坂井賢一(高エネルギー加速器研究機構 共通基盤研究施設 超伝導低温工学センター)
南極周回気球実験による太陽活動極小期の宇宙線反陽子スペクトラム測定

Measurement of cosmic-ray antiproton spectrum at solar minimum with a long-duration balloon flight in Antarctica
太陽活動極小期(2007~2008年)に実施された南極周回気球飛翔実験BESS-Polar II実験における低エネルギー宇宙線反陽子流束の精密測定結果を報告する。BESS-Polar II実験では、低エネルギー領域において前回の太陽活動極小期における観測(BESS95+97)に対して14倍、現在観測を続けているPamela 実験の約30倍にあたる統計量を達成し、かつてない精度で宇宙線反陽子スペクトラムを決定した。実験結果をもとに、宇宙線反陽子の起源について議論する。