宇宙・素粒子の研究に取り組む若手が登場します。若手支援基金からの援助により研究を進めるICRRフェローらが、自らの研究の魅力や人生の選択について語ります。
宇宙や天文に関わる理論研究から、高エネルギーガンマ線を観測するチェレンコフ宇宙望遠鏡ブロジェクトまで、バラエティに富んだ研究内容と、若手研究者の興味などについて知ることができます。
観測的宇宙論、重力波、高エネルギー天体などバラエティに富んだ研究内容に加え、彼らにとって人生における選択とは何か、についても知ることができます。
特任研究員(ICRRフェロー) 平松尚志さん
スピーカーの1人目は、平松尚志・特任研究員(ICRRフェロー)です。平松さんは、茨城県つくば市出身。東京大学理学部物理学科(学部〜博士)を経て、研究員として、東京大学・ビッグバン宇宙国際研究センター(RESCEU)、宇宙線研究所(ICRR)、京都大学基礎物理学研究所(YITP)、立教大学、宇宙線研究所(ICRR、2回目)を歴任しています。9歳でプログラミングを始め、小学生〜中学生の間は円周率の計算に明け暮れる毎日を過ごしました。この頃は岩波の数学公式集(第2巻)、マグロウヒルの数学公式ハンドブックが好きで、謎の公式探しをいつもしていたそうです。「小学校1年生のころ、科学万博が地元で開かれ、さらに、かこさとし氏の『宇宙』『地球』という絵本に触れたことで、なんとなく宇宙の研究の道が刷り込まれていた気がします。ちなみに、高校では物理より化学の方が圧倒的に好きで、いまだに物理が得意とは言い難い気がします」と語ります。
趣味はプログラミング、鉄道旅行、けんだま、ピアノ。
学振特別研究員 林航平さん
スピーカーの2人目は、林航平・学振特別研究員です。林さんは、岩手県一関市出身。東北大学院理学研究科天文学専攻にて2015年博士号を取得後、東京大学カブリIPMU、北京大学カブリ天文天体物理学研究所、国立天文台を経て、2018年より現職に就任しました。研究分野は銀河考古学・近傍宇宙論です。我々の住む銀河やその周辺にある銀河をその構成要素である恒星に分離し、個々の恒星の性質に基づいて銀河の形成進化や暗黒物質の本質を解明する学問で、目標は暗黒物質を発見することです。そのために、天文学だけでなく様々な分野の研究者と暗黒物質発見のための議論、研究を行っています。
青春時代は小・中・高と野球に熱中し、現在も草野球チームに入って野球を続けています。趣味は、草野球とウェイトトレーニング。趣味とは言えど、高みを目指して真剣にやっています。好きな音楽はサザンオールスターズ(20年来のファン)。
学術支援専門職員 猪目祐介さん
スピーカーの3人目は、猪目祐介・学術支援専門職員です。 猪目さんは兵庫県西宮市出身の神戸市育ち。中学の技術家庭科で組み立てたラジオから電子回路に興味を持ち、兵庫工業高校の電子工学科を経て甲南大学に入学。宇宙粒子研究室で宇宙粒子検出装置の研究を始めました。大学院進学後は大規模な望遠鏡群によって高エネルギーガンマ線天文台を建設するCTA計画の研究・開発に携わってきました。2018年より現研究室に勤務しています。研究内容は望遠鏡に搭載する検出器の開発と評価。宇宙観測に不可欠な検出器等のエレクトロニクスを牽引できる技術者になりたいと思っています。
趣味は自動車・バイクなどの乗り物と機械いじり。