宇宙線研究所共同利用小研究会
「コンパクト天体における高エネルギー現象」

2016年10月11日(火)-12日(水) @ 東京大学宇宙線研究所(柏) 6階大セミナー室

Advanced LIGOの成功により、本格的な重力波天文学の時代がやってきた。 重力波は従来の電磁波に加えて、コンパクトな天体を観測する新たな窓と言え、 実際に太陽質量の30倍にも達するブラックホール連星の存在を明らかにした。 次に重力波に期待されているのは、ブラックホールと中性子星の合体、 中性子星同士の合体、巨星のブラックホールによる潮汐破壊現象などの観測である。 連星合体時には、熱的・非熱的な電磁波やニュートリノの放出が期待され、 今後は多波長・多粒子観測と連携することで、 ガンマ線バーストなどとの関連が明らかになることが期待される。 他方では、近年の電波観測がFRBと呼ばれるミリ秒スケールの短時間電波バースト現象を発見し、 これも何らかのコンパクト天体による新現象だと考えられている。 IceCubeによる銀河系外起源PeVニュートリノの検出や、陽電子などの宇宙線組成の異常といった、 その他の手段の観測結果も、上記の高エネルギー現象と何らかの関係があり、 ヒントを与えてくれているのかもしれない。 将来的には、マルチメッセンジャーによる総合的な知を基に、コンパクト天体の形成史、 ブラックホール形成時の高エネルギー現象などの解明が進んで行くことが期待されている。 上記の展望の元、この小研究会では、 コンパクト天体に関する理論的な研究を精力的に進めている研究者による招待講演を企画した。 余裕のある講演時間を確保したので、活発な議論と意見交換ができると期待している。


Program

10/11(火)

午前I 座長:浅野

12:00 - 13:30 昼食

午後I 座長:樫山

15:30 - 16:00 休憩

午後II 座長:久徳

18:00 - 懇親会

10/12(水)

午前I 座長:石崎

12:00 - 13:30 昼食

午後I 座長:衣川

世話人:宇宙線研究所 衣川智弥、浅野勝晃