ついに重力波が検出された!アインシュタインの一般相対性理論によりその存在が予言されてからちょうど100年、ついに人類は宇宙の新しい窓を開け、重力波天文学を創成したのである。今回検出された重力波は太陽質量の30倍程度のブラックホール連星の合体からやってきたものであったが、今後は、中性子星連星の合体、パルサー、超新星爆発などから発生する重力波の検出も期待できる。また、重力波の観測から、一般相対性理論の検証、ブラックホールの地平線近傍の観察、原子核密度を超える超高密度物質の性質の解明、さらに将来は、宇宙誕生の瞬間の観測、ダークエネルギーの探査、余剰次元の存在の確認などわくわくするようなサイエンスへとつながっていく。
本講義では、重力波の説明からはじめて、レーザー干渉計を用いた重力波の検出方法、今回のAdvanced LIGOによる検出の詳細、日本の検出器KAGRAの概要と現状、そして将来計画について詳しく説明する。
講義スライド