<<<<<<<<<<<<<<<<<<<  CRC News No.1369:2009年 9月10日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

CRC会員 各位
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************< 第35回、第36回 KEK素核研運営委員会メモ >************

CRCの皆様、
5月19日、6月30日にKEK素核研運営委員会が開催されています。
高エネルギー物理学研究者会議に回覧された京大永江さん、阪大中野さん、
京大中家さんによるこの2回の素核研運営会議メモです。
作成者の許諾を頂いて転送いたします。

名大STE研 伊藤
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高エネルギー物理学研究者会議の皆様、

2009年5月19日(火)に開催された、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究
所の運営会議のメモをお送り致します。このメモは、永江、中野、中家が作成した
非公式な議事メモであり、その内容に関する文責は永江、中野、中家にあることを
申し添えます。

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第35回素粒子原子核研究所運営会議
日時  平成21年5月19日(火)10:00 〜12:00

正副議長の選出が行われ、議長に山内、副議長に中野が選ばれた。

【1】所長等報告(西川)
        今後3年間の課題として、KEKロードマップの実行とPriorityの設定、
      主幹制度廃止に伴う理論グループの体制刷新、短寿命核の将来計画の策定が
      挙げられた。

[1] 素核研の組織改編
      高エネ機構の組織改編について報告があった。主な会議として、役員会
    (月1回開催、最終決定機関)、所長会議(意志最高決定機関)、機構会議
    (トップダウン的に情報伝達)、連絡運営会議(ボトムアップ的に情報伝達)
    を置く。

    素核研の新組織について報告があった。所長:西川、副所長:山内、所長補佐
    :岡田、春山が所長室を構成する。また、各グループ代表者22名からなる素核
    研責任者会議を置く。

    J-PARCにおける素粒子原子核実験計画の推進のコアとしてJ-PRAC Particle and 
    Nuclear Physics Coordination committee (JNPC)を新設する[メンバー:
    吉岡(委員長)、小林、齋藤、田中(万)、三原、小松原]。JNPCは、どのような
    順番で実験を遂行するか所長に提言する等の調整的役割と、必要に応じて新た
    な計画のための評価委員会やタスクフォースの設置を所長に提言する等の企画
    的役割を果たす。

    素核研内に理論センターを立ち上げる。センター長は北澤*で副センター長は
    児玉、熊野、野尻、橋本省*:岡田(所長補佐)(*は運営会議メンバ))
    理論センターは、理論コミュニティを代表しコミュニティとの共同研究を推進
    するとともに、素核研に寄与する。

Q.(永江) 各会議・委員会の役割・チャージをまとめてほしい。特にJNPCの役割
   が良くわからない。
A. JPNC 外部の意見をどのように採り上げていくかはコミュニティ及びPACの意見
   を聞いて模索していく。新しいアイデアは原則PACに。

Q. 理論の体制 理論の体制だけが異質な感じを受ける。
A. 理論の研究はプロジェクト指向に限らない。理論の見地から素核研全体に対し寄
   与する。コミュニティとの共同研究の推進や素核研における理論の将来像の策定
   を行う。

(住吉)最高決定機関、JNPCはここで承認するのか?内容について文書で配っても
        らえないか?
(永江)外部からの意見を受入れるのであれば委員会は馴染まないのではないか。
(西川)チャンネル、齋藤・万博。たこ足(好きな委員を捕まえてアイデアを吸い
        上げてもらう。)プロトコルは宿題。
(羽澄)ロードマップはショートレンジ。KEKのロングレンジプラン(非加速器)。
        若者・よそ者・馬鹿者。馬鹿者の意見をどう吸い上げるか?
(西川)責任者会議、研究推進会議、直接、所長室に直訴。毎週月曜9時。

[2] 人事異動
       人事異動について報告があった。

[3] B-factory関係報告(山内)
      優先順位をつけろ(人手が足りない)
      BPACで報告が出た。
      3月に研究会を開催し100名以上が参加で盛況であった。
      ゴールデンウィークあたり好調でルミノシティの世界記録を更新。
      現在もデータ収集中で920fb^-1を貯めた。
      Bファクトリーアップグレードの新しい実験グループの名前が Belle-IIと
      決まった。

[4] リニアコライダー関係報告(山口)
    STF:超電導空洞の試験。昨年4台、今年5台目。目標35MeV/m、到達27MeV/m
    STF-2 project:9台作る。
    ATF:20pmのエミッタンスが得られた。
    GDEのワークショップが日本で開かれた(200名以上の参加者)

[5] J-PARC(小林)
     5/1:運転経費65億円(年180日の運転を目指す)
     補正予算でK1.1と加速器電源
     素核Division長:小林、副:齋藤
     加速器アドバイザー:吉岡、
     ニュートリノ:ビーム生成を確認
     ハドロン:  SKS組み立て完了。

[6] H21年度補正予算
     文科省:1兆3千億円、KEK:50億円(B加速器:27億円、先端加速器:18億円、
     J-PARCメインリング:5億円)
     (永江) 「素粒子・原子核物理学の振興」というのにJ-PARCに5億というのは
     残念だ。

【2】協 議
1.教育研究評議会外部評議員の選出について
     2名の外部委員: 駒宮氏、延與氏を選出

2.自己評価委員会外部委員の選出について
     永江氏を選出

3.教員人事選考手続きについて
     素核研では:素核研運営責任者会議を通して素核研運営会議へ。
     発議は素核研運営責任者会議。

4.人事関係

5.教員人事 素粒子原子核研究所 准教授 1名(大強度08-2)
     三部 勉さんを推薦。

文責:永江、中野、中家

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高エネルギー物理学研究者会議の皆様、

2009年6月30日(火)に開催された、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研
究所の運営会議のメモをお送り致します。このメモは、永江、中野、中家が作成
した非公式な議事メモであり、その内容に関する文責は永江、中野、中家にある
ことを申し添えます。

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第36回素粒子原子核研究所運営会議
日時  平成21年6月30日(火)10:00 〜12:00

出席者 西川、山内、赤井、延與、岡、岡田、小林、駒宮、住吉、徳宿、北澤、
        中野、中家、永江、幅、  齊藤、山中、田中、林、山本、平山、生出
欠席者 伊藤、羽澄、春山、門野

【1】 所長等報告
1. 研究員の選考結果について
      学術創成研究「偏極陽子衝突を用いた核子スピン構造研究の新展開」
    (代表者:齊藤 直人)研究員に中山久義が選考された。

2.平成22年度概算要求について
    ・J-PARC 、B-Factory、先端加速器、加速器科学協力(日米+アトラス)、
      大学連携の概算要求を行う。
    ・新装置としてB-Factoryアップグレード(3年計画)、J-PARC増強(単年度)
      、ハドロン高運動量ビームライン、縦方向長尺測定装置の概算要求。
    ・施設はKEKB高度化(トンネル等)、基幹整備、超電導リニアック施設、計算
      機(B)の概算要求。

3.Bファクトリー関係報告
      6/17に2.1E34/cm^2/sの世界記録を更新。これまで、945fb-1のデータを蓄積
    した。夏にシャットダウンを行い、秋からもランを再開する予定。現在は8月に
    開催されるレプトン・フォトン国際会議の発表に向けて物理解析を進めている。
    いくつかの結果はプレスリリースを予定している。

4.リニアコライダー関係報告
    ・STFで5台の空洞に対して、電解研磨、厚み測定等を行った。
    ・空洞製作用設備として、電子ビーム溶接装置の導入についての検討会を開いた。
    ・また、超伝導空洞メーカが現在国内1社であり、拡大のために国内2社との共
      同研究を開始した。
    ・ATF/ATF2に関してはファイナルフォーカスビームラインへのマッチング調整
      を行った。
    ・GDOEのDesign and Integration Meetingが5/28-29にDESYで開かれ、見直しに
      ついて議論した。対象項目はシングルトンネル、RD分配法、加速勾配、陽電子
      の検討等。

5.J−PARC関係報告
  (1)加速器
    5/28にニュートリノコミッショニングを終了。運転時検査をパスした。
    6月に6バンチオペレーション試験をした。RFQは最近比較的安定に稼働している。
     RCS-RF coreで空洞#4タンク2で新たに破損した空洞が発見された。
  (2) JPNC(議長:吉岡)
     4/13にキックオフミーテングを開き、6/29までに8回の打ち合わせを持った。
     議題はK1.1と高運動量ビームラインの現実的なレイアウト案、ビーム調整スケ
     ジュール案作り、テストビームラインの検討等である。
  (Q)Extinctionのテストはどうであったか?
  (A) 10^-4であった (目標は10^-9)

  (Q)テストビームラインのスペースは?
  (A)キャド上では上層階の構造が見えるので、狭そうであるが、1階のフロアーは
     大丈夫。

  (Q)レイアウトを決める時期は?
  (A)次回のPACでの議論を待って検討する

  (Q)テストビームラインのスペックは?
  (A)PACでレポートしている。12GeV-PSのT1ビームライン(0.3GeV/c〜2GeV/c)
     程度。ビーム強度は当初は弱い。

【2】協 議
  1.「病気休職期間について」の一部改正について
     大強度陽子加速器計画推進部がなくなったことに関する変更を行う。
  2.教員公募(案)素粒子原子核研究所(Hadron)教授1名 実験フロアー担当
     締切:8月28日(金)
  3.教員公募(案)素粒子原子核研究所(Belle) 准教授 1名(資料6)
      締切:8月28日(金)
  4.教員公募(案)素粒子原子核研究所(理論) 助教  1名 素粒子現象論
     締切:8月28日(金)
  5.教員公募(案)素粒子原子核研究所(理論) 助教  1名 宇宙物理の理論
      的研究 締切:8月28日(金)
  6.教員公募(案)素粒子原子核研究所(低温) 助教  1名 
      締切:9月30日(水)
  7.教員人事 素粒子原子核研究所 教授  1名(素08-9)
      藤井 芳昭さんを推薦。
  8.教員人事 素粒子子核研究所 准教授 1名(素08-11)
      石野 雅也さんを推薦。

その他。
  ・高エネルギー委員会から、KEKの新型インフルエンザへの対応について改善を要
    請した。
  ・KEK教育運営評議会で理事と所長・施設長との関係が議論となった。両者の責任
    を明確にするとともに、所長・施設長が予算・将来計画の責任持つのが望ましい。

文責:永江、中野、中家
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