<<<<<<<<<<<<<< CRC News 2023年 4月10日 >>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 ***<学術変革領域 「マルチメッセンジャー宇宙物理学」発足のお知らせ>*** CRC の皆様 科研費 学術変革領域研究A 「マルチメッセンジャー宇宙物理学:静的な宇宙から躍動する宇宙へ」 (領域代表 吉田 滋 FY2023-FY2027) が発足いたします。 高エネルギー宇宙ニュートリノと重力波による非電磁波観測の爆発的な進展によって、 これまで電磁波観測のみでは困難であった超高密度・超高エネルギー極限天体現象を 直接探査することが現実のものとなりました。本研究領域では、新しいメッセンジャーである ニュートリノ・重力波観測に天文学観測の王道である電磁波観測を融合させることで、 新しい宇宙物理学・天文学研究を開拓します。宇宙からの手紙を全て読み解く 「マルチメッセンジャー宇宙物理学」分野を日本で立ち上げ、 世界を先導する成果をあげることを目指しています。 全く異なる研究手法を組み合わせる融合分野であるため、学ぶべきこともたくさんあります。 真の専門家はいない、といってもいいでしょう。皆様とともに一緒に成長し、 分野の垣根を乗り越えた新しいコミュニティーを作り上げることが私達の最終的なゴールです。 そのため、融合研究テーマの推進はもちろんのこと、「素人が学べる」各種のスクール、 ワークショップを組織し、領域研究会でも「敷居の低い」雰囲気を醸成します。 この出来たての新興融合分野に参加し、ともに学んでいこうという皆様の参加をお待ちしています。 公募研究の募集も始まりますので、多くの皆様の応募をお待ちしています。 また幾つかの計画研究班では特任教員、PD の公募も行われる予定です。 本研究領域は、以下の計画研究から構成されます。 A01 「ニュートリノが届ける極限天体現象」 代表 吉田 滋 (千葉大学ハドロン宇宙国際研究センター) A02 「重力波が届けるマルチメッセンジャー観測の号砲」 代表 森崎 宗一郎 (東京大学 宇宙線研) A03 「光赤外線・電波が届ける宇宙の物質生成の証」 代表 田中 雅臣 (東北大学 理学研究科) A04 「X 線が届ける突発天体の目覚め」 代表 芹野 素子 (青山学院大学 理工) A05 「ガンマ線が届けるブラックホールの産声」 代表 野田 浩司 (千葉大学ハドロン宇宙国際研究センター) B01 「多粒子宇宙観測技術の開発による新たな「眼」の獲得」 代表 奥村 曉 (名古屋大学 宇宙地球環境研) B02 「X線・近赤外線観測が融合したマルチメッセンジャー観測衛星のさらなる変革」 代表 米徳 大輔 (金沢大学 数物系) C01「ニュートリノ天体からのマルチメッセンジャー信号に関する多角的理論研究」 代表 木村 成生 (東北大学 学際フロンティア研) C02 「強重力天体からのマルチメッセンジャー信号に関する包括的理論研究」 代表 柴田 大 (京都大学 基研) 公募研究は7月頃に公募が開始される予定です。 詳細はホームページ(作成中)でお知らせいたします。本研究領域に関するお問い合わせは、 領域代表の吉田、または各計画研究代表にお願いいたします。 領域の概要をご参考までに: ブラックホールの強大な重力が生み出す重力エネルギーは、ビッグバン以降、 宇宙の主たるエネルギー源であり、ブラックホールの成長、物質の起源である元素の合成、 人類未踏の膨大なエネルギーを持つ超高エネルギー宇宙線原子核の生成などを駆動する、 宇宙の多様性の源である。しかし、その現場は周囲の高密度物質に隠され、 こうした極限宇宙現象の起源は大きな謎である。本提案では、近年圧倒的に進展した、 透過力に優れるニュートリノ・重力波宇宙観測と伝統的な電磁波観測を融合する マルチメッセンジャー観測を推進し、強大な重力場が作り出す超高密度火の玉プラズマの成長過程から、 元素合成・高エネルギー放射に至る、重力エネルギーの最終運命を統一的に理解する。 なぜ宇宙はこれほど多様で躍動的なのか、異なる専門的背景を持つ多様な研究者集団 による新しい研究分野から解き明かす。 研究会などの案内も詳細が決まり次第ご連絡いたします。 どうぞよろしくお願いいたします。 吉田滋