現場の「泥臭さ」にせまる CTA大口径望遠鏡1号機

チェレンコフ・テレスコープ・アレイ(CTA)は大口径(23m)、中口径(12m)、小口径(4m) の3種類の望遠鏡群でつくられます。北半球はスペインのカナリー諸島ラパルマ、南半球はチリのパラナルに建設される予定です。大気中に突入したガンマ線が引き起こす空気シャワーが放つチェレンコフ光を観測します。感度をこれまでの装置の10倍に向上。従来の装置では宇宙が誕生して66億年後の宇宙までしか見られませんでしたが、CTAでは宇宙誕生後16億光年のより若い宇宙の姿が見られます。1000個を超える超高エネルギーガンマ線天体の発見が期待されています。
1,855本の高感度の光センサー(光電子増倍管)と、1855チャンネルの超高速電子回路でできています。光電子増倍管で観測された数ナノ秒のチェレンコフ光は、読み出し基板でデジタル化され、イーサネットで地上に送られます。データ量は1秒あたり4ギガバイトほどになります。
1枚あたり2平方メートルの六角形の鏡を200枚組み合わせ、口径は23メートルになります。鏡の重さは1枚あたり47kgです。CMOSカメラで光軸からのズレをモニターし、アクチュエーターで分割された鏡の方向を±5秒角で制御することで、鏡のたわみを補正します。
鏡を支える構造体には、軽量で丈夫なカーボンファイバーチューブを使用しています。高エネルギーガンマ線をとらえるには、望遠鏡の向きをガンマ線が到来した方向に素早く合わせなければいけません。大口径望遠鏡は20秒で180度、高速に回転できます。