High Energy Astrophysics Group Seminar




Date Presenter Contents/Abstract
18.01.17
15:00-
播金 優一
(観測的宇宙論G)
"Clustering of Galaxies at z~4-6 Revealed with the Half-Million Dropouts Over the 100 deg2 Area Corresponding to 1 Gpc3"
We present clustering properties from 579,492 Lyman break galaxies (LBGs) at z~4-6 over the 100 deg2 sky (corresponding to a 1.4 Gpc3 volume) identified in early data of the Hyper Suprime-Cam (HSC) Subaru strategic program survey. We derive angular correlation functions (ACFs) of the HSC LBGs with unprecedentedly high statistical accuracies at z~4-6, and compare them with the halo occupation distribution (HOD) models. We clearly identify significant ACF excesses in $10^{\prime \prime} \leq \theta \leq 90^{\prime \prime}$, the transition scale between 1- and 2-halo terms, suggestive of the existence of the non-linear halo bias effect. Combining the HOD models and previous clustering measurements of faint LBGs at z~4-7, we investigate dark-matter halo mass (Mh) of the z~4-7 LBGs and its correlation with various physical properties including the star-formation rate (SFR), the stellar-to-halo mass ratio (SHMR), and the dark matter accretion rate (dotMh) over a wide-mass range of Mh/Msun=$4\times 10^{10}$-$4 \times 10^{12}$. Interestingly, we identify a tight relation of SFR/dotMh-Mh showing no significant evolution beyond 0.15 dex in this wide-mass range over z~4-7. This weak evolution suggests that the SFR/dotMh-Mh relation is a fundamental relation in high-redshift galaxy formation whose star formation activities are regulated by the dark matter mass assembly. Assuming this fundamental relation, we calculate the cosmic SFR densities (SFRDs) over z=0-10 (a.k.a. Madau-Lilly plot). The cosmic SFRD evolution based on the fundamental relation agrees with the one obtained by observations, suggesting that the cosmic SFRD increase from z~10 to 4-2 (decrease from z~4-2 to 0) is mainly driven by the increase of the halo abundance (the decrease of the accretion rate).
17.05.16
15:00-
平井 遼介
(早稲田大学)
"流体シミュレーションにおける自己重力計算高速化"
"超新星iPTF13bvnの残骸に潜むブラックホール"
"スパースモデリングによる理論解析"
「流体シミュレーションにおける自己重力計算高速化」
流体数値シミュレーションは、近年の宇宙物理学の数多くの分野で欠かせない研究手法となっている。流体力学の基礎方程式に加え、 輻射輸送、ニュートリノ輸送、自己重力など他の基礎方程式と連立して解く場合が多い。特に自己重力は星形成をはじめ、様々な天文 現象において重要であることが知られている。流体数値シミュレーションに自己重力を取り入れる場合、(ニュートニアン重力を扱う 場合)ポアソン方程式を解く必要がある。ポアソン方程式は楕円型の偏微分方程式であり、流体の基礎方程式のような双曲型偏微分方 程式と比べ数値計算コストが高いことが知られている。そのため、計算時間の大半を自己重力に費やしているケースも少なくない。本 研究では、自己重力の数値コストを削減する新たな手法を提案する。具体的にはポアソン方程式を波動方程式に書き換え、近似的に解 を得る。これをいくつかの問題に適用し、本手法と従来手法の計算時間を比較した結果、劇的に計算時間が短縮されることがわかった 。また、誤差も境界条件の設定やパラメータに依存するものの、無視できる程度に軽減できることがわかった。
「超新星iPTF13bvnの残骸に潜むブラックホール」
iPTF13bvnは爆発前の画像が受かっている唯一のIb型超新星として盛んに研究されてきた。その豊富な観測 データから親星のモデルに様々な制限がかけられているが、特に爆風質量が小さいことが強い制限となっている。そのような小さなH e星を作るには星風では質量損失が不十分で、連星相互作用が不可欠であるとされている。安定的な質量輸送で外層を取り除こうとす ると、大きな質量の伴星が必要となる。我々の以前の研究から、この大きい伴星に超新星爆風が衝突した場合には伴星が大きく膨れ上 がり可視光では明るくなるという予測を立てた。しかし最新の観測から、理論から予想される大きな質量の伴星が存在しないことが分 かったため、安定的な質量輸送による連星進化モデルの再検討が必要となった。 本研究では改めてiPTF13bvnの親星の形成シナリオを構築することを目指す。まず、Eldridge et al. 2016な どで示唆されている共通外層状態を経るようなシナリオを詳細に検証した。爆発前の画像から予測される親星の半径が比較的大きいた め、爆発前の連星の軌道長半径もそれなりに大きくなくてはならない。しかし共通外層進化後には連星の公転軌道が非常に小さくなる ためこのモデルは不適格であることがわかった。今回新たなモデルとして、伴星がブラックホールであるというシナリオを提唱する。 伴星がブラックホールであれば質量が大きくても観測にかからずに安定的な質量輸送で主星の外層を剥ぎ取ることができる。本発表で はこのシナリオに至った経緯と、伴星のブラックホールの起源についても議論する。
「スパースモデリングによる理論解析」
コンピュータのGPUの発達と、人間では手に追いきれない大量のデータが提供されるようになった時代背景から、機械学習的手法が 科学の様々な分野に急速に広まっている。スパースモデリング・圧縮センシングはこうした機械学習の一つの手法であり、主に信号の 再構成に使用されてきた。特に画像処理、顔認識、MRI、顕微鏡、天文学などの分野で高解像度の画像を得ることに成功している。 本研究ではこのスパースモデリングという手法を天文学の理論研究にも応用する。本発表ではスパースモデリングの概要と、重力崩壊 型超新星爆発のメカニズム解明を目指した研究の結果を未完成ながら紹介する。