行期間は7月〜10月上旬)
② JR高山本線高山駅〈濃飛バス・1時間〉平湯温泉
 〈アルピコ交通バス・1時間〉乗鞍岳山頂(畳平)
 〈徒歩・25分〉(※バスの運行期間は7月〜10月上旬)