片岡淳 (早稲田大学准教授)
 “活動銀河ジェットからの高エネルギー放射:最近の進展

ジェット(相対論的アウトフロー)は系内・系外を問わず重要な研究テーマ でありながら、その生成メカニスムや加速機構、さらには組成(レプトンか・バリオンか)に至るまで、本質的な物理については多くの謎を残している。本講演では活動銀河ジェットに着目し、近年のX線天文衛星「すざく」や「チャンドラ」、またガンマ線天文衛星「フェルミ」をもちいた最新の多波長観測データをもとに、活動銀河ジェットの本質と理解に迫りたい。とくに、電波銀河ジェットの「断層構造」から見えてきた shear-layer 加速、巨大電波ローブでのdiffusive 加速、ジェットのエネルギーを担う粒子組成などについても、現状で得られている示唆を紹介し、議論したい。