おひとりさまの手術入院時に必要だったもの、こと (2020)
病院への入院時に必要なものの情報は、病院からの案内やインターネットから得ることができるとは思うが、それでも一応誰かの役に立つかも知れないということでメモを残しておく。
事前に調整、準備しておくこと
- 職場への休みの連絡・期間調整: フルタイム勤務の場合はもちろんまずこれが必要。入院期間がどの程度の長さになるかを主治医に聞いておくこと。私自身の場合は入院期間は一週間程度かつ比較的時間の調整が効きやすい立場であったが(ただ手術は急いだほうがよいということで、病院側の方でさくさくと日程が決まった)、長さによってはかなり慎重な調整が必要になるはず。私も一件は国内の実験施設への出張をキャンセルしなくてはならなかった。
- 限度額認定証の申請 : 健康保険の高額療養費制度の一部で、医療費が定められた金額を超えた分について、超過分が保険から患者側に払い戻しされる。ただし、金額が高額である場合、一時的に患者が立て替えることも負担になる場合があるので、この「限度額認定証」を提示することで超過分を患者側が負担する必要がなくなる(直接 保険団体、私の場合は文部科学省共済に請求が行く)。申請先は自分が加入している保険の担当窓口で、支給には一週間程度かかることが多いので、余裕を持って申請しておくこと。立て替える経済力がある場合はあまり意味がないような気もするが、病院側からは取得を薦められる。
- 手術立会人の確保 : 全身麻酔の手術だからか?手術の立会人を立てることを求められた(家族親族等が望ましいらしい)。立会人を立てる主な理由は法的免責であるようである(詳しくは多くの情報がネットで得られるので割愛)。事前に主治医と手術の方針については本人が合意しているので、不測の事態が起きない限り立会人が「判断を求められる」ことはないと思われるが、手術後本人がまだ意識のない間に「これでいいです、わかりました」の同意はこの立会人が行うようである。このため、高齢すぎる場合は認知機能に問題がある可能性があるので本来は望ましくない。今回は70代後半の母に頼んだが、数年すると親には頼めなくなり、遠方の姉たちに頼むことになるだろうかと。おひとりさまの手術立会人確保は今後問題になっていくことだろう(こちらも多くの情報がネットで得られるので割愛)。
- 入院保証人2名の確保 : こちらは入院費用の経済的な面での保証人。病院によっては事前に保証金を払ったり、あるいはクレジットカード情報を渡すことで保証人を立てずに済ませることもできるようである(保証人を立てなくても入院できるようなシステム変更については全国的に前向きに検討されているようである)。交渉してみてもよかったのだが、今回はおとなしく母と姉に保証人をお願いした。(まあ経済的な保証人については、ある程度お互い様と言えるかと)
- 病院売店の品揃えの下調べ 計画入院の場合は荷物を最小にする最適化が事前にある程度可能なので、最小限の荷物で入院し、必要なものは売店で揃えることも可能。ただし、一般的に他の出張でも言えることだが、欲しいものが欲しいサイズや個数で現地で手に入るとは限らず、無駄が出ることも多い。下調べをしておけば多少のリスク回避ができる。また、荷物を小さくしなければならないのはむしろ退院時なのにご注意。買ったものは捨てて帰らないと荷物は増える...
- 生活習慣面: 市販薬を飲んではいけない。口腔内の衛生、つまり歯石クリーニングなどを受けておくように言われる(私はたまたま歯科治療の途中でクリーニングを受けたばかりだったのでラッキーだった)。時間に余裕があれば虫歯治療もできるだけ済ませておくことが望ましいらしい。また、臍回りをオリーブオイルなどを使って清掃しておくように言われた。
持ち物:生活関連:術後感想:持って行けば良かった/いらなかったもの
一般的なリストは他のサイトでも十分手に入ると思うので、自分が持っていけば(やっておけば)よかったと思ったもの、逆に不必要だったものを先にリストアップ
- 持っていけばよかったもの: マジックハンド 開腹手術後3日当たりまではは前傾姿勢がとてもつらい。物を床に落としたときに結構な絶望感がある。
- 持っていけばよかったもの スーツ(キャリー)ケース 退院の頃はまだ重い荷物を持つのが大変な割に(もちろん病状によるが)、病院から指定されるものを全て持って行くと荷物はかなり重い。付き添い有りが前提なのだろう。ボストンバッグだと腹に力がかかるので、車輪付きで引いて歩けるタイプの方が楽。ただし大部屋だと病室はケースを置くスペースがないほど狭い。 折り畳んで薄くできるタイプにするか、少し差額を積んで4人部屋にしてスペースを確保するか。(今回は折り畳みボストンだったので、中身を出した後小さく畳めてしまえたのはよかった)。
- 買っておけばよかったもの:水ペットボトル 手術前に数本購入して冷蔵庫にストック+手の届く場所に1本は置いておくこと。手術日は水分が取れないが、次の日から水分を取ることになる(一応立ち上がれることにはなっているが、相当な気力?が必要)。上述の理由で、術後2日目までは自販機までは行けても、出て来たボトルを拾い上げることが難しい可能性も低くはないことをお忘れなく。
- 持っていけばよかったもの 顔拭きシート 立ち上がって洗面台に歩いていくことすら億劫なときには便利。
- 持っていけばよかったもの マジックテープベルトで吊せる小物整理バッグ 実際には病室が狭い分頭床台の上のものにはよく手が届いたので、ベッド枠柵に何かを吊す必要はなかったのだが、個別に吊すよりも整理バッグに入れてバッグごと吊す方が楽。なお、自分が入院した病院のベッド柵はグラグラする(不具合ではなくそういう仕様)ので、ものを吊るしたり体重をかけたりするのには向いていなかった。
- 買っておけばよかったもの 折り畳みハンガー ハンガーは無いとかなり不便、しかし持って行くのは嵩張る、そして病院備え付けかどうかが不明...。というわけで折り畳んで小さくできてタオルも干せるタイプのものを店舗で買おうとしたら見つからず。ネットで事前入手するべきだった。結局病院備え付けのものが一つあり、また自分で持っていった普通サイズのハンガーも使用していた。
- 不必要だったもの 上半身の肌着 パジャマが前開きでもTシャツ型の下着を著ていたら意味ない。というわけで、準備していったが全く使用しなかった。素肌にパジャマ。なお、ナースさんたちが半袖で仕事しているように、病院はかなり暖かい(しっかり室温調整されている)。寒さ対策は基本的に頑張らなくて大丈夫なはず。
- 不必要だったもの ドライシャンプー 拭き取りシート型のものを買ってつかってみたが、さっぱりせず...術後2日目までシャンプーもできないので、夏は辛いかもしれない。我慢あるのみか。
- 不必要だったもの ニットキャップ 髪の乱れを押さえるのにはよいが、どうも気になって脱いでしまった。薄いナイトキャップみたいなものの方がよさそうだが、それだと見た目がインパクトありすぎだな..。普通にヘアブラシで整えるほうがよさそう。
- 工夫が必要だったもの ルームシューズ
ちゃんとしたルームシューズは荷物の中で結構かさばる上(スリッパ不可の病院だった)、病院に履いてきた靴と並べるとスペースを取る。病院に履いてくる靴=入院中に履く靴、にすると荷物を結構減らせる。モカシンみたいなのだろうか。
持ち物:生活関連(必須、病院に指示されたもの)
入院期間8日間のメモ。荷物を小さくするためにレンタルできるものは青字、同様の理由で病院の売店で買えばよい(手術前に元気で動き回れる場合)ものは緑字で。ただし後者は最後持ち帰らないといけない=帰りだけ荷物が増える場合もあるよな...
- 前開きパジャマx3 開腹手術後は腹部の傷にゴムがあたると痛むということで、全部ワンピースタイプにしてみた。点滴の管が入ったりするので、袖はめくりやすいゆとりがあるものがよい。「前開き」は病院からの指示(ただし、ガバっとめくれるなら被り着のスウェットタイプでも問題ないという経験談あり)。いかにもパジャマっぽいものではなく、部屋着のようなもので十分(その方が病室から出歩きやすい)という経験談もあった。
- バスタオル小さめx1, フェイスタオルx2 普段からバスタオルを使わず大きめのフェイスタオルで済ませる(洗いやすく乾きやすいというメリット)私には「バスタオル必要か?」疑惑があったが、枕の高さ調整等使い道はいろいろあるようなので、小さめのバスタオルを無○良品で購入して1枚だけ。荷物を小さくしたければ、パジャマもタオルもレンタルできる。自分で洗濯しなくてよいのもメリット。私が入院した大学病院では、パジャマとタオルは”セットでレンタル”で、単品でのレンタルはなしということだったので断念。パジャマは肌触り等自分の気に入ったものを使いたかったので、数が必要なタオルだけレンタルしたかった。なおレンタル場合予約は一切必要なく、病室に入った時点で連絡してくれ、というシステムだった(ここの病院では)。
- かかとのある靴
院内のくつは転倒防止のため「かかとのある、普段はきなれたもの」、つまりスリッパ、サンダルなどはダメということ。普段穿いてる靴でよい=準備する必要なし、ともとれるのだが、さすがにマジックテープで閉められる介護用のルームシューズを調達した。
- プラスチックのコップ こぼれないように蓋がついていて、ストローが挿せるものがよい。吸い飲みみたいなもの。市販のストローもさせるサイズのものがいいらしい。
- 羽織もの ちょっと病棟の外に出たりするときに。夏は不要かもしれない。ポケット付き、長め、薄手(病院は暖房がしっかり効いてるので)がよいらしい...がユニ○ロのファーリーフリースを別件で準備してしまったのでもうそれにする(かさばる...)
- はし・スプーン 病院側で有料で準備しないんだ?の謎。最後燃えるゴミで捨てられれば荷物にならない。
- 石鹸、シャンプー これも病院側で有料で準備しないんだ?の謎
- 歯ブラシセット、洗顔フォーム
- ボックスティッシュ一箱 かさばるので病院内売店で買った方がよさそう...余った時捨てるのも容易だし(と、いいつつ箱入りでないけれどポケットサイズではないティッシュを100均で調達)
- 下着類: 上半身、点滴が入るような状況だと長袖下着は面倒かもしれない。(原理上めくることができればいいのだが、検査のときに長袖で厄介だったことがある)ということで半袖(だが保温系)を準備。なお、MRI検査のときは保温系下着はダメと言われるぞ。下半身、今回は開腹手術だったので傷へのゴムのあたりを考えて普段のサイズより大きいものを準備。トラベル用の使い捨てのものを試してみるのも悪くない。