CRC会員各位 日本物理学会「素粒子・原子核・宇宙線」分野の領域化に関しての最近の進展の 報告および「宇宙線分科会全体懇談会」への参加のお願い 先の宮崎学会での総会でも大会理事の谷村さんを交えて議論し、その後もCRC ニュースなどを通じて状況をお伝えしておりました「素核宇」の領域化に関しまして、 最近大きな進展がありましたのでご報告致します。 物理学会の理事会に「素核宇」の領域化に関する小委員会が立ち上げられ、また、 それに呼応して素核宇グループ内にも領域化検討WGが結成されボトムアップの案 を作成する事になりました。そして、本年1月8日に素核宇領域化検討WG(幹事: 延与、野尻)が東大で会合し、以下の「素核宇領域化検討WG提案書」を作成し、 大会理事の谷村氏に提出致しました。 それを受けて、理事会の小委員会及び理事会で議論があり以下の「会長からの回答」 が素核宇領域化WGに送付されてきました。(添付文章をご覧ください。) また、この検討WGでは宇宙物理関連の講演数が増加していることを考慮し、宇宙 線分科の領域化後の名称として『宇宙線・宇宙物理』を提案しています。この名称 は科研費の分類名称にも沿ったものとして提案されたものです。 かいつまんで理事会の結果を報告しますと、理事会では素核宇領域化検討WGの 提案を妥当なものとして受け入れてくれました。そして、素核宇各分科は来年 (2005年3月)より領域としてスタートし、それを実行に移すスケジュールと して以下の案が示されました。 2004年3月    各分科会において領域化の承認.細則の作成等のための委員            の選出. 2004年4―5月  細則の設定 2004年6月    分科・領域プログラム委員会で検討 2004年8−9月  案を検討,秋の分科会で報告,承認 2004年9−12月 学会誌で移行についての報告,申し込み受付 2005年3月    領域スタート この案に対し、各分科でどの様に対応するかが問われており、2月中に返事をする必 要が有る事から、CRC実行委員会に状況を報告し、議論して頂きました。 委員会ではこの線で進めることに特に反対はありませんでしたが、CRCの皆様の ご意見を広くお伺いする必要が有ると考え、CRCニュースで流させて頂くことに致し ました。 正式には3月末の福岡学会での「宇宙線分科会全体懇談会」 ( 2004年3月29日(月)16:50--17:30、CRC総会の前)で、領域化の承認、領域 代表と領域世話人の選考方法、及び細則作成のための委員の選出をお諮りする事に なりますので、この懇談会にはぜひとも出席をお願いします。 この件に関しまして、ご質問・ご意見などございましたら森正樹 (morim [at] icrr.u-tokyo.ac.jp)までお寄せ下さい。                                  以上 (素粒子実験分科代表 住吉孝行(東京都立大学)氏がHecforumに流した文章を 参考にさせていただきました。) 添付資料:  「素核宇領域化検討WG提案書」  「会長からの回答」 *******「素核宇領域化検討WG提案書」**************** ** 日本物理学会理事会 谷村 吉隆 理事殿 素粒子(理論・実験)・原子核(理論・実験)・宇宙線各分科の領域化にあたり、 各分科に所属する研究者より推薦をうけた代表者からなる領域化検討ワーキング グループを設け、領域化に関する要望をまとめましたので、提案いたします。 この提案について、潮田会長、学会理事会、にご説明頂きますとともに、 理事会 にてご検討いただきますようお願いいたします。 「素核宇」領域化検討ワーキンググループ 素粒子論分科:坂井典佑(東京工業大学)、加藤光裕(東京大学) 原子核理論分科:初田哲男(東京大学)、大西明(北海道大学) 素粒子実験分科:野崎光昭(神戸大学)、住吉孝行(東京都立大学) 原子核実験分科:岸本忠史(大阪大学)、鈴木健(埼玉大学) 宇宙線分科:森正樹(東京大学)、杉山直(国立天文台) 幹事:延與秀人(理化学研究所)、野尻美保子(京都大学) 「素核宇」5分科の領域化のための提案書 (1)領域は大会運営のための組織であり,領域委員会によって大会運営以外に 関する議論・決議を行わない。 (2)「素核宇」および「物性分野」の研究実態を尊重した招待講演・特別講演・ シンポジウムの数、開催時間、同一機関からの講演者数等についての新たな 枠組を構築する。 (3)領域名は番号ではなく,中味のわかるものにする。 (4)領域代表は、各領域の学会インフォーマルミーティングでの決議に基づいて 決定する。 補足 (1)これらの5分科は各々において、そこでの活動に対応する研究者グループが    あり、共通の問題を深く議論するための委員会が選出されている。これらの 組織は、学会におけるインフォーマルミーティングを主宰し、学会への代表 委員選出等を公正に行ってきた実績がある。対応する委員会は、素粒子論委 員会(素粒子理論)、高エネルギー委員会(素粒子実験)、核理論委員会( 理論核物理)、核物理委員会(実験核物理)、宇宙線研究者会議実行委員会 (宇宙線)である。    領域化検討WGはこれらの委員会より推薦をうけたメンバーによって構成され ている。 (2)現在の分科はそれぞれで一つの領域を形成する方向で議論を進めている。 (3)実験系3分科では、新領域として「放射線測定器」を創設する提案を行うこ とを検討している。関連する講演は現在、素粒子実験、原子核実験、宇宙線、    放射線、各分科でばらばらに行われおり、新領域が実現されれば、プログラ    ム編成上も参加者の便宜も大幅に向上すると考えられる。前回の秋の学会で の関連講演の数はおおむね85件である。 (4)新領域「ビーム物理」が発足しようとしているが、この領域との連携も視野    に入れ、「素核宇」領域化後のありかたを検討する。  以上 ************************************** ***********「会長からの回答」****************** 日本物理学会会長 潮田資勝 この度は「素核宇」分野の領域化に関して、多くの方々に検討して頂きありがとう ございました。谷村理事を委員長とする小委員会の結論が以下のように出ましたので 、この件につき速やかに検討し実施に移して頂くようお願いします。 ---------------------------------------- 「素核宇」領域化検討ワーキンググループの皆様へ  領域化についての検討ありがとうございます.2004年1月10日に,素核 宇領域の領域化について検討する小委員会(委員は酒井,谷村,大塚,二宮(欠 席),渡辺(欠席),前田)で,検討しましたのち,さらに同日午後の理事会 粒子実験,原子核実,宇宙線の各分科を基盤とした,5領域に移行して頂きた  い,という結論になりました旨、お伝えいたします。領域化にあたっては, 細則の変更やアナウンス等もあり,かなり前から準備を始める必要があります.  来年の年会より始めるとすると,今年の春の年会前後に各分科会で承認を得て いただいておく必要があります.その時期での承認を得ることについて,お願い できますでしょうか.  その後,提案の線に沿った細則等を定めるために,委員会を立ち上げる必要が  あります.承認と同時に各分科1名づつの委員を選出して頂きたいと思います.  なお,新領域の発足に関しては,発表数が150程度、最低でも100以上程度を目 安として従来は運用しています。これに沿って新領域の提案は議論されることと なります。(プログラム委員会への提案の後,試行期間を設けて検討していきた いと思います) 小委員会で,各今後のスケジュールとしては, 2004年3月    各分科会において領域化の承認.細則の作成等のための 委員の選出. 2004年4―5月  細則の設定 2004年6月    分科・領域プログラム委員会で検討 2004年8−9月  案を検討,秋の分科会で報告,承認 2004年9−12月 学会誌で移行についての報告,申し込み受付 2005年3月    領域スタート を予定しております.  また,領域化にあたり,「日本物理学会論文賞規定」との整合性が問題になる 個所があります.現在の規定は,論文賞候補者を推薦して頂く窓口として,   (1) J PSJ編集委員会や,   (2)プログレス編集委員会,   (3)物理学会学会賞等候補委員会, (4)支部長委員会の他に,  (5)日本物理学会物性分科については領域代表  (6)領域のない分科については分科単位の責任者 という規定になっています.素核宇分科は現在(6)が窓口となっていますが,領 域化にあたりこれをどのように変更するか検討して頂きたいと思います.[(5)の 物性領域に関しまして,領域代表が一存で決めているわけではなく,領域内の世 話人等に情報を送る連絡係である点,誤解のないように注意しておきます] 2004年1月19日 物理学会大会担当理事 谷村吉隆(tanimura [at] kuchem.kyoto-u.ac.jp) ************************************** 以上 ************************************************************