ICRR
サイトマップ お知らせ 研究所紹介
交通・宿泊など 報告書 リンク HOME
プロジェクト紹介
| 沿革年表 | やさしい解説 | プロジェクト紹介 | 年次資料 | 柏キャンパス・施設 |

INDEX
スーパーカミオカンデ
カンガルー
アガサ/TA
チベット
重力波
SDSS
理論
チャカルタヤ
ニュートリノセンター
重力波

(ミューニュー部)

研究目的と装置
重力波 HPへ
アインシュタインの一般相対性理論によれば、質量を持つ物体の周囲の空間は歪んでおり、その物体が運動すると歪みが光速の波となって伝わります。これが重力波です。その存在は連星パルサ−の観測により間接的に確認されましたが、直接検出することには成功していません。それは、重力波によって引き起こされる変化がきわめて微小で観測が困難なためです。

しかし、重力波の検出は大きな意味を持っています。

例えば、超新星爆発やブラックホール形成などの強い重力場での一般相対性理論の検証は、唯一重力波によってのみ可能です。また、可視光、電磁波、ニュートリノと広がってきた天体観測の手段に新たに重力波が加わると、今まで観測不可能であった星や宇宙の情報が得られる可能性が出てきます。重力波を直接検出することが、この研究の最終目標です。

図1 kmスケールの将来計画図 図2 低温鏡の懸架装置
図1 kmスケールの将来計画図 図2 低温鏡の懸架装置

重力波を検出するには、質量を持つ二つの物体間の距離が重力波によって変化することを利用します。しかし、地球と太陽ほど離れた二つの物体でも、その距離の変化は水素原子の大きさにしかならないほど微小です。これに対応するために光干渉計を用います。光干渉計は、光を直交する 2本の光路に分け、それぞれの光を鏡で跳ね返し、始めに分けた位置で再び光を合成するようにした装置で、2本の光の半波長の差が干渉しあって合成光の強度が変わる現象を利用しています。光としてはレーザー光を用います。感度を高めるには、光路の長さを長くする必要があります。

研究の現況


現在の研究の重点は、重力波を検出する観測装置を作ることにあります。実現できる光路の長さには限りがあり、その長さで得られる変位の大きさを検出できる干渉計にする必要があります。日本では光路の長さが300mの干渉計が作られつつありますが、世界では3kmとか4kmとかの大型干渉計を建設中です。

具体的には、干渉計の感度を高めるために地面振動をカットする技術、光の粒としての性質が雑音となるのでこれを小さくするためにレーザー光の出力を上げる技術、鏡の熱振動を下げるために鏡を冷却状態においた干渉計を実現する技術、などを開発しています。これらすべて極限技術ですが、基礎的なところから一歩一歩積み上げて、次第に成果が出始めています。
To Top

Copyright (C) 2000-2001 Institute for Cosmic Ray Research, University of Tokyo