手嶋 政廣 Prof. Dr. Masahiro Teshima

 
 


 大学院進学をめざす学生諸君へ


私たち宇宙線研究所のチェレンコフ宇宙ガンマ線グループは、新しい天文学「高エネルギーガンマ線天文学」をともに発展させたいという意欲的な大学院生を募集します。

高エネルギーガンマ線天文学では、 TeV (10^12eV)という、電磁波の中で最も高いエネルギーバンドで宇宙を観測します。また、観測されているガンマ線の中には、世界最大の人工加速器 LHC のエネルギーをはるかに超えるような成分もあります。宇宙にはとつてもない巨大な天然の加速器が存在し、粒子(宇宙線)を高いエネルギーまで加速、それらが周囲の物質や輻射場と相互作用し、高エネルギーガンマ線を放射しています。また、観測天体も宇宙論的な距離に拡がり、非常に効率的にガンマ線を放射している超巨大ブラックホールの存在が明らかになってきました。一方、高エネルギーガンマ線放射は天然の加速器(天体)からのみではなく、TeV スケールの暗黒物質の対消滅からも放出されます。銀河中心、近傍の矮小楕円銀河に暗黒物質対消滅からのガンマ線を探索するのも重要な研究課題の一つです。「高エネルギーガンマ線天文学」では、宇宙の高エネルギー天体・現象の研究、また、高エネルギーガンマ線を使った宇宙素粒子の研究をおこないます。

高エネルギー宇宙ガンマ線(100GeV - 10TeV) による宇宙の研究は、現在稼働中の地上チェレンコフ望遠鏡 MAGIC, HESS, VERITAS により、150を超える様々な高エネルギー天体が銀河系内、系外に観測され、過去10年間に大きく進展した 新しい天文学の一分野です。さらに、この分野を飛躍的に発展させるため、日米欧を中心とする国際共同研究により従来の装置の10倍の高感度と高精度を達成する究極的といえる高エネルギーガンマ線天文台・チェレンコフ望遠鏡アレイ(CTA)建設へむけて、準備研究をすすめています。

チェレンコフ宇宙ガンマ線グループでは、MAGIC 望遠鏡によるガンマ線天文学、宇宙素粒子物理の研究、また CTA 23m 大口径望遠鏡の装置開発研究を進めています。具体的な研究内容としては以下のようになります。

  1. 1)超新星残骸、活動銀河核(超巨大ブラックホール)、ガンマ線バースト等の高エネルギー天体の研究

  2. 2)高エネルギー天体での粒子加速メカニズム、ガンマ線放射メカニズム、宇宙線起源の研究

3) ガンマ線吸収から光・赤外背景放射のエネルギー密度の測定、宇宙における星・銀河の形成史の研究

4) 宇宙を満たす暗黒物質の対消滅からのガンマ線探索

  1. 5)CTA 23m 大口径望遠鏡の装置開発(ミラー、光検出器、電子回路、データ収集装置等の開発研究)


チェレンコフ望遠鏡による高エネルギー宇宙ガンマ線の研究はここ10年で大きく発展した新しい分野で、今では毎月のように新たな発見が報告されています。 あなたも最先端研究に参加してみませんか、新しい発見、そして驚きと興奮があなたをまっています。


研究室ホームページ

http://icrr.u-tokyo.ac.jp/~cta/


参考資料

天文月報 2011 年7月号 超高エネルギーガンマ線天文学の現状と将来(手嶋政廣)


このホームページ内に具体的研究概要があります。

Research News

ガンマ線天文学1

ガンマ線天文学2

宇宙素粒子物理




 研究プロジェクト 


CTA (チェレンコフ望遠鏡アレイ計画、日本サイト)

CTA (チェレンコフ望遠鏡アレイ計画、EUサイト)

MAGIC (マジックチェレンコフ望遠鏡)



 Recent Research New


かにパルサーからの超高エネルギーガンマ線放射

東大、常識を覆す従来の50〜100倍のガンマ線パルスをかにパルサーから観測



 連絡先


東京大学宇宙線研究所

    千葉県柏市柏の葉5-1-5

    e-mail: mteshima_at_icrr.u-tokyo.ac.jp

    Tel: 04 - 7136 - 5115


Max-Planck-Institute for Physics

    Foehringer Ring 6, 80805 Munich, Germany

    e-mail: mteshima_at_mppmu.mpg.de

    Tel: +49 - 89 - 32354 - 301



CTA (チェレンコフ望遠鏡アレイ)想像図(3D - CAD)



 

Welcome to the Non-thermal Universe