*************< 2003年度第1回CRC実行委員会 議事要録 >************* 日 時:6月11日10時30分〜17時 場 所:宇宙線研究所6階大セミナー室 出席者:鳥居祥二(委員長)、村木 綏、谷森 達、福島正己、木舟 正、    鈴木洋一郎、梶野文義、吉田 滋、瀧田正人、宗像一起(以上 実行委員)、     吉村太彦、松岡 勝、梶田隆章、黒田和明、森 正樹(以上 依頼出席者)、     林田直明(事務局) ●報告 (1) CRC事務局報告 (林田) (3月28日実行委 以降) (a) 訃報     名古屋大学名誉教授 村上 一昭 様が、5月7日、御逝去されました。     謹んで、御冥福を お祈り申し上げます。 (b) CRC活動     (1) 4月18日; CRC選挙開票     (2) 随 時 ; CRC News 配信 (資料1参照) ================================================================== (c) 平成15年度CRC選挙の開票結果     開 票 日 ; 2003年4月18日(金)     事 務 局 ; 大西宗博、林田直明     立 会 人 ; 小澤俊介(宇都宮大)     定 足 数 ; 109 (有権者数 326)     有効投票数; 146 (郵便 3, Email 143) ----------------------------------------------------------------- [ CRC実行委員会委員長 ] 順位 氏 名 得票 所属機関 備 考 1. 鳥居祥二 53 神奈川大 次点 木舟 正 12 信州大 次点 谷森 達 12 京都大 その他 48 白 票 21 以上の結果、鳥居祥二 氏 が委員長に選ばれた(1期目)。 ----------------------------------------------------------------------- [ CRC実行委員会委員 ] (定員12名) 当選順位 氏 名 得票 所属機関 備 考 当選 1. 村木 綏 62 名古屋大 前委員1位 当選 2. 谷森 達 49 京都大 前委員2位 当選 3. 福島正己 43 宇宙線研 前委員3位 同一機関A1位 当選 4. 木舟 正 41 信州大 前委員4位 同一機関B1位 当選 5. 鈴木洋一郎 32 宇宙線研 同一機関A2位 当選 6. 梶野文義 31 甲南大 当選 7. 吉田 滋 29 千葉大 前委員5位 当選 8. 瀧田正人 28 宇宙線研 同一機関A3位 当選 9. 川上三郎 27 大阪市立大 当選 10. 宗像一起 25 信州大 同一機関B2位 当選 11. 水谷興平 24 埼玉大 前委員6位 鳥居祥二 24 神奈川大 新委員長 西嶋恭司 21 東海大 前委員7位 大橋正健 19 宇宙線研 同一機関A4位 森 正樹 18 宇宙線研 同一機関A5位 櫻井敬久 16 山形大 前委員8位 梶田隆章 15 宇宙線研 同一機関A6位 当選 12. 藤本眞克 15 国立天文台 くじ引き1位 次点 柳田昭平 15 茨城大 くじ引き2位 次次点 荻尾彰一 15 東京工業大 くじ引き3位 その他 307 白 票 90 無 効 2 以上の結果、上記の当選12位までの 12名の方が委員に選ばれた。 (注1) 委員長に投票された次点以下の方の票(72票)は、委員の票に加算された。 (注2) 「同一機関から選ばれる委員の数は、3名を越えることはできない」規定 により、宇宙線研の大橋正健氏、森 正樹氏、梶田隆章氏は委員とならない。 (注3) 「委員12名中、前年度委員が6名を越えることはできない」規定により、 前委員の西嶋恭司氏、櫻井敬久氏は委員とならない。 (注4) 「同票の場合は本人に連絡の上、くじ引きとする」規定により、 藤本眞克氏、 柳田昭平氏、荻尾彰一氏には「くじ引き(メールジャンケン)」 をして頂き、順位を決めた。 ------------------------------------------------------------------------ [ 東京大学宇宙線研究所 共同利用研究実施専門委員会委員(宇宙線分野の所外委員) 推薦候補者] (定員12名) 当選順位 氏 名 得票 所属機関 備 考 当選 1. 梶野文義 23 甲南大 当選 2. 村木 綏 21 名古屋大 同一機関A1位 当選 2. 鳥居祥二 21 神奈川大 当選 4. 谷森 達 19 京都大 当選 5. 川上三郎 18 大阪市立大 当選 6. 柳田昭平 17 茨城大 当選 7. 宗像一起 16 信州大 同一機関B1位 当選 8. 柴田槇雄 15 横浜国立大 当選 8. 松原 豊 15 名古屋大 同一機関A2位 当選 10. 堀田直己 14 宇都宮大 当選 10. 荻尾彰一 14 東京工業大 当選 12. 吉田 滋 13 千葉大 くじ引き1位 次点 木舟 正 13 信州大 くじ引き2位 同一機関B2位 次次点 櫻井敬久 13 山形大 くじ引き3位 その他 256 白 票 190 以上の結果、上記の当選12位までの 12名の方が委員推薦候補者に選ばれた。 (注1) 「所外委員は、同一機関からの選出を2名以内とする」規定により、 名古屋大の2名の方と、信州大の2名の方は、候補者の資格がある。 (注2) 「同票の場合は本人に連絡の上、くじ引きとする」規定により、 吉田 滋氏、木舟 正氏、櫻井敬久氏には「くじ引き(メールジャンケン)」 をして頂き、順位を決めた。 (注3) 上記当選の12名の中から分野を考慮して 8名が委員に委嘱される。 ----------------------------------------------------------------------- [ 第19期物研連・原子核専門委員会委員推薦候補者 (定員7名) 当選順位 氏 名 得票 所属機関 備 考 村木 綏 47 名古屋大 3期委員 当選 1. 谷森 達 42 京都大 当選 2. 福島正己 39 宇宙線研 同一機関A1位 当選 3. 鳥居祥二 37 神奈川大 当選 4. 木舟 正 26 信州大 同一機関B1位 鈴木洋一郎 14 宇宙線研 同一機関A2位 太田 周 5 宇都宮大 3期委員 荒船次郎 4 大学評価機構 3期委員 梶田隆章 4 宇宙線研 同一機関A3位 森 正樹 4 宇宙線研 同一機関A3位 宗像一起 4 信州大 同一機関B2位 当選 5. 柳田昭平 4 茨城大 当選 5. 坂田通徳 4 甲南大 当選 5. 戎崎俊一 4 理化学研 池内 了 3 名古屋大 他分野(天文) 黒田和明 3 宇宙線研 同一機関A5位 次点 永野元彦 3 福井工業大 くじ引きD1位 次次点 川上三郎 3 大阪市立大 同一機関C-くじ引き1位 くじ引きD2位 丹羽公雄 3 名古屋大 くじ引きD3位 神田展行 3 大阪市立大 同一機関C-くじ引き2位 その他 49 白 票 97 以上の結果、上記の当選5位までの 7名の方が委員推薦候補者に選ばれた。 (注1) 「物研連委員を 4期以上務めることはできない」規定により、村木 綏氏、 太田 周氏、荒船次郎氏は、3期委員を務めたので、候補者とならない。 (注2) 「委員候補者の選出は、原則として同一機関から 1名とする」規定により、 鈴木洋一郎氏、梶田隆章氏、森 正樹氏、黒田和明氏、宗像一起氏は、 候補者とならない。 神田展行氏は「同一機関C-くじ引き2位」により、候補者とならない。 (注3) 池内 了氏は、選挙権および被選挙権が他分野(天文)にあり候補者とならない。 (注4) 「同票の場合は本人に連絡の上、くじ引きとする」規定により、 川上三郎氏、神田展行氏、永野元彦氏、丹羽公雄氏には「くじ引き (メールジャンケン)」をして頂き、順位を決めた。 ======================================================================== (2) ICRC2003 報告 (梶田) *5月19日に論文締め切り。その後1週間メイルで投稿失敗への対応。 *1060程度の論文数。(SH-277、OG-347、HE-440 全て概数) この内約490を Oral Presentationへ。 *参加登録:約650人。 3会場では収まらず。4会場の日が4日間。 *補助:約100人KEK宿舎、この内約半数は登録料免除、残りは半額免除。 *プレナリースピーカーは全て決定済。 ------------------------------------------------------------------------ (3) 宇宙線研究所報告 (吉村)  3月の総会後の報告を行う。  ・人事異動 石原賢治氏(神岡施設助手) 4/1 明野観測所長 福島教授、乗鞍観測所長 瀧田助教授、神岡施設長 鈴木教授、 ニュートリノセンター長 梶田教授 何れも4/1より。 神岡客員教官 教授 櫻井敬久氏(山形大) 助教授 中村正吾氏(横浜国大)   ニュートリノセンター客員教官 教授 西川公一郎氏(京大) 助教授 井上邦雄氏(東北大)  ・名誉教授 戸塚洋二氏が東京大学名誉教授を授与された。  ・人事公募     SDSS助教授、カンガルー教授、いずれも7月31日が公募締め切り。既に     締め切った、神岡助教授とともに8月末の共運委、9月教授会で決定の予定。  ・次期共運委委員の任期     本年9月交代の新委員の任期を従来どおり、2年とした。  ・新協議会メンバー     事務局長、理学研究科長、素核研所長、基研所長、天文台長、佐藤文隆、     江尻宏泰、長島順清、太田 周、井上 一、小早川恵三、鈴木洋一郎、     黒田和明、福島正己、の各氏。 本年は9月29日開催予定。  ・8月末の次期共運委で次期所長選考方法を議論する予定。  ・共同利用研究     平成15年度の共同利用査定の報告が4月10日開催の共運委、4月教授会     で了承された。平成16年度の査定委員が決まった。  ・その他     Marburger 米国大統領補佐官の神岡視察。     概算要求状況、神岡施設拡充計画を文科省へ説明。     小柴先生一般講演解@柏、10月2日。     乗鞍観測所50周年記念式典、9月20,21日。  ・法人化関連     全国研究所長会議報告 (新規研究所構想の検討等)     KEK法人準備委員会 初代機構長の選考、法人化後の運営・組織体制等の     重要事項を審議する予定。     東京大学における中期目標・中期計画作成しめきりが8月末に遅れる。     所内で、法人化後の技術開発室(仮称)設置、乗鞍観測所冬季運用を検討     している。     (問題点)       共同利用 積算根拠が示されるのか。       法人化後の大型計画の推進          東大内では困難がある。他機関との連携、将来学外に出ることを         検討すべき時期に来ているのか。       任期制を検討すべきかどうか ------------------------------------------------------------------------- (4)物研連報告 (村木)    4月22日に、第18期・第8回原子核専門委員会が開かれた。     ○諸報告(共同利用研、各グループ)     ○協議事項       1、大学附置研究所、センター施設について       2、学術会議の今後と物理コミュニティ       3、来期への申し送り事項    詳細は、5月8日に配信された、CRC News No.502 の         「第18期・第8回原子核専門委員会議事録」を参照。 ------------------------------------------------------------------------- (5) KEK報告 (谷森) ●4月25日 運協会議 *メンバーが新しくなった。 機構長:戸塚洋二、 所長:小林 誠、 副所長:高崎史彦 ◎報告 (1)機構長報告 機構長懇談会でのリニアーコライダー計画に対する所信表明。 (2)所長報告 ・人事異動:素核研関連: 山田(任期満了退職)、土井、小俣、 渡辺研(以上定年退職)、秋葉(辞職)、久世(転出) ・PS実験報告(中村主幹)   K2K実験は、順調にデータ取得中。    4/19(土)にK2K-II実験開始記念式典を開催。    今年夏にはK2K-II実験のためにSciBarと呼ばれるfine-grain前置検出器を 導入予定。 ・Belle実験報告(山内主幹)    加速器性能の改善は目覚ましく、ミノシティなどの記録が次々と更新、 実験順調。8月のレプトン・フォトン    国際会議には昨夏の2倍近いデータに基づく結果を発表。 ◎協議 名誉教授選考について   山田作衛前所長を名誉教授に推薦。 任期制について   小林所長より、任期制について来年4月から開始を目指し タスクフォースを立ち上げ。 ●6月10日 運協会議  1-1)所長報告    i) 人事異動:幅淳二(Belle教授)、西田昌平(Belle助手)    ii) 委員会関係       ハドロン加速器推進委(5/2)       来年度概算要求:ニュートリノの2km検出器を含めるかどうか折衝の               過程で判断する.       日米合同委員会(5/20)  8億8千万円の配分を決定。   iii) 法人化関係       機構内法人化準備委員会の下にいくつかのタスクフォースが置かれる.        イ) 技術部TF(神谷):技術部を廃止.新しい俸給表の作成に向け             たシミュレーション.定年を教官と同じにすることを希望.        ロ)広報・研究協力TF:国際社会連携部を置く        ハ)人事検討TF:就業規則を検討        ニ)安全管理TF(近藤健):人事院規則→労働安全衛生法            放射線などの有害業務→産業医、衛生管理者を置く必要有り.  1-2)素核研関係報告    i)PS実験報告      ・K2K-II実験は順調、陽子数1.7x10**19 on target.    ii)Belle 実験報告(山内)      ・積分ルミノシテイー:151/fb(6/9現在)→ 順調      ・チャームを含む新しい状態の確認:Ds(2317)、(2460)    ii) KEKB(生出)       デザイン・ルミノシティー10**34を達成した!  2)協議     任期制の導入に関して     ・TFで検討をする.前の「素粒子原子核研究所の任期制と人事交流に      ついて」(最終報告)を踏まえて議論する.     法人化後の運営体制について     ・法人化検討委員会が置かれ機構の組織・運営その他重要事項が検討される.   所長より以下の運営体制図の説明があった.      運営体制図        機構長選考会議     機構長−−・役員会:理事3名(所長兼任)、外部理事1名          ・経営協議会:21名(内10名,外11名)          ・教育研究評議会:25名以内(機構長、理事+20名)            ・所長会議              ・素粒子原子核研究所−運営会議            ・物質構造科学研究所−運営会議              ・加速器研究施設−運営会議(共通を含む)              ・共通基盤研究施設              ・大強度陽子加速器計画推進部              ・管理局        尚、素粒子原子核研究所運営会議は24名        内訳:所内10名、所外10名、機構内(所外)4名           現在の素粒子原子核研究所運営協議会より外部の比率が下がる.      機構長の任期:3年    ・法人化後の素粒子原子核研究所組織図案      所長より以下の組織図案の説明が有った.         副所長      所長−−−−−−−実験物理第1研究系          技術調整官 実験物理第2研究系               実験物理第3研究系               理論物理研究系               実験企画室(J―PARC)1名      意見:理論が独立すると益々実験と遊離してしまうのではないか?         理論部の共同利用機関としての立場が明確でなく、基研と競合して         しまう事も考えられる.等々 ------------------------------------------------------------------------- (6) NASDA報告 (松岡) (1) 宇宙3機関統合の現状 *平成15年10月1日から宇宙科学研究所、航空技術研究所、宇宙開発事業団 が統合されて、「宇宙航空研究開発機構(JAXA)」が文部科学省の独立行政      法人として発足する。 *新理事長に、山之内秀一郎氏が内定。 *主な業務:大学と共同した宇宙科学の学術研究、宇宙及び航空科学技術の 研究、人工衛星及び打ち上げロケットの開発など。 (2) 組織:4本部ある。 ・基幹システム本部(元NASDA):ロケット、宇宙ステーションなど ・利用推進本部:地球観測研究とデータ利用、通信・測地システム ・技術研究本部:航空科学技術、宇宙プロジェクト技術など ・宇宙科学本部:宇宙,惑星,月,磁気圏etcプロジェクト、大学院教育、 三陸気球観測所と臼田の観測所はここに置く。 (3) 宇宙科学本部 *理事長の下に「宇宙科学評議会」を置き、宇宙科学本部に「宇宙科学 運営協議会」を置き、その意見に基づき運営。 *統合効果で新しく発足する部門 ・宇宙環境利用科学研究系(生物、材料)、・地球観測科学研究系 *宇宙科学プログラムの推進(宇宙ステーション、SELENE(月)プロジェクト) (4) プロジェクトの「公募審査評価方式」が検討されている。 ------------------------------------------------------------------------- (7) STE研報告 (村木) STE研では21世紀COEの動きと連動して、STE研と水循環センターを まとめて理系の研究所を作る案が浮上している。 しかし太陽地球生物圏シス テム研究所という名称に対して合意が得られていない。宇宙地球研究所ならば 宇宙線グループはすんなりと入れるが、そうでないと、物理教室に戻ることも 視野に入れておくことが必要かもしれない。  工学部系からの賛成がすんな りと得られそうになく計画は順調に進むとは考えにくい。 このままSTE研 のまま6年間進む可能性も大きい。 ------------------------------------------------------------------------- (8) 研究グループ報告 (a) TA (福島) TAは、AGASA10倍規模の地表アレイを、周辺3ヶ所から蛍光望遠鏡で覗く第 一期建設計画を、特定領域科研費に申請している。規模として南半球AUGER に劣るが、電磁成分を測るプラスチックシンチは、ミューを測る水タンクに較べ て、エネルギーの決定精度に優れている。地表アレイは、南AUGERと同時に 2006年から完全稼動させる予定である。蛍光望遠鏡は翌年から。特定領域は ヒアリング課題として既に採択されて、6月17日にヒアリングが行われる。特 定領域の計画研究では、参加大学が協力して宇宙線研と共に建設を担当する。公 募研究では、TAの建設と運用には直接関係しない、理論研究や技術開発研究な どを行う予定である。 (b) 重力波 (黒田) 1) LIGO-GEO-TAMAの共同実験を2002年8月から実施し、4月6日で1000時間を越えた (到達距離35kpc、最長ロック時間20.5hr) 2) 神岡20mプロトタイプ干渉計による地面振動の調査の結果、期待される低周波 の感度が実現できた。 3) 100m低温レーザ干渉計(CLIO)計画は、坑道が完成し、ひずみ干渉計の設置、 真空リークテストが終了した。 4) LCGTの設計とそのR&D研究では、TAMAの低周波防振装置及びCLIOの低温干渉計 の実証テストが準備中。 (c) 神岡 (鈴木) スーパーカミオカンデは昨年10月に約半数のPMTで、部分復旧した。 12月半ばには満水となり本格観測がスタートした。1月からは、つくばからの ニュートリノ照射もはじまり、長基線ニュートリノ振動実験も再開した。 過去の超新星からのニュートリノフラックスの測定をおこなった。 理論から予想される値のほぼ3倍程度のところまで感度があがっている。 (d) カンガルー (森) 1) 平成11年度末に口径7mから10mに拡張した望遠鏡での南天γ線天体の観測は、 現在も順調に進行している。 2) 12月から10m鏡2号機が稼働し、ステレオ観測を開始した。 3) RXJ1713.7-3946のenergy spectrum、2001年のフレア時のMrk421からの10TeV γ線、星生成活動銀河NGC253からのγ線などの4編の論文が掲載された。 4) 10m鏡3号機を、平成13年11月に建設した。今年度設置する4号機は製造中。 5) 2002年9月に国際シンポジウム「Universe Viewed in Gamma-rays」を開催した (e) チベット (瀧田) 1) 1999年秋〜2002年秋まで稼働した 2.2万m^2の Tibet-IIIの解析が進行中。 2) Tibbet-IIIの解析の結果、太陽時での異方性(約0.05%)の観測に成功。 3) 2000年と2001年のMrkからのγ線信号とX線衛星RXTEとの長期相関の観測に成功 4) 1996〜98年観測の X-ray フイルム データ、バースト検出器及び空気シャワー 観測装置の連動実験データから、knee領域近辺の proton fluxが得られた。 5) Tibet-II-HD及びTibet-IIIのデータで、北天2srでのTeV-γ線天源を探索したが カニ星雲及びMrk421以外には有意な信号は得られていない。 6) 銀河面からのTeV領域diffuse-γ線を探索したが、有意な信号は得られなかった 7) 2002年秋に完成した 3.7万m^2のTibet-IIIの41日分のデータから、月の影が約 11σ、カニ星雲γ線が3.3σで予定通り観測され、角度分解能は数TeVで約0.9 度であることが判明した。 ========================================================================== ●審議 (1) 入会希望者 ○ 小山 勝二 (こやま かつじ)(京大理 教授) 推薦人:村木 綏、谷森 達 研究歴:銀河面からの拡散X線および銀河中心の研究、超新星残骸からの 非熱X線観測による粒子加速の研究、星形成領域のX線による研究と、 X線天文学の最前線で研究。特に超新星残骸の研究は宇宙線起源問題、 ガンマ線観測と密接に関係し、宇宙線研究に大きな影響をあたえた。 ○ 福家 英之 (ふけ ひでゆき)(東大理 D3) 推薦人:山本 明、野崎光昭 研究歴:BESS気球実験による宇宙線の研究。特に宇宙線中重原子核や大気ミュ ーオンの流束測定器の開発・運用及び物理解析、並びに宇宙線反重陽 子の探索。次期計画BESS-Polarも準備中。学会での発表複数回あり。 ○ 元木 正和 (もとき まさかず)(東北大理 研究支援員) 推薦人:山本 明、野崎光昭 研究歴:BESS気球実験による宇宙線の研究。特に宇宙線中原子核や大気ミュ ーオンの流束測定器の開発・運用及び物理解析。 最近の結果は Astropart. Phys. 19(2003)113 など。 現在: KamLAND測定器を用いた実験及び開発。学会での発表多数。 ○ 渡邊 靖志 (わたなべ やすし)(東工大理工 教授) 推薦人:佐々木真人、浅岡陽一 研究歴:ミューオン深非弾性散乱によるブジョルケンスケール則のテスト (米コーネル大)。偏極ビーム・偏極標的を用いた陽子・陽子散乱の 研究(米アルゴンヌ研)。加速器PETRA(DESY)を用いたJADE実験。 トパーズ実験(量子色力学の検証、電弱理論の精密検証等)。 スーパー神岡実験(核子崩壊の探索、ニュートリノ振動の研究)。 Belle実験(B中間子系でのCP非保存の研究、B中間子の希崩壊の測定)。 ○ 中山 祥英 (なかやま しょうえい)(宇宙線研 研究員) 推薦人:梶田隆章、金行健治 研究歴:平成15年、東大理博。 平成9年から Super-Kamiokande、K2K、両実験に参加、 特に、K2Kと大気ニュートリノの中性カレントパイ0生成のデータを 用いた、ニュートリノ振動の研究。 以上5名の方の研究歴が紹介され、審議の結果、全員の入会が承認された。 (2) 退会申し出 ○ 柴田 進吉 (元福井工業大学) 退会が了承された。 ----------------------------------------------------------------------- (3) 前実行委員会からの引き継ぎ事項 (村木) (1) 地方大学の活性化 (2) 宇宙線将来計画の実現 (3) 宇宙線学会の設立 (4) OBOG組織との連携 (5) 宇宙線分野の特定領域の科研費申請の努力   宇宙線グループが将来計画の柱の一つとしてきたTA計画がうまく行けば(科研費   特定領域という形で実現することになった)、次の宇宙線将来計画を立案、実現   する段階に入る。順番では重力波であるが、大学の法人化をひかえ、このような   大計画をどのような予算枠を使って実現していけば良いのか、我々にとって全く   未体験である。    そこで中規模の科研費特定領域で優れた業績が上げられるようなプロジェクト   も平行して立案し、それを実現してグループの活性化をはかるべきである。海外   の高地や砂漠にある観測拠点を利用した宇宙線研究の発展拡充や、宇宙での宇宙   線研究が候補として考えられよう。    *上記の(3)はキャンセル。   *特に(2)と(5)は重要。   *いずれも「具体案」が必要。例えば、(1)を(5)に含めて考えて行く。 ------------------------------------------------------------------------- (4) 関連委員会への推薦候補者 先のCRC選挙の結果を踏まえて、以下の方々を推薦することになった。 (a) 東京大学宇宙線研究所 共同利用研究運営委員会委員(宇宙線分野の所外委員) 推薦候補者 1.位 鳥居 祥二 (神奈川大学) 2.位 村木 綏 (名古屋大学) 3.位 谷森 達 (京都大学) 4.位 梶野 文義 (甲南大学) 5.位 川上 三郎 (大阪市立大学) 6.位 宗像 一起 (信州大学) 7.位 水谷 興平 (埼玉大学) (b) 東京大学宇宙線研究所 共同利用研究実施専門委員会委員(宇宙線分野の所外委員) 推薦候補者 1.位 梶野 文義 (甲南大学) 2.位 村木 綏 (名古屋大学) 3.位 鳥居 祥二 (神奈川大学) 4.位 谷森 達 (京都大学) 5.位 川上 三郎 (大阪市立大学) 6.位 柳田 昭平 (茨城大学) 7.位 宗像 一起 (信州大学) 8.位 柴田 槇雄 (横浜国立大学) 9.位 松原 豊 (名古屋大学) 10.位 堀田 直己 (宇都宮大学) 11.位 荻尾 彰一 (東京工業大学) 12.位 吉田 滋 (千葉大学) 13.位 櫻井 敬久 (山形大学) 14.位 木舟 正 (信州大学) (c) 第19期 物研連・原子核専門委員会委員推薦候補者 1.位 谷森 達 (京都大学) 2.位 福島 正己 (東京大学宇宙線研究所) 3.位 鳥居 祥二 (神奈川大学) 4.位 木舟 正 (信州大学) 5.位 柳田 昭平 (茨城大学) 6.位 坂田 通徳 (甲南大学) 7.位 戎崎 俊一 (理化学研究所) -------------------------------------------------------------------------- (5) 物理学会素核宇分科の領域化について(鳥居) 物理学会理事会から「素核宇分科会の領域化について検討を始めて頂きたい」 旨の依頼がきた。 これは、かって物性分科会で研究分野毎に参加者数の偏りが生じて、プロ グラム編成が難しくなり、大きな分科会の参加者は、4つ5つのセッションを 走り廻り、小さな分科会は半日で終る等の不都合が起こったことから、講演数 を考慮して流動的に編成できる「領域化」が考案された。一方、素核宇分科会 では、そのような不都合が起こらなかったので、領域化には消極的であった。 ○領域とは、学術的に関連の深い分科会の集合からなる組織で、大会や秋季大会 のプログラム編成の便宜を目的として構成される。構成上は既存の分科会を緩 くまとめる上部組織的な色彩を持つ。 ○目的は、分科会や領域間の交流を促進させ、大会全体の問題を議論する場を作 り、分野の近い分科会に企画を説明することにより透明性を増し、また規模を 生かした独立性の高い企画を行うことである。 ○具体的には、その領域の「領域代表」を定めて頂き、代表は物性領域の代表、 物理学会理事、大会担当委員、副会長などで構成する「プログラム委員会」 に参加し、分科会から出された招待講演やシンポジウムの内容の説明・審査 、合同シンポジウムの企画など、分科会間、領域間の交流促進、大会全体の 問題の討議、決定事項を当該領域の会員に報告することを職務とする。 これについて議論され、以下の様な意見が出された。 ○宇宙線分野は、「領域化」してもメリットがない。 ○宇宙線は、実験と理論を分けると、かえって困ることが多いので、 (実験+理論)で、1つの領域とした方が良い。 ○今までの「宇宙線の世話人」を「領域代表」とすれば良い。 --------------------------------------------------------------------------- (6) 宇宙線将来計画シンポジウム (鳥居) 20の講演申し込みがあり、これらのプログラム編成を議論し、以下の様に 決めた。 日 時:平成15年6月26日(木) 10:50 〜 27日(金) 16:30 場 所:東京大学宇宙線研究所(柏) 6階 大セミナー室 6月26日 10:50〜 opening speech 村木 綏 (座長: 村木 綏) 11:00〜 (a)宇宙線望遠鏡計画(TA) 福島正己 (宇宙線研) 〜12:00 (b)スーパー・アガサ (スクールアレー計画) 川上三郎 (大阪市大) 12:00〜12:30 EUSO(Extreme Universe Space Observatory) 戎崎俊一 (理研) 12:30〜13:30 昼食 (座長: 木舟 正*) 13:30〜14:00 チャカルタヤ山における 10^(15)〜10^(17.5)eV領域 の核相互作用および一次線の研究 本田 建 (山梨大)* 14:00〜14:30 バイカル湖における超高エネルギーニュートリノ天文学計画 「略称:HBD (Hyper Baikal Detector)計画」-第一段階:デザイン研究- 岬 暁夫 (早稲田大) 14:30〜15:00 全天高精度素粒子望遠鏡(Ashra)計画 佐々木真人 (宇宙線研) 15:00〜15:30 IceCube 実験 吉田 滋 (千葉大) 15:30〜16:00 Coffee break (座長:吉田 滋) 16:00〜16:40 チベット実験の現状と将来 瀧田正人 (宇宙線研) 16:40〜17:20 SuperCANGAROO 計画 森 正樹 (宇宙線研) 17:20〜18:00 LCGT計画の現状と見通しについて 黒田和明 (宇宙線研) 6月27日 (座長:谷森 達) 9:30〜10:00 宇宙線照射による地球外物質の同位体比変動の検出 〜 太陽系の形成と宇宙線の永年変化 〜 米田成一(国立科学博物館) 10:00〜10:30 Macho 村木 綏 (名古屋大) 10:30〜11:00 Super Solar Neutron Telescope 計画 さこ隆志 (名古屋大) 11:00〜11:30 ECC高速全自動スキャンによる一次電子線の観測 青木茂樹 (神戸大) 11:30〜12:00 BESS-Polar 実験 山本 明 (KEK)* 12:00〜13:00 昼食 (座長:福島正己) 13:00〜13:30 MeV ガンマ線全天探索計画 身内賢太朗 (京都大) 13:30〜14:00 国際宇空ステーションにおける高エネルギー電子、 ガンマ線観測 (CALET) 鳥居祥二 (神奈川大) 14:00〜14:40 XMASS(フェーズI) 鈴木洋一郎 (宇宙線研) 14:40〜15:10 J-Parc neutrino 実験 伊藤好孝 (宇宙線研) 15:10〜15:30 Coffee break (座長:鳥居祥二) 15:30〜16:30 General discussion *) not confirmed =========================================================================== (資料1)「CRC News」メール配信 ( 28件)   ○ 委員会報告;3件 5月08日、第18期、第8回原子核専門委員会議事録 5月28日、平成14年度第3回CRC実行委員会 議事要録 6月10日、2002年度第4回CRC実行委員会・第2回CRC総会 議事要録 ○ 公募案内;7件 4月01日、KEK・加速器研究施設 教官公募 4件 4月04日、大阪市立大学大学院理学研究科数物系助教授公募 4月18日、東京大学宇宙線研究所教官公募 2件 4月18日、第5回(2003年度)高エネルギー物理学奨励賞 推薦及び応募 5月12日、KEK・加速器研究施設教官公募 5月28日、KEK・加速器研究施設 非常勤研究員公募 6月06日、九州大学大学院理学研究院助教授公募 ○ 研究会案内;9件 5月07日、特定・宇宙ニュートリノ第13回研究会 5月07日、宇宙線将来計画シンポジウム 5月08日、2003 IEEE Nuclear Science Symposium 5月12日、小柴先生ノーベル賞受賞記念シンポジウム「宇宙の新しい物理観測」 5月13日、ICRC2003 deadline of early registration 5月14日、1st Circ.: The 6th RESCEU International Symposium 5月15日、特定・宇宙ニュートリノ第13回研究会(final) 5月21日、宇宙線将来計画シンポジウム申込締切日延期 5月24日、第5回Geant4研究会 ○ その他;9件 4月1,7,11日、CRC選挙投票の呼びかけ 5月08日、名古屋大名誉教授 村上 一昭 様、御逝去 5月08日、メキシコ Ruth Gall女史、御逝去 5月08日、平成15年度CRC選挙の開票結果 5月12日、ASDアンプ、ワイヤーチェンバー用改良型ASDチップの製造 5月21日、「CRC会員名簿」更新のお知らせ 5月22日、素核宇分科会の領域化に関して