本研究課題では暗黒物質の候補、宇宙の物質反物質非対称性の起源、初期宇宙におけるインフレーション模型を複合的に考察することで新物理の糸口を探っている。平成29年度の成果の一つとして、LIGO/VIRGO 実験の重力波観測を通じて発見された比較的大質量のブラックホールが宇宙の初期インフレーションの揺らぎを種とする原子ブラックホールによって他の観測と無矛盾に説明できる模型を提案した。またその他の成果として暗黒物質の原子核反跳実験における電子の励起現象に注目することで暗黒物質直接探索実験における軽い暗黒物質の感度が向上する可能性があることを指摘した。