宗像一起 (信州大)
   "銀河宇宙線異方性: Tibet+IceCubeによる両半球観測の最新結果 "
 銀河宇宙線強度の恒星時異方性は、太陽圏磁場や太陽圏周辺の銀河磁場の大規模構造を反映すると考えられている。特にTeV以上のエネルギーを持つ宇宙線は、太陽活動によるモジュレーションの影響をほとんど受けないと考えられており、近年この領域での新たな観測結果が報告されている。下の図はその一例である。一方で、Voyager1/2による外部太陽圏の探査結果や、星間中性粒子流の観測結果など、宇宙線観測以外からも太陽圏およびその周辺の物理状態に関して重要な知見が得られつつある。本講演では、これら最近の観測結果を紹介するとともに、それらからどのようなことが導かれるかを議論する予定である。
図の説明:Tibet III(北半球)とIceCube(南半球)による銀河宇宙線強度の2次元マップ。赤道座標系で宇宙線強度を赤経・赤緯の関数としてプロットしたもの。平均強度の±2%の範囲で宇宙線強度を赤から青の色に分けて表現してある。赤経は左から右へ増加するようにとってある。