磁気圏
中性子星のすぐ近くでは、非常に強い磁場と高速回転によって強い電場が生じます。 電子・陽電子が加速され、電波、X線、ガンマ線のビーム放射を作ります。 ビームが地球方向を向くたびに、パルス信号として観測されます。
光円柱(共回転速度が光速以下の領域)内では、プラズマは中性子星と共回転し、磁力線は閉じることができます。
パルサーは、超新星爆発のあとに残された超強磁場を持ち高速回転する中性子星です。 その周囲では、磁場と回転エネルギーが粒子を加速し、電波からX線、GeVガンマ線、TeVガンマ線まで、多波長の放射を生み出します。
トップページへ戻るそれぞれの領域では、粒子の加速、輸送、放射の仕組みが少しずつ異なります。
中性子星のすぐ近くでは、非常に強い磁場と高速回転によって強い電場が生じます。 電子・陽電子が加速され、電波、X線、ガンマ線のビーム放射を作ります。 ビームが地球方向を向くたびに、パルス信号として観測されます。
光円柱(共回転速度が光速以下の領域)内では、プラズマは中性子星と共回転し、磁力線は閉じることができます。
回転する磁気双極子は、電磁エネルギー(ポインティングフラックス)を放射します。それが粒子の運動エネルギーに変換され ほぼ光速のプラズマ流が作られます。この流れをパルサー風と呼びます。光円柱の外では、磁力線は閉じることなく遠方に伸びます。 光円柱付近では、「電流シート」が形成され、それは中性子星の回転に合わせて波打ちます。 その結果、「striped wind」と呼ばれる図のようなパターンを持った風になると考えられています。
パルサー風が周囲の物質にぶつかると衝撃波ができ、粒子がさらに加速されます。 加速された電子は磁場中でシンクロトロン放射を出し、X線で明るく見えます。 また、低エネルギー光子を叩き上げる逆コンプトン散乱によってTeVガンマ線も放射します。
パルサー風星雲の外側では、高エネルギー電子・陽電子が星間空間へ拡散していきます。 これらの粒子が周囲の光をTeVガンマ線へ変換すると、パルサーのまわりに大きく広がった淡いガンマ線領域、TeV Halo が現れます。 TeV Halo は宇宙線の拡散や、銀河内の高エネルギー粒子の起源を調べる重要な手がかりです。
TeVガンマ線の空で、一際輝くパルサー。
超強磁場(1012G)の磁場をもち、高速回転する中性子星は、表面に1015Vもの起電力を生じさせます。これが粒子加速のエネルギー源、と見ることもできます。 このバッテリーは、10万年以上長持ちします。パルサーは超新星残骸とは違い、非常に長い間粒子を加速し続けられるのです。TeVガンマ線の空を「明るく」しているのは、パルサーであるといえます。
シミュレーションによると、CTAOが銀画面をスキャンすると右の図のように画像が撮れます。超新星残骸は数十個見つかるのに対し、パルサー(TeV Halo, PWN)は300個以上検出されると見積もられています。 パルサーの粒子加速、放射、伝播についての詳細が明らかになっていくと期待されています。
パルサーの研究では、中心天体そのものだけでなく、そこで生まれた粒子がどのように加速され、どこまで運ばれ、どの波長で光るのかを一続きの物理過程として調べます。