トピックス「松戸市の”科学と芸術の丘2018″で霧箱ワークショップを開催」

松戸市の「科学と芸術の丘2018」で霧箱ワークショップを開催

―宇宙線研究所広報室

 東京大学宇宙線研究所は20日、松戸市主催の「科学と芸術の丘2018」の会場となった松戸市観光協会(松戸市本町)で、霧箱実験のワークショップを開催しました。科学と芸術の丘2018は、自然や科学の世界を芸術・アートとして表現するフェスティバルで、20、21日の2日間、松戸市の国の重要文化財「戸定邸」を主会場に今年初めて開催されました。

霧箱ワークショップが行われた松戸市観光協会2階の会場
霧箱ワークショップが行われた松戸市観光協会2階の会場
戸定邸に展示された光電子増倍管
戸定邸に展示された光電子増倍管

 霧箱実験のワークョップは20日午前11時半と14時の2回、松戸市観光協会2階の多目的スペースを利用して開催され、宇宙線研究所学術支援専門職員の大林由尚さんが講師として招かれました。

 ワークショップには午前、午後の2回で計31組の家族連れなどが集まり、大林さんから宇宙線発見の歴史や、宇宙線を観察できる霧箱の説明を受けた後、全員が一つずつ霧箱のキットを組み立てました。箱の内側にアルコールを浸して蓋を締め、ドライアイスで冷やし、懐中電灯で横から照らしながら内部を観察すると、時々、白く細い線が走るのが観察され、「いま何か見えた!」「すごい!」「宇宙線だよ」など興奮した声があがりました。

霧箱の中を観察し、宇宙線を探す子どもたち
霧箱の中を観察し、宇宙線を探す子どもたち

 次に霧箱の中にランタンの芯を入れてもらうと、芯に含まれるトリウムからアルファ線が四方に放出される様子が観察され、「すごくたくさん出てる!」「これは宇宙線じゃないの?」などの感想や疑問が次々に出されていました。

 大林さんは「私たちの身の回りには、目に見えない宇宙線が飛び回っていて、世界中に霧箱のような検出器があり、宇宙線の研究を行なっています。26、27日には東京大学柏キャンパスの一般公開があり、宇宙線研究所の研究について知ることができる貴重な機会なので、ぜひ来てください」と呼びかけました。

宇宙線について説明する講師の大林さん
宇宙線について説明する講師の大林さん