田島 治(高エネルギー加速器研究機構)
インフレーション宇宙の痕跡を探す! - CMB偏光の精密測定
宇宙初期に加速度的膨張「インフレーション」があったと記述するインフレーション宇宙論、それはビッグバン宇宙論だけでは記述しきれない観測事実を見事に説明する。そしてインフレーション宇宙論の決定的証拠となるのが、宇宙背景放射放射(CMB)偏光の特殊なパターン「Bモード」である。Bモードは未発見であり、様々な実験が壮絶な発見競争を繰り広げている。QUIET実験はBモードの発見を目指して、チリアタカマ高地(海抜5千メートル)で2年以上におよぶ観測を行ってきた。本講演ではその初期結果を報告すると共に、CMB偏光の測定方法等も出来るだけわかりやすく説明したい。また、次期実験の計画と展望についても触れる。