100 TeVにも達する超高エネルギー宇宙線はその発見以来、加速機構 を最大の焦点とした研究が続けられている。我々は空間分解能の優れ たChandraを用いてSN1006など5つの歴史的超新星残骸と一つのスーパ ーバブルを観測し、Sedov解から求められるshellの0.3%程度の厚みし かない狭いフィラメント状の領域で宇宙線が効率良く加速されている ことを突き止めてた。さらに我々は全ての超新星残骸について加速現 場での磁場構造などを調べ、いずれの超新星残骸も加速限界は超新星 残骸の年齢で決まっており、磁場は衝撃波法線にほぼ垂直で下流磁場 が乱流状態になっていることを発見した。また、磁場および加速粒子 のエネルギー密度は共に-6/5乗の時間依存性で進化することも発見し た。これは超新星残骸のSedov自己相似進化で予測されるプラズマの 運動エネルギー密度および熱エネルギー密度進化と同じ時間依存性で ある。従って我々は、粒子加速現場は、これら4種のエネルギーをお 互いequipartitionの状態に保ちながら進化すると結論づける。