平成10年度第2回CRC総会議事要録 日 時: 平成11年3月29日(水)、17:20 〜 19:00 場 所: 広島大学 日本物理学会 YE会場 出席者:(敬称略,五十音順) 綾部俊二、荒船次郎、伊津耕平、市村雅一、 伊藤好孝、内堀幸夫、宇津木敏人、大内達美、太田周、大西宗博、 大橋正健、岡田淳、笠原克昌、梶田隆章、梶野文義、片寄祐作、 上岡英史、亀田純、川上三郎、神田展行、窪秀利、郡司修一、齋藤敏治、 榊直人、坂田通徳、佐々木孝雄、塩見昌司、柴田槇雄、杉本久彦、 鈴木洋一郎、竹内康雄、谷森達、田村忠久、手嶋政廣、戸塚洋二、 鳥居祥二、中畑雅行、南條宏肇、西川大輔、西澤正己、西嶋恭司、 林田直明、晴山慎、日比野欣也、堀田直己、本田建、増田公明、松原豊、 水谷興平、村木綏、森正樹、守谷昌代、山本常夏、山本嘉昭、湯田利典、 吉越貴紀 (以上56名) ○議長選出 実行委員会から推薦された、林嘉夫氏が議長となった。 [ 報告 ] 1.実行委員長 (太田) (a)会員の逝去 金蘭短期大学の 硲 道生氏が平成10年12月22日に、 山形大学の 野間 元作氏が平成11年1月11日に ご逝去されました。 ご冥福をお祈りいたします。 (b)退会者 嶽 鐘二 (神戸大)、尾形 健 (元宇宙線研)、廣川 俊吉 (元名大工)氏の 3名の退会を実行委員会で確認した。 (c)入会者 氏 名 (所 属) 研究分野 推 薦 者 橋本 勝巳 (山梨大 助手) 空気シャワー 川隅典雄、本田建 田村 忠久 (神奈川大 助手) 一次線(BETS) 山上隆正、鳥居祥二 吉田 健二 (神奈川大 助手) 一次線(BETS) 山上隆正、鳥居祥二 小井 辰巳 (放医研 COE研究員) Tibet中性子 村木綏、松原豊 谷森 達 (東工大 助教授) CANGAROO 木舟正、森正樹、西嶋恭司 窪 秀利 (東工大 助手) CANGAROO 木舟正、森正樹、西嶋恭司 櫻澤 幸司 (東工大 学振PD) CANGAROO 木舟正、森正樹、西嶋恭司 守谷 昌代 (東工大 D3) CANGAROO 木舟正、森正樹、西嶋恭司 原 敏 (東工大 D1) CANGAROO 木舟正、森正樹、西嶋恭司 郡司 修一 (山形大 助教授) CANGAROO 木舟正、森正樹、西嶋恭司 吉田 龍生 (茨城大 助教授) CANGAROO 木舟正、森正樹、西嶋恭司 内藤 統也 (山梨学院大 講師) CANGAROO 木舟正、森正樹、西嶋恭司 河内 明子 (宇宙線研 学振PD) CANGAROO 木舟正、森正樹、西嶋恭司 以上、13名の入会が実行委員会において承認された。 (研究歴など詳細は、3/28の実行委員会議事要録を参照) (d)KEK素粒子原子核研究所運営協議員候補の推薦について 素核研山田所長の依頼に基づき、実行委員会で審議の結果、村木綏氏、 鈴木洋一郎氏を委員候補として推薦した。(任期:2年) (e)実行委員会の活動について 前回に引続き、「宇宙線将来計画と研究の活性化」について、12月29日に 拡大実行委員会を開催して、宇宙線研究所所員と意見交換を行なった。 (f)CRC実行委員会の改選、及び東京大学宇宙線研究所共同利用研究実施専門委 員会委員候補の選出について(4月5日締め切り、電子メール投票も可)。 (g)CRC事務局 事務の電子化が軌道に乗るまで、宇宙線研究所に お願いすることとした。 2.事務局報告:(前回総会(10/4)以降) (林田) ○ 1月12日、連絡誌No.278を全会員に郵送、会費のお知らせを添付。 ○ 2月 8日、会費5,000円以上の滞納者(45名)へ 会費のお知らせを郵送。 ○ 3月12日、連絡誌No.279(CRC選挙公示を含む)を全会員に郵送。 ○ 随時、「CRC News」のメールを配信。(前回総会(10/4)以降) ・委員会報告8件; 10/21; CRC実行委、10/21; CRC総会、 10/21, 2/10; KEK運営協議会、 12/8, 3/1; ICRR共同利用運営委、 3/8; CRC実行委、3/8; CRC拡大実行委、 ・公募案内4件; 10/15; ICRR神岡助手、10/27; ICRR・COE研究員 3/12; フランスからポスドク、3/26;大阪市大助教授、 ・研究会案内4件; 1/21;将来計画シンポ、1/2, 2/19;Neutrino研究会 2/19; highest energy Workshop ・その他、3/12; 選挙関連3件、10/16,1/12,1/26; homepageの名簿更新 3/8; 活性化についてのアンケート、その他事務連絡等 これらの詳細は、CRC homepage に掲載してあります。 3.会計報告 (岡田) 実行委員会で事務局から「平成10年度CRC会計収支報告 会計監査報告」 がなされ、これを承認した。 (詳細は、3/28の実行委員会議事要録を参照) 4.宇宙線研究所報告 (戸塚) (a)人事 ○ 採用 教授:福島正己(最高エネルギー宇宙線) 6月1日より。 4月1日〜5月31日は兼任助教授。 助教授:大橋正隆(重力波) 3月1日着任。 ○ 平成11年度採用予定: 助教授1(高エネルギーガンマ線宇宙物理学) 教授1、助教授1、客員教授・助教授各1、外国人客員教授・助教授 各1(宇宙ニュートリノ観測情報融合センター) ○ 定年退官;大橋陽三助教授 ○ COE研究員4人、研究所研究員3人(平成11年度) ○ 次期所長予定者:戸塚洋二(平成11年4月1日〜平成13年3月31日) (b)平成11年度内示 ○ 宇宙ニュートリノ観測情報融合センターの新設(教授1、助教授1、 助手1(△1)、客員教授・助教授各1、外国人客員教授・助教授各1) ○ 柏新キャンパス関係;共同利用宿泊棟、福祉施設 ○ COE拠点形成プログラム(木舟正、CANGAROO-III、5年計画) (c)平成12年度概算要求最重点事項:宇宙線望遠鏡計画 (d)将来計画: ○ カンガルーガンマ線計画:平成11年度スタート ○ 宇宙線望遠鏡計画は日米共同研究としてユタ州に実験場所を決定。 詳細研究計画立案中。アメリカグループは、ユタ大学、UCLA、コロンビ ア大学等。日米間で覚書を取り交わした。 ○ 重力波計画:TAMA実験の推進、神岡地下に20m干渉計を設置し 長期運転 やデータ収集・解析の経験を積む。継続して低温鏡の試験開発を行なう。 (e)その他 ○ 平成11年度外部評価実施予定 共同利用研究の状況と今後のあり方、国際共同研究の推進、将来計画推 進のための研究体制等。 ○ 神岡グループ朝日賞受賞。 5.柏移転・計算機(手嶋) (a)平成12年2,3月移転の予定。150名の食堂がある。 (b)計算機:Origin2000; 16CPU並列サーバマシンに 100テラバイトのテープ ライブラリーが付いている。シュミレーション用にDECアルファ があり、62台のWSを入れて、ネットワーク装置も導入した。 センタースイッチと各部のエンドスイッチの間を 2Gbpsで接続。 6.各種委員会報告 (a)物研連・核専委(湯田) 3月2日にシポジウムを行なった。120名の参加者があり盛況であった。 (b)KEK素核研・STE研・核物理センター(RCNP)(村木) (KEK); 詳細は2月10日のメール(KEK運協報告;CRC速報19)を参照下さい。 ○ 平成11年度予算案が通った。 ○ 原研の中性子科学研究計画とKEKの大型ハドロン計画は共同で 推進し、施設を原研(東海)に建設することが検討されている。 ○ 任期制について意見をまとめつつある。 ○ 独立行政法人化についてKEKの試案が示された。 行革案は4月までに結論を出そうとしている様である。 (RCNP);平成11年1月28日核運委開催 ○ 人事;東工大・永井さんを所長にする。 江尻先生を名誉教授に推薦。COE研究員4名を了承。 ○ 将来計画;SPring-8は「PEARL」という Ring Lab.を建設予定。 ○ 西日本として、レプトンを 100億円でやる方針。 (STE);○ 国分所長がこの3月で退官され、後任に上出教授が予定。 ○ 安野さんが3月に退官され、後任者を公募中。 7.IUPAP・物理学会(荒船) (a)3月17日〜3月21日にアトランタで IUPAP総会があった。 全体の議長は Richter B.(USA)。次の議長予定者は Petroff Y.(FR)。 宇宙線関係(C4)では、戸塚氏が次期のメンバーに、Gaisser T.K.が議長に なる。4月から新メンバーに入れ替わる。 PANAGIC; 重力波が入ったことで、AC2から Cerdonio(Italy)が入った。 (b)物理学会;次期会長は佐藤文隆氏から鈴木増雄氏に替わる。 今、運営の見直しを検討しており、文部省は 1/3以上の直接民主 制(現行20%)を提案している。 8.JEM-NASDA(鳥居) (a)JEM;4つの計画が採択されている。 (b)NASDAのファシリティをもっと利用してはどうか。 [ 議事 ] 1.宇宙線将来計画と研究の活性化について ○ (a)森正樹(CANGAROO)、(b)手嶋政宏(宇宙線望遠鏡)、(c)大橋正隆(重力波) の各氏から各研究の現状と将来計画を報告して頂き、各研究の活性化に必 要なこととして、(a)共同利用の活性化 、(b)マンパワーの補強、(c)国際 共同研究の推進 などがあげられた。 ○「活性化」の議論のまとめ(坂田委員) CRC関連大学の活性化に関して、CRCにおいて行なわれてきた活動は次の 様になる。 <1994.9.29> 太田実行委員長の提言「21世紀へ向けての宇宙線研究と研究 環境」 ここでは、研究環境の整備についての必要性を次の5つの項目に整 理して訴えていた。これをまとめてみると次の様になる。 (1)「研究の大型化」が進み、これまでの伝統的な宇宙線研究の規模を越 えるものとなり、一大学・一研究所で実施する事が困難となった。研 究の成否は「適切な予算措置」と「研究組織の良否」にかかっている 。また中央の共同利用研究所にのみ研究予算、研究者、設備などの集 中が起こり、地方の各大学の活性が枯渇する事がないよう「新たな体 制と施策の構築」が必要である。 (2)「研究の学際化と国際化」が宇宙線研究の生まれつきの特徴である。 隣接する分野との有形無形の交流が研究の活性にとって不可欠である 。そのために a.)研究の立案・実施を通して、「分野の壁を取り除い た共同と役割分担」の構築。 b.)実験サイトは海外・国内にある。実 験をスムーズに進めるために、例えば宇宙線研究所に「国際センター 」などの支援体制を作る。 (3)「萌芽的研究・開発研究への支持体制」は研究の推進の要であり、小 規模な大学の活性化にも「これらをサポートする方策」と「特別な予 算措置」が必要である。 (4)「各大学と共同利用研の研究組織ネットワーク」のため、例えば各大 学等に大型研究を遂行するのに必要な「設備・施設」または分室(プロ ジェクトセンター)を設置して研究分担に独自性を持たせる。また各大 学と共同利用研との間に「プロジェクト依存」の時限的客員ポストの 実現や、特定領域設定により科研費の目的的配分、またDOE的実験費等 の新設を目指した活動が望まれる。 (5)国民的理解が得られるよう、意識的な取組あるいはシナリオを作って いくことも大切である。 その後、1997年度になって本格的な取組が始められ、以下のような討論等 が行なわれている。 <1998. 1.10> 拡大実行委員会 (将来計画に重点の議論) 4. 1> CRC総会ー東邦大ー( 時間切れで実質議論なし ) 8. 8> 実行委員会(実行委員の討論と集約) *****「討論概要報告(連絡誌No.278号)」 10. 4> CRC総会ー秋田大ー(経過報告と質疑) 12.29> 拡大実行委員会(ICRR所員との意見交換) ***** CRC (速報24)「拡大実行委員会議事要録」 今までの議論は主に実行委員会とCRC総会での少々の質問・討論であった。 今後はより広いCRC会員の参加による議論の掘り下げによって、現実的な 力を持った方策ができ上がって行くのではないだろうか。 各大学と共同利用研である宇宙線研究所との相互関係、更に各大学(及び 研究所)間の相互の協力関係にはどの様な形態が考えられるのか 整理して 見ることが重要であると考える。 一つの試みではあるが、研究計画推進 する主体は誰かという点に視点をおいてみると、例えば次の様なものが考 えられるのではないか。 A. 宇宙線研究所を拠点とするCRC研究者共同の「大規模プロジェクト」 の推進。 B. 宇宙線研究所の研究者を中心とする計画(各大学は宇宙線研究所を支 援する) C. 宇宙線研究所の施設等を利用して各大学または各大学連合が主体とな って進める計画 (宇宙線研究所は支援する) D. 宇宙線研究所とは無関係に各大学または各大学連合が主体となって進 める計画。 上記 A.B.C.なみ、またはそれ以上の研究成果が出る事が条件である。成 功裏に進めば各大学活性化のために大変望ましい. E. 宇宙科学研究所、KEK、NASDA 等 国内・外の関連機関との協力。 F. 各大学や宇宙線研究所での各種 R&D。 これら何れのカテゴリーの研究形態においても、研究推進に関わる意志決 定と成果に対する各大学からの貢献が対外的に明瞭に認知される形式を発 見・制定していく事が重要であり、これは各大学の活性化のために効果的 であろう。 2.CRCの運営について 名誉会員制度を設けるか? 会費を下げるか? などの課題もあり、今後も 実行委員会で検討して行くと共に、「将来計画と研究の活性化」について まとめる方向で議論を続けて行くことになった。