東京大学 宇宙線研究所

チェレンコフ宇宙ガンマ線グループ

ガンマ線天文学 〜衝撃に満ちた宇宙の探求〜

ガンマ線天文学では、電磁波の中で最も高いエネルギー帯域で宇宙を観測します。ここ30年足らずの間に、100個以上ものガンマ線を放出している天体が発見され、 観測されたガンマ線の中には世界最大の人工加速器LHCのエネルギーをも遥かに超えるものも存在します。このことから宇宙にはとてつもない巨大な加速器が存在し、粒子(宇宙線)を加速しており、それが周囲の物質や輻射場と相互作用することで高エネルギーガンマ線を出していることが分かりました。我々は宇宙が非常に高エネルギーの天体現象が満ちていることに衝撃を受け、宇宙に対する価値観が大きく変わりました。また、高エネルギーガンマ線は加速器天体からだけでなく、暗黒物質の対消滅からも放出されます。銀河中心や近傍の矮小楕円銀河での暗黒物質由来のガンマ線を探査するのも重要な研究課題となっています。ガンマ線天文学では宇宙の高エネルギー天体・現象の研究、また、高エネルギーガンマ線を使った宇宙素粒子の研究を行います。

具体的な研究対象は以下となっています。

  1. 超新星残骸、パルサーやパルサー星雲、活動銀河核(巨大ブラックホール)、ガンマ線バースト等の高エネルギー天体
  2. 高エネルギー天体での粒子加速メカニズム、ガンマ線放射メカニズム、宇宙線の起源の解明
  3. ガンマ線吸収から光・赤外線背景放射のエネルギー密度の測定、宇宙における星・銀河の形成史の研究
  4. 宇宙を満たす暗黒物質の対消滅からのガンマ線探査
  5. 究極の物理理論である量子重力理論の検証(相対性理論の精密検証)

ガンマ線天体

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