************* < 平成13年度第1回 CRC 実行委員会 議事要録 > ************ 日 時 : 平成13年7月13日 午前11時15分〜午後5時00分 場 所 : 宇宙線研究所6階会議室A 出席者 : 村木 綏(名大STE研:委員長)、谷森 達(京大)、鈴木洋一郎(ICRR)、 神田展行(宮城教育大)、荻尾彰一(東工大)、柳田昭平(茨城大)、 吉越貴紀(大阪市大)、鳥居祥二(神奈川大)、水谷興平(埼玉大)、 坂田通徳(甲南大) : 以上委員 梶田隆章(ICRR)、佐々木真人(ICRR)、手嶋政廣(ICRR):オブザーバー 市村雅一(弘前大事務局)、林田直明(ICRR事務局) (目 次) ------------------< 報 告 等>----------------------- (1) CRC事務局報告 (a) 訃報 (b) 入会希望 (c) OBOG会員 (d) CRC活動 (e) 平成13年度CRC選挙の開票結果 (f) 「CRC News」メール配信 (2) 諸報告 (a) 宇宙線国際会議準備報告 (b) KEK運営協議会 (c) 阪大核物理センター (d) STE研報告 (e) 日本物理学会領域代表者会議 (f) 物研連 (g) 宇宙線研究所 ------------------< 議 事 等>----------------------- (3) CRC賞の選考委員の確認とその作業について (4) 春の物理学会について (5) 物理学会の領域代表の選出について (6) 宇宙線研運協委員の推薦候補について (7) 前年度引き継ぎ事項 (8) 将来計画について ---------------------------------------------------- (資料1) ========================================================================= ----------------------------< 報 告 等 >--------------------------------- (1)CRC事務局報告 (村木) 前回(2001.03.27)実行委員会 以降 (a)訃報     7月10日、広島大学理学部の 宮村 修 教授が ご逝去されました。     謹んで、ご冥福をお祈り致します。 (b)入会希望   ●瀧田正人 (宇宙線研エマルジョン 助教授) 推薦者: 湯田利典、大西宗博      (研究歴):        1983-1993 神岡実験の建設とニュートリノ物理や核子崩壊の研究。        1994-2001 スーパー神岡実験で建設と大気ニュートリノ起源の             上向きミューオンの解析。        2001- Tibet ASγ実験で高エネルギー宇宙線の研究を開始。   ●斎藤武彦 (Max-Planck-Inst. Postdoc 研究員) 自薦      (研究歴): Master in Univ. of Tsukuba for study of the nuclear           structure on A~190 nuclei. Ph.D. in the Niels Bohr           Inst. Univ. of Copenhagen in 1999 for the experimental           study of nuclear structures of A~180 nuclei.           The Brookhaven National Laboratory in NY to work for           the LEGS spin collaboration.           Since Jan 2001, working in the Max-Planck-Institute           fuer Kernphysik for the H.E.S.S. project.    研究歴等が紹介され、瀧田氏は入会が承認された。    斎藤氏については、谷森委員が関係者に問い合わせることになった。 (c)OBOG会員    平成12年度退会者、今年度退会申し出者、及び通信会員の有資格者に、    「OBOG会員」への移行を希望するかどうか、問い合わせた結果、      勝俣五男 : 元通信会員      川崎信吉 : 元通信会員      森 覚 : 本人から移行を申し出      都築嘉弘 : 今年度初め退会申し出の後希望    の4名の方が希望された。4名とも条件に適合しており、承認された。    他の12年度退会者は希望されなかったので、そのまま退会となった。 (d)CRC活動    (1) 4月 9日; CRC連絡誌 No.282、速報5号 発行郵送    (2) 4月 9日; CRC選挙公示      4月10日; 選挙推薦公募      4月16日; 選挙推薦掲示板公開      4月17日; メール選挙用紙配布      4月27日; 投票〆切      5月 7日; 開票    (3) 7月11日; 宮村修様御遺族様へ弔電    (4) 7月12日; 速報6号 発行郵送    (5) 随 時 ; CRC News 配信 (e)平成13年度CRC選挙の開票結果    開票日  ; 2001年5月7日(月)    事務局  ; 大西宗博、林田直明    立会人  ; 川田和正(甲南大)    定足数  ; 108 (有権者数 324)    有効投票数; 131 (郵便 34, Email 97)   ---------------------------------------  (1)[ CRC実行委員会委員長 ]    順位 氏 名 得票 所属機関     1. 村木 綏 67 名古屋大    次点 川上三郎 16 大阪市立大   その他 36   白 票 12   以上の結果、村木 綏 氏 が委員長に選ばれた(1期目)。   ---------------------------------------------------  (2)[ CRC実行委員会委員 ] (定員12名)   当選順位  氏 名 得票 所属機関 備 考   当選 1. 谷森 達 51 京都大 前委員   当選 2. 柳田昭平 42 茨城大   当選 3. 坂田通徳 41 甲南大 前委員   当選 4. 鳥居祥二 40 神奈川大 前委員   当選 5. 福島正己 35 宇宙線研 同一機関1位   当選 5. 鈴木洋一郎 35 宇宙線研 同一機関2位   当選 7. 神田展行 33 宮城教育大 前委員         手嶋政廣 30 宇宙線研 同一機関3位   当選 8. 川上三郎 27 大阪市立大 同一機関1位   当選 9. 水谷興平 25 埼玉大 前委員   当選10. 荻尾彰一 23 東京工業大   当選11. 宗像一起 22 信州大 前委員         太田 周 20 宇都宮大 前委員7位         森 正樹 19 宇宙線研 同一機関4位         榎本良治 18 宇宙線研 同一機関5位   当選12. 吉越貴紀 17 大阪市立大 同一機関2位         村木 綏 15 名古屋大 前委員8位         梶田隆章 15 宇宙線研 同一機関6位         松岡 勝 14 宇宙開発事業団 前委員9位    次点補欠 郡司修一 13 山形大 ジャンケン   次次点補欠 井上直也 13 埼玉大 ジャンケン         その他 221         白 票 69   以上の結果、上記の当選12位までの 12名の方が委員に選ばれた。  (注1) 委員長に投票された次点以下の方の票(52票)は、委員の票に加算される。  (注2) 「同一機関から選ばれる委員の数は、2名を越えることはできない」     という規定により、宇宙線研の手嶋政廣氏、榎本良治氏、森正樹氏、     梶田隆章氏は委員とならない。  (注3) 「委員12名中、前年度委員が6名を越えることはできない」という規 定により、前委員の太田周氏、村木綏氏、松岡勝氏 は委員とならない。  (注4) 「同票の場合は、本人に連絡のうえ、くじ引きにより決定する。」とい う規定により、メールジャンケンを実施して勝者を次点補欠とした。   ---------------------------------------------------------------------  (3)[ 東京大学宇宙線研究所 共同利用研究 実施専門委員会委員    (宇宙線分野の所外委員)推薦候補者の選挙 ] (定員12名)    推薦順位  氏 名 得票 所属機関 備 考    推薦 1. 松原 豊 37 名古屋大    推薦 2. 柳田昭平 28 茨城大    推薦 3. 梶野文義 27 甲南大    推薦 4. 西嶋恭司 25 東海大    推薦 5. 鳥居祥二 22 神奈川大    推薦 6. 宗像一起 19 信州大    推薦 7. 村木 綏 18 名古屋大    推薦 8. 水谷興平 17 埼玉大    推薦 9. 郡司修一 16 山形大    推薦10. 谷森 達 15 京都大    推薦10. 川上三郎 15 大阪市立大    推薦12. 柴田 徹 12 青山学院大 ジャンケン    次点補欠  櫻井敬久 12 山形大 ジャンケン   次次点補欠  坂田通徳 11 甲南大   次次点補欠  吉越貴紀 11 大阪市立大          その他 201          白 票 144   以上の結果、上記の推薦12位までの 12名の方が候補者として推薦された。  (注1)以上は「所外委員は、同一機関からの選出を2名以内とする。」規定に、     かなっている。  (注2)「同票の場合は、本人に連絡のうえ、くじ引きにより決定する。」規定     により、メールジャンケンを実施して勝者を推薦12位とした。 (f)「CRC News」メール配信  ○ 委員会報告;8件     4月 4日、 素核研(KEK)運営協議会報告     4月12日、 <会報>平成12年度第4回CRC実行委員会議事要録     4月23日、 物理学研究連絡委員会議事録(第18期:第1回)     4月24日、 <会報>平成12年度第2回CRC総会議事要録     4月26日、 KEK 運協報告     5月01日、 原子核専門委員会委員議事録(案)(第18期:第2回)     6月19日、 第24回 KEK運協報告     7月09日、 <会報>日本物理学会領域代表者会議報告  ○ 公募案内;7件 (詳細は添付の資料-1 を参照)  ○ 研究会案内;12件 (詳細は添付の資料-1 を参照)  ○ その他のお知らせ;9件 (詳細は添付の資料-1 を参照) ------------------------------------------------------------------------- (2)諸報告 (a) 宇宙線国際会議準備状況報告 (梶田) 春の学会以降 ○4月に宇宙線研究所が主催となる事を決定した。 ○5月17日に第5回宇宙線国際会議準備委員会を開催した。主な議題は以 下の通り。 (1) 組織委員会委員、プログラム編成委員候補の選出 それぞれ以下のように選出された。 ・組織委員会委員 吉村(宇宙線研、Chair)、梶田(宇宙線研、Co-chair)、手嶋(宇宙 線研、Secretary)、佐々木、森、金行、大橋、瀧田、伊藤(以上 宇宙線研)、谷森(京都)、松原(名古屋)、吉越(大阪市大)、 吉田(KEK)、荻尾(東工大) ・プログラム編成委員 OG:福島(宇宙線研、Chair)、木舟(信州)、柴田(青学大)、高原(大 阪)、松岡(宇宙開発事業団)、柳田(茨城) SH:寺沢(東大、Chair)、桜井(山形)、宗像(信州)、村木(名古屋) HE:湯田(名古屋、Chair)、荒船(大学評価学位授与機構)、笠原(芝 浦工大)、鈴木(宇宙線研)、戸塚(宇宙線研)、中村(KEK) 重力:黒田(宇宙線研、Chair)、中村(京都) LOCからの委員:梶田(宇宙線研) (2) 旅行代理店の選定: JTB系のアイシーエス企画を選定した。 ○7月18日に第1回組織委員会を予定している。主な議題は以下の通り。 (1) ハンブルグにおける次回の宇宙線国際会議の宣伝について (2) 宇宙線国際会議の調査について ★ ここで、国際会議の Proceedings を何らかの形でレフリー付きにした らどうか、との意見が出され、若干の議論の後、組織委員会の方で検討 してもらうこととした。 (b)第24回 KEK運協報告 (村木) 平成13年6月12日に開催された。 ○報告事項 (1) 5月9日と6月11日にBファクトリー推進委員会が開かれた。また、 6月5日〜6日に日米高エネルギー合同委員会が開かれ、今年度実施 計画を了承した。 (2) Linear Collider(LC)推進委員会が作られた。その組織図や内規について 説明があった。 来年度予算にLC建設のための調査費を要求したい。 (3) 独法化について(菅原機構長から、財務関係の委員会からの報告)    大学付属の全国共同利用研究所も視野に入れて財務制度を検討してきた。 学術研究に関わる経費は、外形基準による運営交付金とは別個に、学術 研究費または研究事業費として考えて欲しいと提案したい。科学技術基 本法に基づき、充実してゆく方向のお金でないといけない。教育の予算 と別個の形態を考えてもらいたい。 大学との緊密な共同研究の推進の ためには、予算の移しかえが弾力的に行われることが望ましいと自分は 考えるが、会計関係から移算はダメと言われている。 (4) 独法化について(山田所長から、共同利用研所長懇談会人事部会からの 報告) a) 機関の長の選考法は今の方法でよい。 外部の人を含んだ評議会で選出     する。    b) 教育公務員特例法の精神は継続する。研究者人事は法人化しても今まで の方法でよい。 独法化後も法人間で人事交流はあることが望ましい。    c) 技官の役割は重要である。任用は行政職よりも研究職に近い方がよい。 今までに独法化された組織の人事制度を勉強した。キチンと準備すれば 相当良いものができると思われるが、そのためには手間がかかるだろう。 (5) ビーム関係の報告    PS(中村) :K2K関係の積分ビーム強度は4.6×10^19 proton on target           に達した。 データが昨年の倍になった。    Belle(高崎):積分ルミノシティーは28.3 fb^(-1)に達した。           積分ルミノシティーはSLACが若干多いが、夏までに解析され           た事象はKEKの方が多いことも考えられる。7月19日の研究所           内セミナーで結果を発表した後、Romaの会議で発表する。    JHF(永宮):JHFの現状について説明があった。 宿地区の住民との合意が           得られれば、ボーリングによる地質調査が始まる。           第1回運営会議の報告、原研との共同建設組織表、プロジェ           クトチームメンバー表、運営体制についてのタスクフォース           のまとめ、第1期計画と第2期計画(ニュートリノ施設も含む)           の予定表等の紹介があった。 ○協議事項  (1) 平成14年度概算要求の大網案を了承した。  (2) 吉村喜男氏を名誉教授に推薦することを了承した。  (3) 短寿命核ビームを用いた実験助手を公募することを了承した。  (4) 素粒子原子核計画委員会メンバーを選出した。 (山田、中家、金;田村、延与、桜井;中畑、高橋(忠);日笠、澄田、野尻; 波澄、藤井(啓)、吉村、宮武、岡田;及び所長の諮問により随時必要な人)  (5) 石橋助教授(理論)から、任期をはずして欲しいとの要望があり、評価委員会 が設けられ可とする提案があった。 最初のケースでもあるので慎重に審議 した結果、本人の業績を評価し、任期をはずしても良いとの判断に達した。 (c)阪大核物理センター報告 (村木) ○土岐教授が4月1日付けでセンター長になった。任期は2年。 ○現在 COE ポスドク4名、RCNP ポスドク4名、COE外国人講師15名(新) +4名(継続)がいる。 ○Spring8 の inverse compton のファクトリーを作った。8月から photon のビームラインの共同利用が始まる。photon のエネルギーは2.4GeV。運営 は核物理センターでやる。実験費は科研費などで、自前で持って来て欲しい。 (d)STE研報告 (村木) ○STE研にはハードが無い。また独法化まで豊川の土地をkeepしたいためか、豊川と 東山の統合がなかなかできない。 ○銀河宇宙線が雲を作るという論文があり、それに関連して宇宙線の量と雲の 相関を調べることが話題になっている。所長は、今後 space weather, space climate が STE研の仕事になると言っている。 (e)日本物理学会領域代表者会議報告 (村木) ○領域代表者会議設置目的の説明を土岐理事より受けた。 物理学会理事会には、全領域から代表者が出席していないので、今回のような 「ビーム物理」という新領域・新分科を設置して欲しいと言う要求に公的に対 処できないと判断したためである。 ○「ビーム物理」という新領域を作ることにつき議論した結果、3年間の暫定期間 として「新」領域という項目を作り、試行期間を置き発表数の増減をモニター して、3年後に領域代表者会議でその存続を決めることにした。 年会にのみ設置することになった。 ○今後新しい要求も出てくることが考えられるので、基準が必要であるというこ とになった。 (1)ボトムアップであること、(2)200人程度の集団がいて40個程 度の研究発表がある今回の例を、参考にすることとなった。「ナノ物理」「環 境物理」の新領域も試行してはどうかと提案したがトップダウンはダメという ことになった。 ○秋の物理学会での物理学者の社会的責任のセッションでは Women in physicsと OD問題を取り上げる。 ○物理学会の年会をどうして大きな国立大学がやらないのか質問したところ、会場 がたくさん取れない場合が多く無理であるとのことであった。 ○学会の参加料の500万円は講演集代に、あとの500万円はコンピューター化され たとはいえ、期限後に申し込んでくる人や、不備な申込みのチェックのため 人手がいるので、その費用等に使っていて、トントンか赤字である。 ○もっと参加費を上げて(例えば15,000円)良質の内容を提供する学会にしては どうかとの提案もあったが、まずは会員にアンケートで問い合わせることが重 要であるということになった。 ○今回秋の分科会が三つに分かれるので、予稿集のうち素粒子・宇宙線は、非常 に薄くなる可能性があるので、キチンと書いて欲しいとのことである。(将来 は天文学会のように、予稿があらかじめ提出されていない申込みは受け付けな いという方法が良いかもしれない。) ○尚、今回の領域代表者会議は、初めて開かれた臨時の側面もあり、任期は9月30 日までである。 新委員を送る必要があり、9月22日のCRC実行委員会で決め、 物理学会で宇宙物理(理論)関係も含めて了承をとりたい。 任期は 1年で、 プログラム世話人と協議しながらシンポジウムや招待講演者を決める責任があ る。物性分科会は13の領域代表者会議を開いているが、当面素粒子・原子核・ 宇宙線分野は代表者会議を開くという話にはなっていない。 (f)物研連報告 (村木) ○JLC計画 JLCは日本の高エネルギー物理の次期基幹計画であり、基礎科学の幹になる 計画である。KEKにはJLC推進の新しい体制ができた。LC推進会議で加速器開 発の報告会のまとめをつくる。 TESLAは3500億円、JLCの経費見積りはまだ出ていない。JLCの Mile-stone は新推進体制で作る。2003年までに調査費を要求する。 Siteの予備調査は安定な岩盤を仮定して行なった。Siteの条件をサイト検討 会がまとめている。アメリカではLCが次期計画であるというConsensusはま だない。 アジアの「セルン」にしたい。但しアジア諸国がどの程度財政負担をするか は不明。JLCの重要なコンポーネントのアジアでの量産は可能だろう。今後 JLCに関して行政の理解を得る努力をする。TESLAはXFELをプロジェクトに組 み込んでいるが、LCの技術を利用してLCとは別に建設したほうが安価でかつ 速くできる。もちろん、JLCができれば高エネルギービームを利用して近く にXFEL建設が可能。 ○共同利用問題 これまで文部省傘下の共同利用研究機関における共同利用のための旅費・実 験費などは研究機関がサポートしていた。今後、文部科学省になったことや、 統合計画のこともあり、これまで科学技術庁傘下の共同利用がどの様に行な われてきたのかを調べた。要約すると、実験装置の利用は結果を公開すると すれば経費を取らない。旅費・実験費は共同利用の概念がない場合には共同 研究の形をとるなどの工夫をしてでも研究機関でサポートしている。それぞ れ課題採択委員会で議論をして共同利用の課題採択している。 (g)宇宙線研報告 (鈴木) ○研究所の事務部が柏キャンパス統合事務部として改組・統合された。 ○4月13日に財務省原主計官一行の柏キャンパス視察があり、宇宙線研究所 にも来られた。約30分間、研究所の研究概要を説明した。 ○次期の共同利用運営委員会所外メンバーの推薦を各グループに依頼している。 任期は本年9月16日から2年間である。共同利用研究実施専門委員会の所 内委員を決めた。 ○現在、所内に4名の教官欠員がある。7月7日の共同利用運営委員会で審議 して公募方針を決めた。7月18日の研究所教授会で報告ののち公募を始め る。 ○文部科学省の調査検討部会が中間まとめの骨子を明らかにしたことにより、 大学法人化問題が最終のつめに入っている。一大学一法人の枠組みで共同利 用研究をどう位置づけるか、大型計画をどのように財政措置するか、という 共同利用付置研にとっては死活に関わる大きな問題が積み残されたままであ る。研究所長懇談会と全国研究所長会議でアピールを採択して文部科学大臣 に提出した。7月12日には、研究所の教授懇談会を開きこの問題に関して 集中的に意見交換を行った。7月末には部局長と東大総長との個別ヒアリン グが予定されており、秋に向けて法人化問題はやまばに入ると予想される。 ----------------------------< 議 事 等 >--------------------------------- (3)CRC賞の選考委員の確認とその作業について(坂田) ◆CRC賞の公募について議論を行ない、以下の事項について確認した。 ○募集のスタートは早くする。 ○応募書類に履歴書、論文リストを含める。 ○小研究グループからも候補者が出せて、それぞれが正当に評価されること が原則。大グループの出した良い結果をもとに個人が賞をもらうというの は良くない。本人のcontributionを明確にすべきだ。 ○受賞者の人数は原則として1人である。 ○8月に公募を行なう。 ○受賞対象の分野は広い意味での宇宙線物理学とする。従って高宇連関係は すべて含まれる。 ○前回は推薦理由は出さず公評だけ出したが、今回は推薦理由を出してもら う。 ○応募締め切り直後に審査員に書類を配布し、1ヵ月半後に会議を開く。 ○前回の応募用紙には現在の所属を書く欄が無かったので、今回は作る。 ○CRCと高宇連に対して情報を流す。 ○賞の要綱を変える必要はない。募集要領を以下のように変える。 (1)推薦理由は別紙にする。 (2)論文リスト、研究歴を提出させる。(奨励賞に論文リストは必要か?と いう議論もあったが、結論として出してもらうことになった) ------------------------------------------------------------------------- (4)春の物理学会について 春の学会での宇宙線関連の講演内容について議論があり、結果としてSDSS、 チベット、カンガルーの講演が良いという意見でまとまった。また南極で の宇宙背景放射(3K)の観測結果に関するものはどうか、との意見も出た。 ------------------------------------------------------------------------- (5)物理学会の領域代表の選出について 最初に村木委員長から領域代表の役割について、「領域代表は新領域を作 るときに議論に参加したり、特別講演を決めるなど理事会で議論できない ようなことをやるのが役目である。」との説明があった。 ◆領域代表に選出方法について、以下のような意見が出された。 ○理論の人もいるのだから、ここ(CRC実行委員会)で決めるのはおかしい。 学会の世話人は、学会の時に理論の人を含めて決めている。 ○世話人を決める時と同じ手続きを踏んだほうが良い。 ○物理学会の代議員に選んでもらうのが適当ではないか。 ○代議員はまだ定着していない。 以上の意見を踏まえ、村木委員長が土岐理事と相談し、結果をメールで知 らせることとした。 ------------------------------------------------------------------------- (6)宇宙線研運営協議委員の推薦候補について ◆宇宙線研運営協議委員の候補として、CRC実行委員の中から投票結果と 分野を考慮して以下の5名を推薦することとした。 村木、谷森、柳田、坂田、川上 の各委員 ◆共同利用研究 実施専門委員会 選挙結果に基づき以下の12名を推薦することとした。但し、選挙結果 で7位の村木委員長は別枠で実施専門委員になる予定なので、村木氏を 除き次点の櫻井氏を加えた12名とした。 松原 豊、柳田昭平、梶野文義、西嶋恭司、鳥居祥二、宗像一起、 水谷興平、郡司修一、谷森 達、川上三郎、柴田 徹、櫻井敬久 ------------------------------------------------------------------------- (7)前年度引き継ぎ事項 ◆CRC実行委員の任期について 前回の実行委員会と同様「2年任期にして、1年ごとの半数改選が継続 性があって良い。」などいろいろな意見が出た。また、この前の選挙か ら推薦制度が始まったが結果はどうだったのか、との質問があった。 結論として、これについては今回は pending とし、来期までに決定す ることとなった。 ◆名誉会員、OGOB会員について スタートした。 ◆活性化について 以下のような意見交換があった。 ○各大学が主体的に参加できる形にしたい。 ○意見はいろいろ出ているのでまとめよう。 ○実行委員の中で、活性化について意見を出すようなワーキンググルー プを作って欲しい。 ○高エネルギーグループでもそういう事をやったが、当り前のことしか出 なかった。具体案が無かった。一般論だけでは意味がない。具体案をだ さなければならない。 ○宇宙線研でやっている事にからめて出さないといけない。 ○「自分が何がやりたい」という具体的な目的があって初めて意味を持つ のだから、具体的なプロジェクトを出してしまったほうが良い。 ○やる気のある人が手を上げてくれるならそれが良い。 ○visibility というなら共同利用を中心にやらざるを得ない。研究の責 任分担に応じて金を配分するようにできないか。 ○1人か2人しか宇宙線研究者がいない所では、周りから「何をやってい るのか」と言われる。顔が見えない。 ○茨大では電波などもあるので状況はちがう。 ○プロジェクトタイプだと末端に科研費はいかない。天文の分野ではうま くやっている。 ○文部科学省は研究する大学、しない大学を作ろうとしている。極端な事 を言えば、科研費の申請をできなくなる大学がでてくるのではないか。 ○対処療法は必要だろう。ベスト30校にしぼるというようなことが言わ れているが、それは無理だろう。ただそれとは別に大学を4つくらい のランクに分けるという案はある。 ○地方大学では多いところでも3人くらいの宇宙線研究者しかいない。そ れが研究できなくなったら良くない。 ○地方国立大では校費が減らされている。本代も減っている。 ○宇宙線は学問評価のとき「物理学」ではなく「天文学」に入れられてい る。評価が下がるのではないか。 ○それにはあまりこだわっていない。 ○大学の切り捨てが行なわれているときに、物研連で今後の物理、基礎科 学は大丈夫なのか。声明かなにかだせないか。 ○反対するだけでは逆効果ではないか。 ○地方大学にある basic なものをどうするか。 ○昔に比べると、現在のほうが中小大学の寄与が relative には増えて いるのではないか。 ------------------------------------------------------------------------- (8)将来計画について ◆以下のような意見があった。 ○CRCとして何かまとめて示した方が良い。 ○宇宙線研では、TA、重力波、ハイパーカミオカンデと順番は決まっている。 ○歴史的には、宇宙線研主催で将来計画シンポジウムを開き、CRC公認で TA, 重力波という順番を決めたと理解している。シンポジウムの後、戸塚所長(当 時)から、TAを概算要求で、カンガルーは大型科研費で、重力波はもう少し 長期的に考える、という方針が示された。戸塚所長の出した4本柱はニュー トリノ、高エネルギーγ、最高エネルギー、重力波であった。 ○TAとか重力波がどうなるかわからないのに、将来計画を議論できない。将 来計画について研究会か何か開いてから議論したらどうか。 ○TAと重力波だけではなく、CRCとしてその他のプロジェクトを出して、それ を実現させるためのアクションを起こしたらどうか。 ○プロジェクトは宇宙線研で行ない、他はCOEなども活用してやっていけば良 い。 ◆STE研に対して南米高地に宇宙線観測ステーションを設置する要求を出した件 につき、議論があった。 ○この要求は宇宙線研で実現できないものを他(例えばSTE研)で実現しません か、という趣旨で出したものである。 ○今までCRCはICRRのみを共同利用研だと思ってやってきたが、STE研も共同利 用研だと思えば良い。ただ似たようなものを2箇所から出してバッティング するのは良くない。 ○宇宙線研は大型プロジェクトをやる研究所になっている。例えば、非加速器 物理は宇宙線研でやって、宇宙関係はSTE研に持っていくという案もある。 ○γ部門をSTE研に移すという事か? ○そうではない。 ○プロジェクト研究ばかりが並んでいると各大学はやりにくい。独法化になれ ば共同利用研のプロジェクトでやると、それは研究所の成果になる。 ○中小のプロジェクトで面白いものをSTE研でやるのは結構ではないか。 ◆TAについてオブザーバー参加の手嶋、佐々木両氏を交え、現状および今後 の諸問題について報告と意見交換が行われた。 ◆NASDA、ステーション関係について鳥居委員から以下のような報告があっ た。 ○AMSについては、NASAは打ち上げと装置維持の費用を負担するが、装置自 身の開発、製作費用は負担しない事となった。このため DOE と各大学、 研究機関が費用を負担して共同で製作を行っている.現在では、ヨーロッ パの寄与がかなり大きくなっている。 ○AMSは、当初の予想からかなり遅れているが、今のところ2005年に搭載さ れる予定である。これは、ステーション全体の計画が遅れていることが原 因で、日本のきぼう(JEM)もこの頃に完成する予定である。NASAは最近ス テーションの予算を大幅にカットしているが、AMSは装置開発の予算が自 前なので、その影響は相対的に少ない。 ○JEM暴露部の初期利用ミッションとして選定されている4つのミッション (MAXIを含む)は、2005年から2006年にかけて実施されることが決まって いる。その後の計画については、1ないし2のミッションの AO(Announcement of opportunity) を NASDA が出す予定である。 宇宙 科学については、高エネルギー宇宙線観測、MAXIの発展型装置によるX線 全天サーベー観測が有力な候補になっている。現在の行政改革や省庁統 合で、NASDAがいつAOが出せるかは不透明であるが、1,2年をめどに検討 されている。生物、無重量、材料などのテーマは船内実験であり、一つ 一つの規模が小さいので各研究機関が独自に開発できるが、宇宙、地球科 学などのテーマは規模が大きいので、NASDAが主導してやる以外に実現の 可能性はない。 ○我々は、NASDAからAOがでた段階で、宇宙電子、ガンマ線観測(CALET)を 提案する準備を進めているが、これには研究者コミュニティーのサポート が是非必要である。直接的な参加のほかにも、CRCなどからの推薦をうける ことが大きなサポートとなる。 ○これまでの経過から、ステーションに関係する研究は、宇宙科学であっても NASDAがサポートすることになるであろう。 ○NASDAは、ステーションへの輸送機としてH2Aを改良したHTVを計画している。 ○これまで宇宙科学は宇宙研が担当しており、宇宙研の理学委員会での了解 が不可欠であった。この状況は今後もあまり変わらないと思われる。宇宙 開発委員会は、これまで宇宙研、NASDAなど宇宙機関の計画を承認する役 目を担っていたが、省庁再編でその役割が変更になった。 ------------------------------------------------------------------------- ( 資料-1 ) 「CRC News」メール配信  ○ 委員会報告;8件     4月 4日、 素核研(KEK)運営協議会報告     4月12日、 <会報>平成12年度第4回CRC実行委員会議事要録     4月23日、 物理学研究連絡委員会議事録(第18期:第1回)     4月24日、 <会報>平成12年度第2回CRC総会議事要録     4月26日、 KEK 運協報告     5月01日、 原子核専門委員会委員議事録(案)(第18期:第2回)     6月19日、 第24回 KEK運協報告     7月09日、 <会報>日本物理学会領域代表者会議報告  ○ 公募案内;7件     4月 4日、 第3回高エネルギー物理学奨励賞 推薦及び応募     4月26日、 千葉大学理学部物理学科助教授公募     6月04日、 KEK COE研究員公募     6月04日、 KEK 非常勤研究員公募     6月11日、 KEK・加速器 教授公募     6月11日、 KEK・加速器 助手公募     6月21日、 東京都立大学物理教授公募  ○ 研究会案内;12件     4月11日、 A Long Baseline Neutrino Oscillation Experiment Workshop     4月30日、 第6回特定・宇宙ニュートリノ研究会     5月16日、 Geant4ユーザ会ワークショップ     5月21日、 Particles and Nuclei International Conference     5月21日、 Neutrino Factories based on Muon Storage Rings 2001     5月24日、 最高エネルギー宇宙線(EHECR)の研究会     5月28日、 最高エネルギー宇宙線(EHECR)研究会     6月04日、 The 5th KEK Topical Conference     6月04日、 EHECR研究会 second circular     6月09日、 特定・宇宙ニュートリノ第7回研究会のお知らせ、および講演募集     6月25日、 宇宙ステーション利用計画ワークショップ     6月30日、 高エネルギー宇宙物理連絡会 第2回研究会のお知らせ  ○ その他のお知らせ;9件     4月16日、 2001年度CRC選挙 推薦掲示板公開     4月24日、 CRC選挙の投票呼びかけ     4月26日、 CRC選挙の投票呼びかけ     5月08日、 平成13年度CRC選挙の開票結果     5月14日、 「CRC会員名簿」更新のお知らせ     6月12日、 ICRRニュース最新号(45号)のお知らせ     6月19日、 宇宙線研・柏間の高速バス運行のお知らせ     7月02日、 Bファクトリーの性能向上について     7月10日、 訃報:宮村 修 教授 ご逝去 ------------------------------------------------------------------------- =========================================================================