




故・戸塚洋二先生による、科学研究費補助金・基盤研究A・「重力波観測によるMACHOブラックホール合体に関する研究 」の推進のため、当時、国立天文台にあった、20m Fabry-Perot Michelson type 干渉計を、スーパーカミオカンデの至近に新たに掘削したトンネル内に移設しました。目的は、「地下の低地面振動環境の優位性」を示し、その安定な環境で銀河内イベントをターゲットにした「MACHOブラックホール合体」からの重力波観測を行うことです。実際的にこの移設プランの作成、トンネルの新規掘削、干渉計再構築、真空系・光学系・回路系・鏡防振系・連続運転システムの開発を行ったのは、大橋、三代木、佐藤(現・法政大学)、寺田(産総研)、辰巳・福島(天文台)で、その後のデータ解析は、主に、田越(大阪大学)、高橋(現・長岡技術科学大学)です。この計画推進においては、鉱山内の活動のすべてが初めての事であるがゆえに、歴代の神岡宇宙素粒子研究施設長をはじめとするスーパーカミオカンデグループの方々の支援もいただきました。
この移設されたレーザー干渉計重力波アンテナプロトタイプはLISMと呼ばれていましたが、その成果は以下に集約されます。
■当時最長の無人連続運転
■低周波付近における世界最高変位感度の達成
■TAMA300との世界初の同時観測によるVeto解析