ひさしぶりの装置製作!


TA実験の低エネルギー拡張TALE、そのさらに低エネルギーへの拡張TALE infillが始動しました。TAが観測する宇宙で最もエネルギーの高い粒子は、銀河系の外の天体からきていると考えられています。一方、比較的低いエネルギーの宇宙線(それでも無茶苦茶高エネルギーです)は、我々の住む銀河系の中で作られているはずです。では、その境界はどこだろう?境界では宇宙線の特性はどう変化しているのだろう?この疑問に答える実験が必要です。ここをねらうのが、TALE, TALE infillです。

 

利用する技術はTAと同じプラスチックシンチレータ。TAx4で改良されたものです。新たに50台の検出器を設置し、TAサイトのミドルドラム大気蛍光望遠鏡の近くに設置します。大気蛍光望遠鏡の近くにより高密度の地上検出器を配置することで、TALEよりも低エネルギーの宇宙線観測を実現します。

 

新しい地上検出器の製作は、宇宙線研究所・明野観測所の広い実験室でおこないます。

 

放射線検出器であるプラスチックシンチレータに緑色の波長変換ファイバーを丁寧に設置します。

 

ファイバーの端をを束ねて接着し、研磨したら

 

光電子増倍管(光検出器)に接着します。

 

最後に光電子増倍管からの出力信号を確認して異常がなければ合格!

 

すべて完成したらアメリカに送られます。ユタ州の観測サイトで最終確認と太陽発電パネル等との組み立てが完了したら観測地に設置し観測が始まります。楽しみ、楽しみ。

2021年10月20日