ウェブページ https://robast.github.io/ 言語 C++, Python OS macOS, Linux 関連論文 https://arxiv.org/abs/1512.04369 https://arxiv.org/abs/1508.07803 https://arxiv.org/abs/1110.4448 https://arxiv.org/abs/1205.3968 ROOT-Based Simulator for Ray Tracing(ROBAST)は、その名のとおり ROOT を使用した光線追跡のシミュレータです。超高エネルギー宇宙線の検出には、空気シャワーで生じる大気チェレンコフ光や大気蛍光を観測するため、大型の光学望遠鏡を製作します。このような望遠鏡のシミュレーションを宇宙線の研究者が簡単にできるようにするため、これまで私は ROBAST のソフトウェア開発やそれを使った光学系の装置開発を行ってきました。 開発当初は Ashra 実験の光学系シミュレーションに使用されていました。Fig 1. は Ashra の光学系を ROBAST を使って構築したものです。現在は、Cherenkov Telescope Array Observatory(CTAO)の望遠鏡開発や集光装置の開発で主に使用されています。例えば Fig 2. のように、多数の分割鏡を持つ Schwarzschild-Couder(SC)光学系のシミュレーションも簡単に行うことができます。 CTAO では 6 種類の異なる設計の光学系を使用します。このうち、大口径望遠鏡、中口径望遠鏡、Schwarzschild-Couder 型中口径望遠鏡、Schwarzschild-Couder 型小口径望遠鏡の 4 つの光学系の開発に ROBAST は利用されており、宇宙線・ガンマ線分野では最も使われている光学系シミュレーションソフトウェアのひとつとなっています。 ROBAST は ROOT の Geometry ライブラリを使用しています。そのため、三次元の複雑な光学系を組むことや、光子の追跡が簡単に行えます。また、ROOT の TH2 や TGraph などと組み合わせることによって、ROBAST で得られた結果をすぐに解析したり可視化するのも簡単です。Fig 3. は理想的な Schwarzschild-Couder 光学系で得られるスポットダイアグラムの例です。 さらに、空気シャワーのシミュレータとして有名な CORSIKA のチェレンコフ光の出力ファイルを直接読むことも ROBAST では可能です。空気シャワーとトリガーのシミュレーションを ROBAST で繋ぐことができます。 ROBAST についての詳細は、ROBAST のウェブページと論文を参照してください。 Fig 1. Ashra 光学系の ROBAST 3D モデル Fig 2. CTA に用いられる Schwarzschild-Couder 光学系 Fig 3. Schwarzschild-Couder 光学系のスポットダイアグラム