超新星爆発
太陽より質量が10倍ほどの重い星の中心部では、太陽内で進行中の核融合反応の燃料である水素が燃焼した後も、大きな重力エネルギーによって非常に高い温度になっていて、更に重いヘリウムや炭素の核融合へ進んで行き、中心付近には鉄の核が形成される。そこでは核融合は終り、逆に鉄原子核の吸熱反応が起こり、温度が下がる結果、重力を支えきれなくなり、重力崩壊が始まる。中心付近は巨大な一つの原子核のような密度の高い状態になり、接近した核子(陽子、中性子)間に働く斥力によって崩壊が止まり、逆に爆発に転ずる。
以上はII型超新星と呼ばれる重い超新星の爆発のシナリオであるが、重力崩壊でできる巨大な原子核状の中では陽子は不安定であり(実在の大きな原子量の原子核ほど中性子の割合が多いことからも類推される)、陽電子とニュートリノを放出して中性子に転換する反応が急激に起きる。カミオカンデで観測した1987A
からのニュートリノはそういうニュートリノと考えられる。爆発の跡には中性子だけでできた小さくて重い星「中性子星」が残る。