中谷一郎 (宇宙線研客員教授/愛知工科大学教授)
 “Space Robotics” (宇宙ロボット)

コンピュータは単に便利な道具という域をはるかに超えて、ネットワーク・データベースと結びついて21世紀前半の社会の仕組みを変えつつあります。今やコンピュータ抜きの社会は想像しにくいようになってきました。一方、21世紀後半の社会を大きく変革させるのはロボットです。今のロボットはコンピュータでいえばまだ大型計算機センターの時代にあります。間もなくパーソナルロボット(私は勝手にパソットと呼んでいます。パソコンのロボット版ですね)の時代がやってくるでしょう。そして宇宙ロボットはパソットよりもずっと大きくそして深いレベルでの社会および人間の存在そのものを大きく変えていく可能性を秘めています。今回のセミナーでは、宇宙ロボットの現状を紹介したのち、将来、宇宙ロボットが人間と融合して新しい種を創造し人間の存在そのものを変えていくという予想について述べます。