このサイトを御覧になられている皆さんは、きっと様々な思いを抱いていることでしょう。ここでは、そんなあなたの疑問を解決するべく、よくお尋ねいただく内容についてまとめてみました。御参考にしていただければ幸いです。
東京大学柏キャンパス (千葉県柏市) 内にある東京大学宇宙線研究所にあります。南側の建物を入りまして、4階の一部と5階の一部です。
説明会に参加できない方、参加したけれど再度話を聞きたい方など、 どうぞ気軽にお訪ね下さい。お越しの際は、事前に下記まで御連絡いただければ幸いです。
佐古崇志 (東京大学大学院理学系研究科博士後期課程1年)
朝10時〜12時頃に研究室に来て、夜8〜11時頃に帰宅の途につく方が多いです。また、土日は休日として家で過ごす方がほとんどです。ですが、基本的に自由で各自の判断に任されています。
チベット行きや学会などの場合を除くと、宇宙線研でのデスクワーク (データ解析、シミュレーション構築など) やゼミ、検出器のR&Dがほとんどです。
月に一度グループミーティングがあるので、それまでに結果をまとめられるように研究をしています。思うように仕事がはかどらないときには、息抜きに近辺を散歩したり、研究室のみんなでお茶をしたりして気分転換をしています。休日を返上したり徹夜したりすることも稀にありますが...。
参考までに、ある学生さんのある一日のタイムテーブルを載せておきます。
11:00 | 登校 |
. | ミューオン検出器シミュレーション製作 |
12:30 | 昼食 (仕出し弁当) |
13:00 | ミューオン検出器シミュレーション製作 (続き) |
15:20 | 休憩 (お茶の時間) |
16:00 | ゼミ("Techniques for Nuclear and Particle Physics Experiments") |
17:00 | ミューオン検出器シミュレーション製作 (続き) |
19:30 | 夕食 (柏キャンパス内カフェテリアにて) |
20:20 | ミューオン検出器シミュレーション製作 (続き) |
23:00 | 帰宅 (下宿) |
基本的には1年に1回、1〜3ヵ月間、中国チベット自治区羊八井 (ヤンパーチン) 高原 (〜標高4,300m) にある実験施設 (top写真) に滞在します。実験装置のメンテナンスが主な目的で、次のような作業を行います。
特に、プローブキャリブレーションは、PMTの経年変化によるゲイン変化などの影響を補正するために必要な重要な作業です。すべての検出器をチェックするのに10日間程度を要し、滞在中で最も大がかりな作業のうちの一つです。
この他にも、将来計画のための新型検出器のR&Dの一環として、実験サイトでの試験などを精力的に行なっています。
滞在期間中は、実験施設敷地内にある宿舎で生活をし、基本的に日曜日は休みです。また3〜4週間に一度くらいの割合で拉薩の街 (〜標高3,600m) までおりて数日間休暇をとります。
GEANT4というシミュレータを使って、将来計画 (MD計画) のためのシミュレーションをしています。高エネルギーガンマ線をより良い感度で検出できる装置を作るため、装置を地下何メートルに埋めるか、タンクの水深をどのくらいするか、光電子増倍管の位置はどこが最適か、等を調べています。
下図は、ミューオンが水タンクの中でチェレンコフ光を放出する様子をシミュレーションで再現したものです。緑の線はチェレンコフ光の伝播経路、白い物体は光電子増倍管を表します。この図はデモンストレーションで光電子増倍管が8インチに対応していますが、MD計画の検出器のシミュレーションでは実際に則した形状になっています。
将来計画 (MD計画) に向けて、昨年12月、アレイ内の地下2mのところに、2m2のテスト用ミューオン検出器を設置して来ました (写真: 本人は右)。現在はそのテスト検出器のデータを解析し、電子、光子、ハドロン成分の土壌による遮蔽について研究しています。ミューオンのみを観測するために大変重要になってくることです。
本実験で用いる20インチPMTの基本性能の測定の測定もしています。20インチPMTは地磁気の影響をうけて性能が悪化します。悪化の程度を見積もり、無視してよいのか、なんらかの対策を施すべきなのかを調べています。
また、8月に中国で開かれる国際ワークショップに参加する予定です。そこで発表するため、現在のアレイでの100TeVガンマ線点源探索の結果をまとめています。
「ヤク」という牛の仲間をモチーフにしたものです。ヤクはチベットに数多く棲息しており、食用として放牧されてもいるようです。中国チベットにある実験サイトでは、その雄姿を遥か遠方に望むこともできます。