***************** 平成9年度 第2回CRC総会 議事要録 ********************* 日 時: 平成10年4月1日(水)、17:10〜19:00 場 所: 東邦大学習志野キャンパス 日本物理学会J会場 出席者:(五十音順) 荒船次郎、石野宏和、市村雅一、伊藤好孝、内堀幸夫、大内達美、 太田周、大西宗博、大橋英雄、大橋正健、大橋陽三、岡田淳、笠原克昌、 梶田隆章、梶野文義、川上三郎、神田展行、木舟正、黒田和明、齋藤敏治、 榊直人、坂田通徳、佐々木真人、塩沢真人、鈴木厚人、鈴木洋一郎、 竹内康雄、辰巳大輔、手嶋政廣、戸塚洋二、鳥居祥二、中畑雅行、中村健蔵、 南條宏肇、西嶋恭司、林田直明、晴山慎、普喜満生、福田善之、藤井善次郎、 藤本眞克、堀田直己、増田公明、松原豊、岬暁夫、水谷興平、三代木伸二、 村木綏、森正樹、柳田昭平、山本常夏、湯田利典、吉越貴紀 (以上53名) [ 議長選出 ] 実行委員会からの推薦で、中畑雅行氏が選ばれた。 [ 報告 ] (1) 事務局報告 1.一般報告 (林田) (a) 電子メールによる、CRC関連情報の速報配信サービスを始めた。 (b) CRC連絡誌No.276,No277合併号を、3月16日に全会員に郵送した。 (c) 平成9年度の監査済みCRC会計が実行委員会で報告され承認された。 (詳細は平成9年度第3回実行委員会議事要録に) 2.電子メール投票について (大西) (a) 今年度は、従来の郵送投票と並行して電子メールによる投票も実施している。 両方で投票した方は、郵送投票を優先させる。 (b) 専用の「CRC選挙事務室アカウント」を開設した。ここで選挙用紙の配信、 投票返信メールの受信を行なう。開票日までここへは誰もログインしない。 (c) 無記名投票を成立させるために、返信用紙のチェック、投票者と投票用紙の分 離、集計などの作業は、内容を目視せずにプログラムで自動的に行なう。 (d) 上記作業が自動的に出来ない等の不都合のある返信用紙があった場合は、やむ を得ず立会人の下で目視チェックする。この場合この方の投票だけは記名投票 となる。 (e) 最後に、手動集計した郵送投票の各得票数と合わせて、最終結果を出す。 (2) 委員長報告 (太田) (a) 阪大核物理センター委員は、実行委員の投票結果に従って、核運委に村木綏氏 を、研計画委に田坂茂樹氏を推薦した。 (b) 平成10年度のCRC事務局は、宇宙線研にお願いするが、実行委としては平 成11年度も引き続き宇宙線研にお願いする意向である。 (c) CRC選挙を公示した。郵送投票と並行して電子メール投票も実施している。 (d) CRC関連大学の活性化について、10月8日の実行委員会懇談会で議論をし、 坂田、村木両委員に検討を依頼した。 (e) 宇宙線研将来計画について、共同利用運営委員会、将来計画検討小委員会で議 論してきたが、1月10日に開いた拡大実行委員会でも、所長を始め各計画の所ス タッフから説明を頂き、広く意見交換会を実施した。 (f) CRC運営の合理化について (1) 事務の電子化を推進している。 (2) CRCホームページに、そのカバーとなる「CRC主旨」を載せた。 (3) 会員名簿をパスワード付きでホームページに公開する予定。 (4) 速報サービスを始めた。宇宙線研の委員会議事要録もCRCから速報配信 し、CRC関連のお知らせ等もメール配信している。研究会等のご案内も 流すことを予定している。 (3) 宇宙線研究所報告 (戸塚) (a) 人事 退官 ; 永野元彦教授 明野観測所長 ; 手嶋政廣助教授 助手 ; 三代木伸二氏 研究所研究員 ; 新たに3人 今後の人事 ; 教授1名(最高エネルギーに)、助教授1名(重力波に) 適当な人材がいるかを検討中。 事務職員の4人が交代した。 現在のスタッフ数; 教官31名、技官10名、研究員7名。 (b) 将来計画 (1) 平成9年10月8,9日に将来計画シンポジウムを行なった。 (2) 今後の研究計画では、ニュートリノ、ガンマ線、最高エネルギー宇宙線、 重力波 をキーワードとして推進していく。 (c) 平成10年度予算 (1) 経費が15%削減される。 (2) 新たに柏地区での電子計算機システムが認められ、平成11年始めに導入 の予定。 (d) 平成11年度予算要求 (1) 宇宙線観測情報融合センター1部門を要求。 (2) 柏移転に伴う経費として、新研究棟内ネットワークシステム。 (3) 将来計画に関する調査費。 (e) 共同利用実施専門委員会 村木委員長、中畑幹事で開かれており、乗鞍、明野観測所の将来や、宇宙線 観測情報融合センター等について議論されている。また共同利用研究の成果 の発表を毎年行なう。 (f) 平成10年度に研究所の外部評価の実施を検討している。 (4) 柏キャンパスへの移転について (黒田) (a) 4センターと2研究所が移転を予定しており、平成12年度中に2つが移転の 予定。 (b) 地理、交通、計画中の建物の説明があった。 (c) 工事は9月の入札後に着工し、平成11年度完成、12年度移転実施の予定。 (d) 図書室と100人収容の講堂が造られる。工作室等は各研究部で都合をつける。 (5) IUPAP報告 (荒船) (a) パリ会議(1997.9.26-27) (1) associate members; C4: Barish(C11), Cessarsky(IAU), Voelk(C19) (2) Web Pages; C4は既設、http://www.cp.dias.ie/c4.html (3) 名称変更;Optics から Optics and Photonics へ (4) 国際会議の後援 a) Neutrino98 (高山、1998.6.4-9) b) 高エネルギー(大阪、2000年) c) 参加費の上限、500CHF に値上げ (5) ICPAの新設 C4 : Totsuka, Gaisser C11: Bettini(議長), Barish: C12: Haxton C19: Macdonald, Sadoole (6) 次期委員(今春、推薦依頼が来て、1999年春決定) C4 は戸塚氏を推薦する。 物研連も同じ人を推薦する事が望ましい。 (b) 物研連IUPAP専門委(1997.11.6; 1998.2.5)報告 C8(半導体)とC11の国際会議(2000年大阪)が重複。 物研連では学術会議への推薦順位がつけられず、順位をつけずに推薦した。 (その後、両方採択された) (6) 核専委、物研連報告 (湯田) 第一回委員会;平成9年11月6日 原子核専門委員会 委員長; 山田作衛(素核研) 幹事 ; 全体:矢崎紘一(東大理) 高 :高崎文彦(素核研)、 核:石原正泰(東大理)、 宇 :湯田利典(宇宙線研)、理:二宮正夫(基研) 物理学研究連絡委員会 委員長; 長岡洋介(関大工) 幹事 ; 池田広信(物質構造研)、矢崎紘一(東大理)、西川恭治(広大理) 議題等 (1) 大学関連施設及び装置の維持、運転経費の削減について 特別事業費、共同利用施設運営費、国際共同研究経費等 15%削減 今後3年間継続 ---> 深刻な事態 要望書;物研連 --> 第4部 --> 学術会議 新聞等への投書 (2) 2000年国際会議共同主催の第4部への推薦 高エネルギー(大阪)、半導体物理(大阪)を順位をつけずに推薦 (9件の申請で8件採択) (3) 名古屋大学太陽地球環境研究所運営協議会委員の推薦 佐藤文隆(京大理) (4) 宇宙線研究所の将来計画の進め方 説明 --> 次回に議論 (5) 次回委員会開催 1998年5月7日(核専委)、5月8日(物研連) (7) KEK運営協議会報告 (村木) (a) 第4回KEK運営協議会(1997年11月25日) (1) 所長の任期は最大2期6年で、所長就任時の年齢制限は特につけない。 (2) KEK-SLAC間で、日米共同で開発したknow-howをSLAC側が米国の特許を取       ると言いだしたので、議論が続いている。(知的所有権の問題) (b) 第5回KEK運営協議会(1998年1月20日) (1) 来年度予算は維持費が15%削減される。 (2) 大型ハドロン計画は、特別経費として陽子加速器大強度化のための開発 研究経費が認められた。 (3) 素核研の任期制と人事交流に関する検討ワーキンググループが開催され た。 (4) 所長の任期は、就任時の年令を63歳未満とすることが了承された。 (5) 日本原子力研究所が出した中性子に関するプロジェクトの最終答申につ いて、「KEKの大型ハドロン計画をまず推進して、その開発研究が進んだ 場合には、その後の計画として原研側は取り組むべきである」とKEKでは 理解している。 (6) SLAC側が日本側に無断でクライストロン技術の特許を申請した問題につ いて、抗議した結果、SLAC側から関係書類及び必要な情報を提供する旨 の謝罪の手紙が届いた。 (c) 第6回KEK運営協議会(1998年3月13日) 任期制と人事交流に関するワーキンググループの中間答申について報告が あり議論された。要旨は、限界にきつつある旧来の任期制度に関わるマネー ジメントの導入についてであり、KEKの任期制度を廃止するか否か研究者の 生の意見を聞くことになった。 村木委員は「KEKの任期制度は発足時から、 既にマネージメントが含まれた任期制度であったはずである」と指摘した。 (8) STE研究所報告 (村木) (a) 1998年7月12日 - 19日、名古屋でコスパー(宇宙空間物理学国際会議)が開か れる。 (b) STE研の将来計画として、水研が国立環境研に移った場合、STE研も影響を受     けるので、その際どうするか検討を開始した。 (9) 大阪大学核物理センター(RCNP)報告 (坂田) RCNP研究計画検討専門委員会が、平成10年3月11日に開催され、現在のRCNP の重点プロジェクト等が報告、議論された。 (a) リングサイクロトロンの400MeV偏極陽子ビームによる、pn-pラムダ(week hyperon reaction)の実験計画等が議論された。 (b) SPring8でのGeV偏極光子ビームによる、ファイとロー中間子生成反応実験 の準備情況が報告された。実験ホールは2001年完成予定である。 (c) 大塔コスモ観測所でのELEGANTV、VIによるダブルベータdecayとdark matter searchの実験が開始された。これに関して1998年6月には大塔コスモ観測所 で「Neutrinos and Nuclear rare Processes in Astroparticle Physics」 の RCNP国際workshopの開催を予定している。 (d) 次期加速器計画として、マルチGeV領域の電子・原子核ビームのコライダー の検討を進めている。 (10) 退会者 松村純宏氏(宇宙線研)、前田俊郎氏(元神戸大)、足立篤子氏(元理研)、 春日俊介氏(宇宙線研) の退会が実行委員会で了承された。   (11) 美甘昭司氏(元KEK)が、平成9年10月12日、ご逝去された。 ご冥福をお祈り致します。 [ 議事 ] (1) 宇宙線研究所将来計画 (a) 将来計画として「重力波計画」が黒田氏から、「宇宙線望遠鏡計画」が手嶋 氏から報告された。 (b) 現在可動中の「カンガルー」の今後の増強計画が木舟氏から説明された。 (c) 梶野氏から、「マウナロア(ハワイ)」に、もう1つのガンマー線観測基地を 作りたい との提案説明があった。 (d) 戸塚所長より、「将来計画のスタンス」について説明があった。 (これらの詳細は、平成10年1月10日に開催されたCRC拡大実行委員会の議事要録 を参照して頂きたい。) (e) 「各計画は、”共同利用”をシステムとして是非取り込んで頂きたい」との コメントがあった。 (2) 大学の活性化について (太田) 宇宙線研の計画と各大学の活性化は大いに関係があり、どのようにつなげて いくか、今後も検討と議論を続けていきたい。