宮川 治

MIYAKAWA, Osamu

研究テーマ「大型低温重力波望遠鏡（KAGRA）による重力波観測」

　アインシュタインが一般相対性理論の中で預言した重力波。その予言から約100年たった現在、やっと重力波が実際に検出され、重力波天文学という分野が花開こうとしています。私は、岐阜県の神岡にある大型低温重力波検出器KAGRAにおいて、日本における重力波検出を目指して研究をしています。3キロメートルの2本のトンネルからなる大型実験装置KAGRAは、さまざまな機器で構成され、その中でも特に、高出力レーザーや、レーザー周波数の安定化に関わる光学系、計算機を使った干渉計全体の制御、機器全体のタイミング同期、データ取得などを担当しています。これだけでなく、真空や防振、回路など関連分野は多岐に渡りますが、重力波検出器はまだまだ未開発なところがたくさんあって、今後も感度を向上させるためにさまざまなアイデアと、その実装が必要です。手を動かして実験してみたい方、自分で考えて実験を進めたい方は大歓迎です。現在は重力波天文学の黎明期にあたるのか思います。海外の重力波検出器LIGOやVIRGOとの国際協力で、地球規模での重力波の観測が重要となってきます。KAGRAはアジア・オセアニア地域における中心的な重力波観測施設となっていくはずです。さらには重力波のみならず、天体現象に対しての多波長での信号検出を目的としたマルチメッセンジャー天文学への貢献も目指していきます。

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