<<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.1848:2012年 2月 11日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 *****************< 2011年12月1日 RCNP研計委議事録(案) >***************** 皆様、 余寒の候、いかがお過ごしでしょうか。 大変遅くなりましたが、2011年12月1日に開催されました、 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会の議事録(案)を お送り致します。添付した議事録(案)は近々アップロード致しますが、 過去の議事録は、下記のURLより閲読できます。 http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/plan/p-pac/giji_index.html なお、議事録(案)は正式承認前の案であることを申し添えておきます。 コメント等がございましたら、王 (onghjin [at] rcnp.osaka-u.ac.jp) まで ご連絡ください。 よろしくお願い致します。 研究計画検討専門委員会 委員長 若狭智嗣 幹事  川畑貴裕、王惠仁 ---------------------------------------------------------------- RCNP-Z-XXX 平成24年4月X日 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会議事録(案) 日時:2011年12月1日(木)10:00−17:00 場所:核物理研究センター本館2階会議室 出席者:  ・若狭(九大、委員長)、青井(RCNP)、秋宗(甲南大理)、延與(京大理)、緒方(RCNP)、   オン・フィージン(RCNP、幹事)、川畑(京大理、幹事)、阪口(阪大理)、   須田(東北大電子光セ)、民井(RCNP)、中田(千葉大理)、萩野(東北大理)、   福田(RCNP)、保坂(RCNP)、與曽井(RCNP)  ・センター長:岸本(RCNP)  ・研究企画室:畑中(RCNP) 欠席者:  ・上坂(理研仁科セ)、荻尾(大阪市大理)、高宮(京大原子炉)、山本(大阪市大理) 配布資料:  議事次第  (資料1) RCNP各部・拠点研究報告リスト(2008年4月?2011年8月)  (資料2)平成23年度(前期)RCNP研究会報告書(5件)  (資料3)前回(2011年8月9日)議事録(案) [1] 報告事項 1. 一般報告(人事、統合、耐震工事など) (岸本センター長)   岸本センター長より下記の報告があった。  ・人事について、9月1日付けで、HPCI戦略プログラムの特任助教として鎌野寛之氏、   特任研究員としてYoon Choong-Joe氏が着任された。   また、10月1日付けで、特任研究員としてHu Jin Niu氏が着任された。  ・10月1日付けで、阪大理学系研究科の原子核実験施設とRCNPが統合された。   それに伴い、教員3名の他に、特任研究員3名、秘書及び学生も所属がRCNPに 移った。  ・AVFの耐震工事について第3次補正予算が認められ、平成24年7月から行う予定 である。 2. RCNP各部・拠点研究報告 2.1 CANDLESの現状報告 (岸本センター長)   岸本センター長より、double-beta decay 実験の重要性と難しさ、CANDLES   プロジェクトの共同研究体制について説明があった。また、48Ca検出器の開発   を含め、CANDLESプロジェクトの進捗状況及び将来の展望について報告があった。 2.2 加速器の現状報告 (畑中研究企画室長)   畑中氏より、AVF及びリングサイクロトロンの4月中旬〜7月中旬まで、及び9月 〜12月の運転状況、ビームエミッタンス自動診断器の開発、AVFの軌道計算、 Gradient Correctorの検討、次期入射器に使用する高温超伝導磁石の開発、夏 に行ったリングサイクロトロン・キャビティのメンテナンス、フラットトップ 静電引出チェネル部冷却パイプの水漏れの修理、について報告があった。 2.3 サイクロトロン加速器実験の現状報告 (青井委員)   青井委員より、今年の春から青井教授及び橋本特任助教が加わったことと、 今年度掲載されたサイクロトロン実験関連の論文について報告があった。 また、今年度中にWSコース、N実験室、ENコース、ESコース、ENNコースにて 行われた/行われる予定の実験について説明があった。 3. 平成23年度(前期)研究会報告 (王幹事)   王幹事より、(資料2)に基づき、平成23年度前期に開催された以下の研究会 (5件)に関して報告があった。 a)「s-processはどこまでわかっているか」    開催日:2011年8月4、5日    開催場所:RCNP    参加者:約40名    報告書掲載先:    http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/plan/p-pac/s-process-ws-report.pdf b)「クラスターガス状態探索のための研究戦略会議」    開催日:2011年9月7、8日    開催場所:RCNP    参加者:約50名    報告書掲載先:    http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/plan/p-pac/cluster-ws-report.pdf c)「Fundamental Physics Using Atoms 2011    ? Towards Better Understandings of Our Matter Universe」    開催日:2011年10月8?10日    開催場所:岡山大学・教育学部・大講義室    参加者:98名 (内外国人研究者8名)    報告書掲載先:    http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/plan/p-pac/FundamentalPhysics-ws-report.pdf d)「The 11th International Symposium on Origin of Matter and Evolution of Galaxies (OMEG11)」    開催日:2011年11月14?17日    開催場所:理化学研究所仁科加速器センターRIBF棟    参加者:127名 (国内85名、海外42名)    報告書掲載先:    http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/plan/p-pac/OMEG11-ws-report.pdf e)「Double beta decay and neutrino」    開催日:2011年11月14?17日    開催場所:大阪ビジネスパーク クリスタルタワー    参加者:85名(内外国人35名)    報告書掲載先:    http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/plan/p-pac/double-beta-ws-report.pdf ※OMEG11及びDouble-beta decayシンポジウムの開催日が重なっていたことに対して、  今後同じことが起きないよう日程調整に努力すべきであるとの指摘があった。 4. その他 4.1 核データコミュニティの今後の方針について (王幹事)  王幹事より下記の報告があった。  ・ 6月に開催されたRCNP核データ戦略研究会の世話人である渡辺氏(九大)、 洞口氏(RCNP)、福田氏(RCNP)と緒方氏(RCNP)、王氏(RCNP)が11月8日に、RCNPに おける核データコミュニティの今後の方針について打ち合わせを行ったこと、 また、同打ち合わせにて核データコミュニティに対し、以下の研計委の要望(※) を伝えたことについて報告があった。 (※)研計委の要望: (1) RCNPでの核データ関連実験申請の審査を円滑に行うために、核データコミ ュニティが各分野を組織し、RCNPで取るべき核データに関して、優先順位 を決めるなど、戦略的にプロジェクトの提案を行うこと。 (2) RCNPとの窓口を設けてほしいこと。  ・その後に行われた核データコミュニティの打ち合わせにおいて、核データの各 分野がサブグループを作り、取りまとめ代表者として渡辺氏、副代表者として 岩本氏(原研)が選出され、今後の具体的な活動/方針などは研計委の意見を取 り入れて相談して決めて行くことに合意された。  ・ホームページの管理やメーリングリストの管理のため、RCNPの計算機システム に核データコミュニティ専用のアカウントを作成した。 研計委の中から、研計委が積極的にサポートできる形に持っていくためには、 核データグループに具体的に研究プロジェクトを研計委に提案してほしいとの 意見があり、その旨を王幹事が渡辺氏に知らせることとした。 4.2 E375実験課題用14C標的の変更申請について (王幹事)   王幹事よりE375実験課題の提案者から14C標的の変更申請があったことについて 報告があった。実験提案者に14Cの貯蔵、実験室への運搬、実験室での使用に当た っての安全性について研究企画室及び放射線管理室と十分打ち合わせをした上で 、B-PACに対して変更申請を提出して頂くこととした。 [2] 協議事項 1. 研究会タイトルの変更及び研究会の公募のあり方について(若狭委員長)   若狭委員長より、今年度採択された研究会のうちタイトル変更が数件あったこ とについて説明があり、今後研計委ホームページやメーリングリストでの案内及 び報告書のタイトルを統一し、且つ、研究会開催日程の重複を避けるために、 研究会応募要領の改訂が提案された。審議の結果、承認された。また、これまで の研究会公募文章は、前期公募と後期公募では平等に扱われない印象を与えかね る問題に対して公募文案修正の提案があった。これについても審議の結果、承認 された。 2. 教育ビームタイムのあり方について(岸本センター長)   岸本センター長より、学部生向けの教育ビームタイム申請について、研究テー マにもなりうるようなチャレンジングなテーマが増えてきたため、今まで通りセ ンター長のみの判断でよいかどうか、意見を求められた。協議の結果、教育ビー ムタイムが特にB-PACで採択されたビームタイムに圧迫するほど増えたわけでは ないので、現状通りセンター長の裁量に委ねることとした。 3.将来計画について 3.1 将来計画検討委員会より報告 (川畑幹事/検討会委員長)  川畑幹事より、将来計画検討委員会の活動について報告があった。  ・目標は核物質・原子核物性の精密的な理解により、究極の原子核モデルを構築 すること。  ・前回の研計委の後、より具体的な物理を念頭に議論を行った。  ・将来計画に掲げる3つの研究テーマは ①極限状態にある原子核を探索し、その 物性を理解する、③原子核に見られる多様な相を探索し、その起源を理解する、 ③ハドロン相のEOSについて理解する、ことである。  ・①で展開する研究例は、極限高スピン状態における原子核の性質、スピンの大 きさ及び変形度の極限、あるいは3軸非対称変形を始めとする未発見変形核の 存在を探索することである。  ・②の例として、 12Cをはじめとする原子核に予想されるクラスターガス状態、 励起状態におけるシェルモデル状態とクラスター状態との競合、また球形核と 変形核の競合が挙げられる。  ・③の例は以下の通り。(1)中性子過剰なPb同位体に予想される中性子スキンの厚 さを調べることにより、EOSに関する情報を得る。(2)広いアイソスピンに渡り 系統的かつ精密的にGiant Monopole Resonance(GMR)を測定することにより、 核物質非圧縮率の理論値と実験値の不一致の原因を解明する。(3)EOSの決定は、 準位の状態密度の測定からも可能であるので、不安定核を含む原子核の低励起 状態の系統的な測定で攻める。  ・それぞれの物理を推進して目標を達成するために、将来計画として大強度・高 品質なビーム施設を目指し、超高分解能測定を特色とする。  ・①の極限状態の探索のために、二次ビームである(高スピン)isomerビームを使 った実験を行う。そのために大強度一次ビーム、そしてガンマ線を効率よく測 定するために、トラッキング・ガンマ線検出器の開発が必要である。  ・②の物理を推進するために、逆運動学でtransferやknockout反応を行う。また、 反跳粒子及び励起状態にある残留核からの崩壊粒子を測定するために、4π検出 器の開発・製作を行う。  ・③の物理を推進するために、標的は安定核、不安定核を問わず、スペクトロス コピーを行う。そのために、BRILLIANTという新しいスキームに基づいて、精密 測定を行う。  ・また、新しい方法として、中性子やμ粒子を不安定核に吸収させて、スペクト ロスコピーを行う。  ・ISOLを作って、fusionで低エネルギー不安定核ビームを生成し、下記の用途に 供する。  ・BRILLIANTでは、RI標的を作るために、低エネルギーRIビームを薄い物質に打ち 込む。  ・μ粒子捕獲を用いたスペクトロスコピーの場合も、RIビームを物質にインプラ ントする必要がある。  ・トラッキグ・ガンマ線検出器としてGe及びLaBr3検出器について検討し、1π、 4πの立体角を覆う検出器の効率及びコストの評価について報告があった。また 、開発等に時間及び必要な人員について概算の報告があった。RCNPに限らず、 共同利用装置として、ユーザーに貸し出しをし、理研や他の研究所に持ち込ん で実験を行う。  ・以下のビームを供給できる加速器が必要:  ・超高品質大強度軽イオンビーム(少なくともK=400)  ・強度 1 pμA  ・エミッタンスは今の1/10  ・大強度陽子ビーム(MW クラス)  ・ISOL、UCN、MUSICに利用する場合:400 MeV 陽子ビーム  ・Induced Fissionに利用する場合:50 MeV 陽子ビーム  ・大強度重イオンビーム  ・Fusionに利用する場合:<10 MeV/uで、Xeまでのビーム  ・Fragmentationに利用する場合:>60 MeV/uで、76Ge までのビーム  ・K=1300の高温超伝導サイクロトロンを含め、加速器から3つの提案があった。  ・加速器及び検出器について、必要な予算及び人員の概算の報告があった。  ・今後研究会を開き、意見やアイデアを集めて、更に計画を絞るなどして報告書 をまとめる。 3.2 議論  ・超高感度トラッキング・ガンマ線検出器のスケジュルを巡って、質問及び議論 があった。  ・将来計画を推進する体制について、センターのスタッフだけでなく、近隣大学 との協力関係が必要不可欠である。  ・理研との直交性について、BRILLIANTを始めとする装置を用い、精密測定をキ ーワードにして研究を展開する。  ・既存リングサイクロトロンを高温超伝導化する案を巡って、見通し及び予算に ついて議論があった。高温超伝導化が実現すれば、再現性が高く、かつ安定な ビームが実現できる。  ・Wobbling motion について実験的にどう検証するかという質問に対して、青井 委員よりwobbling motion を特徴付けるバンドを見付けることが重要であると の回答があった。  ・目指す10μmφのビームエミッタンス、強度を巡って議論があった。  ・Missing mass spectroscopyで1 keVオーダーのエネルギー分解能を目指すこと について、atomic processなどで、原理的に実現できない可能性はないかとい う指摘があった。  ・1 keVエネルギー分解能の必要性について質問があり、川畑委員より、状態密度 測定及びクラスター状態の測定等においてS/Nをよくし、密集した状態を分離す るために、高分解能が必要であるとの回答があった。  ・研計委として、検討会が提案した将来計画の方向性を承認した。  ・3月中に研計委主催のワークショップを開くことが提案され、承認した。  ・具体的な日程について、研計委委員長、幹事、及び検討会委員との間で調整す ることとした。また、研究会予算に関して、不足分についてはセンター長裁量 経費で補助頂くことを、センター長から了承を得た。 5.前回議事録承認   2011年8月9日に開催された研計委の議事録(案)を承認した。 6.その他 6.1 次回の研計委開催日程に関して   次回の研計委開催日程は年度末に行われる研計委選挙で新委員が決定され次第 調整する。 =====================================