【オンライン記事並びに週刊誌の報道について】

宇宙線研究所からのお知らせ

10月20日のオンライン記事並びに21日発売の週刊誌において、当研究所KAGRA計画に関する記事が掲載されておりますが、事実とは異なる内容を確認いたしました。

  1. 「重力波の検出は事実上不可能に」や「KAGRA計画は破綻している」とありますが、国際共同観測O4に向けて着々と準備を進めており、国際観測ネットワークの一員として重力波検出を目指しています。

  2. 誇大論文との指摘のあったシナリオペーパーはKAGRA単独のものでなく、LIGO・Virgo・KAGRAの共同で執筆され、電磁波による重力波天体の追観測を行うコミュニティとの情報共有を目的とするものであり、予算獲得を目的とするものではありません。その中に書かれている値を恣意的に誇大なものにしている事実もありません。

  3. 記事中では国際共同観測O4への参加が予算獲得目的などと否定的にとらえられておりますが、LIGO-Virgoと共に国際共同観測を行うことは、KAGRAがLIGO-Virgoと共に結んだ協定により定められおり、科学的にも非常に重要であります。KAGRAとしては、O4開始時に1Mpc以上の感度で参加した上で、O4終了までにさらに感度を上げ、国際共同観測に確実に貢献するように作業を行っています。

これまでにない挑戦をしている実験であり多くの困難がありますが、上記のように事実と異なる記事が掲載されたことは誠に遺憾です。

宇宙線研究所